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ポリマーケット、偽サイトで架空取引・勝利を演出か=WSJ調査

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 偽サイトを構築し190万ドル相当の架空取引動画を制作・拡散
  • 競合カルシに取引量で逆転を許す中、規制当局が動向を注視

架空取引の動画で拡散工作

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、予測市場大手ポリマーケット(Polymarket)が、架空の取引シーンを収めた動画をSNSで大規模に拡散させていたと報じた。同紙が1,100本超の動画を分析した結果、クリエイターたちが実際のポリマーケットではなく、同社が構築した偽サイト上で取引を演じていたことが確認されたとしている。

偽サイトの一つは「poiymarket.com」というURLで、小文字の「l」を「i」に置き換えた表記であり、大文字表示では本物と区別がつかない仕様だった。WSJの報道後、同サイトは閉鎖されている。クリエイターが撮影した動画には、本物のサイトには存在しないグラフの出典表記や、「YES/NIR(北アイルランドの略)」など誤ったボタン表示といった複数の不審な点が確認されたという。

総額190万ドル相当とされる動画内の「取引」はすべて架空のものだった。うち118本の動画では、クリエイターたちが計90万ドル近くの勝利を演出していたが、同条件で実際に賭けた場合は16万6,000ドル超の損失になるとWSJは試算している。クリエイターへの報酬は月額2,000から3,000ドル程度だったとされる。

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クリッパーによるSNS拡散工作の実態

ポリマーケットはマーケティング会社バイラリティ(Virality)を通じ、クリエイターの動画を転載・拡散するいわゆる「クリッパー」を組織的に運用していた。

WSJが入手した内部資料によると、クリッパーには投稿が「自然で個人的」に見えるよう指示が出ており、アカウント名に「Polymarket」や「poly」を含めることも禁じられていた。この拡散工作によるSNSの総再生数は、動画分析会社テュビュラー(Tubular)の集計でTikTok・YouTube・インスタグラム合計1億4,000万回超に達したとされる。

米連邦取引委員会(FTC)は広告主に対し、有償の推薦関係を明示するよう義務付けており、商品先物取引委員会(CFTC)も予測市場における欺瞞的行為を禁じている。

WSJの取材に対し、FTC広報担当者は調査の有無についてコメントを控えた。CFTCの広報担当者は、オフショアの予測市場を米国内に戻すことの重要性を強調するにとどまった。

ポリマーケットはWSJの取材に対し、「正確で公正、透明性の高い市場の維持に取り組んでいる」と声明を発表し、現在展開中のプロモーションコンテンツについて包括的な監査を実施すると表明した。

関連記事:利用禁止の米国ユーザー、国際版ポリマーケット取引高の約3割占める可能性=レポート

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規制・資金調達の現状

ポリマーケットは2022年1月、無登録でデリバティブ取引施設を運営したとしてCFTCから140万ドルの制裁金を科され、米国ユーザーへのサービス提供を停止した。その後パナマに再法人化し、2025年11月にはCFTCから認定デリバティブ取引所(DCM)としての認可を取得。同年12月から米国向けサービスを段階的に再開している。

資金面では2025年10月にニューヨーク証券取引所の親会社インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)から最大20億ドルの出資枠(既投資額6億ドル)を受け、2026年4月時点では約150億ドルの評価額を目指す新規調達を協議中とされる。

規制上の課題に加え、同社はインサイダー取引を巡るトラブルも相次いでいる。2026年1月には米軍のベネズエラ介入前にマドゥロ失権へ賭けた新規アカウントが40万ドル超を獲得し、米陸軍兵士が機密情報を利用した疑いで逮捕・起訴された。

またイスラエル空軍の予備役少佐が民間人の共犯者とともに対イラン空爆に関連した賭けで計約16万2,000ドルを獲得し、軍事機密漏洩の疑いで起訴された。

こうした問題が積み重なる中、競合カルシは2026年4月の月間取引量で54億ドルを記録しポリマーケットの20億ドルを大きく上回り、初めて首位に立った。

関連記事:ポリマーケットでインサイダー取引容疑の米軍兵士、12月に公判予定

ポリマーケットでインサイダー取引を行ったとして告発された米陸軍兵士の公判日が設定された。予測市場における詐欺・不正取引の初期判例となる点も注目されている。

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