大規模オプションカットオフ控えビットコイン小動き、XRP前日比8.9%高の背景は

マクロ経済と金融市場

30日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比458ドル(1.5%)安、ナスダックは前日比314ドル(2.8%)安と大幅下落。東京株式市場では、日経平均株価が前日比442円(1.6%)安となった。

ジャクソンホール会議のパウエル議長講演やCPI(米消費者物価指数)高止まりなどの影響により金融引き締め”長期化”が市場コンセンサスと化したことで、長期金利やドル指数の再上昇を招き、世界的なリセッション(景気後退)懸念は相場の下押し圧力となっている。

仮想通貨市況

一方、暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比0.36%高の19,468ドルと横ばいに推移。

BTC/USD日足

伝統金融市場と比較すると耐えている印象であるが、依然として危険水域にあり、相場に迷いが見受けられる。

なお、本日17時には大手オプション取引所Dribitの四半期末のオプションカットを控える。9月30日で満期日を迎えるビットコインオプションの建玉は10万BTC規模を超えており、ボラティリティ(価格変動性)拡大する可能性も指摘される。

金融マーケットではCPI(米消費者物価指数)結果などを受け弱気のセンチメントが継続しており、下落を見越したヘッジの観点からプット・オプションが積まれているものと見られる。最大建玉は18,000ドル。

一方、直近のプット・コール・レシオは25日以降下落傾向にあり、オプショントレーダーの目線が転じつつある可能性も示唆する。

上図の左側がコールオプション(買う権利)、右側がプットプション(売る権利)。権利行使価格ごとの建玉を示している。オプション取引は「権利の売買を行う取引」のことで、現物の保有リスクをヘッジするための保険契約に例えられることも少なくない。

関連:プロが解説:ビットコインのオプション建玉から仮想通貨マーケットを読む

アルトコイン相場

個別銘柄ではXRPが前日比8.9%の0.48ドルと上昇。前月比46%と大幅反発している。

XRPを開発するRipple社が20年12月に米SEC(証券取引委員会)から「証券法違反」で提訴された裁判を巡り、一定の進展が見られたことが背景にある。

米地方裁判所の判事がSECの異議(再審請求)を却下し、SEC側に説明を求めるRipple社の申し立てを認めた。

18年6月に開催されたサミット(Yahoo Finance All Markets Summit)にて、SECの企業財務部門ディレクターを務めていたWilliam Hinman氏が「イーサリアムは十分に分散化されたネットワークであり、少なくとも現在の構造では有価証券には該当せず、規制対象として考えていない」との見立てを示した。

今回、その時の内部記録の開示を命じたものだ。

イーサリアムは、2014年にICO(イニシャル・コイン・オファリング)による資金調達を行った経緯があることから、SECの矛盾点を突く材料の一つとなり得るとされるが、SECは「Hinman氏の演説内容は個人的見解であり、SEC公式のポリシーを表すものではない」と主張している。

XRPを巡る裁判では、17日時点でRippleとSECはともに”略式判決”を求める申し立てを行っており、これ以上裁判を長期化させず決着に向かうとの見方が強まっていた。

一方、ここ最近のXRP価格は思惑先行でボラティリティが上がっており、注意を促す向きもある。

詳細:リップル裁判、内部資料提出に対するSECの異議申し立てを裁判所が却下

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

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