- セラー疲弊指標、過去のボトム水準より約3割高い
- オプション市場の上値ボラ、過去最低の23%
ETF流出とセラー疲弊指標
暗号資産データ分析企業のグラスノードは5日、週次レポートを公開した。米国の主要株価指数が過去最高値を更新する中、ビットコイン(BTC)はほとんど値を動かさず、S&P500に対して4ポイント以上劣後したと指摘した。
レポートによれば、米国のビットコイン現物ETFと上場企業のトレジャリー保有を合わせた資金は6月に約6.58万BTCを流出させ、過去最悪の月間流出を記録した。2024年終盤に約21.8万BTC超を吸収した最良月とは対照的な状況が続いているという。
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ボトム接近も指標は未完成
同社が定義する「セラー疲弊指標(Seller Exhaustion Constant)」は、保有者の含み益比率と実現ボラティリティを掛け合わせた指標で、直近30日平均が今サイクルの最低水準に達したという。過去の相場底はいずれもこの水準の範囲内で形成されており、機械的には底値圏に入ったとみられる。
ただし過去の下落相場が実際に付けた底値と比較すると、現在の水準はなお約3割高い。グラスノードは、指標は底値圏の手前にあり、疲弊の最終局面にはまだ達していないとの見方を示した。複合指標「Market Compass」は、約3週間続いた「リスク回避(Risk-Off)」局面から「守り(Defensive)」局面に移行したとしている。
オプション市場とセンチメントの振れ
オプション市場の動きにも同じねじれが見える。将来の急騰に備える取引(コールオプション)が想定する値動きの大きさは、約23%と過去最低の水準まで下がった。
一方、下落に備える取引(プットオプション)側の想定値は特に低いわけではなく、2023年8月時点はそれよりもさらに低かったという。グラスノードは、これは「下落への警戒」が強いからではなく、そもそも「上昇に賭ける需要」自体が消えていることを意味すると分析した。
目先の警戒心は、実際の値動きよりも大きく揺れている。投資家の警戒度合いを示す指標「1週25デルタスキュー」は、ビットコインの値段がほとんど動かなかった1日に8ポイント超も急変した。7月の高値圏でも同様の急変が起きたが、4日で元に戻ったという。無期限先物の資金調達率(ファンディングレート)は通常の範囲内にとどまっており、レバレッジ(借入を使った取引)の増減ではなく、投資家心理の振れそのものが背景にあるとみられる。
過去には、値動きの小さかった期間(実現ボラティリティの低下)がこの水準まで進んだ後、その反動でほぼ必ず上昇に転じてきたとグラスノードは指摘する。
ただし過去の反動局面ではETFなどの買い需要が背後で支えていたのに対し、今回はその資金の流れが逆転したままだ。同社は、売り枯れを示す指標も底値には届いておらず、上昇に転じる条件はまだ整っていないと結んだ。
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