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4000億円規模のロスカット、ビットコイン急落を招いた三つの要因とは=Wintermute分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大規模な清算イベント

暗号資産(仮想通貨)マーケットメイカーのウィンターミュート(Wintermute)は2日、ビットコイン市場に関する最新分析を発表した。ビットコイン(BTC)価格が8万ドルを割り込んだ要因について、単一の悪材料ではなく、複数のマクロ要因とレバレッジ解消が重なった「遅延型のリスクオフ」であるとの見解を示した。

ビットコインは、2025年4月のトランプ関税ショック以来初めて8万ドルを下回り、週末にかけて清算額は25.5億ドル(約3,970億円)に達した。同社によると、これは仮想通貨市場史上10番目に大きい清算イベントだという。

しかし今回は、当時のような単一の明確な引き金ではなく、以下に示す三つのマクロ要因を市場が消化する必要があったと分析している。

  1. Mag7株(米主要テック株7銘柄)の下落によるAIブームへの疑念
  2. FRB人選への警戒: ケビン・ウォーシュ氏の次期議長サプライズ指名
  3. 貴金属市場からの資金引き揚げ

AIストーリーが揺らぐと、市場全体のリスク選好が打撃を受ける。仮想通貨は「リスクオン」資産の典型として、この影響を免れない。

貴金属市場では、安全資産とされる金(ゴールド)や銀の価格が大幅に下落し、銀は日中で26%という暴落となった。1月30日には1時間で10%の価格変動が起きたことで、CMEのCOMEX市場ではサーキットブレーカーが発動する異例の事態となった。

この状況についてウィンターミュートは、「通貨価値の希薄化ストーリーの崩壊」ではなく、「極端に積み上がった投機的ポジション解消に伴う、マージンコール主導のフラッシュクラッシュ(一時的な急落)」と分析している。

市場のマクロ要因への反応が遅れた結果、実際の売り注文が流動性の低い週末に集中した。これに高レバレッジポジションの解消が加わり、清算イベントを引き起こしたとウィンターミュートは指摘した。

関連:トランプ大統領、ビットコイン肯定派のウォーシュ氏を次期FRB議長に正式指名

弱気相場から脱却

ウィンターミュートは、アルトコインの低調なパフォーマンスや上昇局面の限定性(ラリーの狭さ)、X上のセンチメント悪化などを根拠に、「現在の仮想通貨市場は明らかに弱気相場にある」と評価。さらに、他の資産クラスと比較して、上昇・下落の両局面でパフォーマンスが見劣りする状況が続いていることも、典型的な弱気相場のパターンであると指摘した。

オーダーブックの需給動向を直接掌握している同社が、「1月を通じて市場を支えていた機関投資家も、先週の相次ぐ悪材料で慎重姿勢に転じ、現在の価格帯では新規の買い手が枯渇している」と指摘している点は、注目に値する。

しかし、同社は今回の弱気相場について、2022年に相次いだFTXやTerra/Luna、Three Arrows Capitalのような構造的な破綻の結果ではないと強調している。

むしろ、マクロ経済やトレンドの変化に伴い、ポジショニングの調整、投資ストーリーの変容、リスク選好の低下が重なった結果生じた「有機的なレバレッジ解消」だと分析。そのため、強制的な破産や連鎖破綻がなければ、今回のサイクルは以前の弱気相場よりも早く収束する可能性があると見ている。

関連:「今の仮想通貨相場は冬の始まりではなく終了間近の可能性」ビットワイズ幹部が分析

インフラは以前より強固になっており、ステーブルコインの採用も拡大し続けている。機関投資家の関心は消滅したわけではなく、今は単に静観しているに過ぎない。

ウィンターミュートは、マクロ経済の不透明感が払拭され、FRBの政策方針が明確化すれば、2026年後半には市場の関心が急速に回復する可能性が高いと見ている。

足元の市場状況について同社は、清算の進展により過剰なポジションは整理されたものの、投資家の確信度は依然として低く、2カ月続いたレンジ相場を抜けた後の「価格発見プロセス」の段階にあると指摘する。

同社は、本格的な上昇トレンドへの回帰を論ずるのは時期尚早としながらも、市場の構造が損なわれていない点を強調。ひとたび上昇に転ずれば、過去の弱気相場後よりもはるかに明確なブレイクアウトとなる可能性が高いと総括した。

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