- 複数取引所のアカウントから資金流出か
- ZachXBT氏、北朝鮮ラザルスの犯行ではないと分析
EU拠点の組織、口座から不正流出の疑い
オンチェーン調査を行うZachXBT氏は2日、欧州連合(EU)圏内のある組織が、1億600万ドル(約167億円)以上の暗号資産(仮想通貨)を盗まれた疑いがあると報告した。具体的な組織名については明かしていない。
資金は、この組織が保有する複数の仮想通貨取引所(中央集権型取引所)の口座からステーブルコインUSDCおよびUSDTの形で、11月1日に不正に引き出されたとみられる。
ZachXBT氏は、攻撃者はUSDCをイーサリアム(ETH)へと交換し、即時交換サービス(WellWallet、Kyrrexなど)を利用して資金を移動させたとも指摘。クロスチェーンサービスWagyuを通じてモネロ(XMR)に変換したり、複数のチェーン間で移動させたりしていると続けた。
モネロはプライバシー銘柄として知られており、送金者、受取人、送金額を秘匿化できるため、盗み出された資金の足跡を消すための手段としてよく利用されている。
10月29日には世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスからハッキングで約63億ドル(1兆円相当)が流出したばかりである。バイナンスの件については米FBIが北朝鮮の犯行だと公式に声明を出した。
関連記事:北朝鮮ハッカー、バイナンス1兆円窃盗の大半をわずか約20分で実行 秘密鍵に頼らず署名悪用
バイナンスで1兆円相当の資産が流出し、大半が約20分に集中したことが判明。分析会社は秘密鍵の盗難・漏洩ではなく署名の仕組みへの侵害と指摘し、EIP-7702が悪用された手口を踏まえ、承認ルールの独立判定などの対策を挙げた。
一方ZachXBT氏は今回のEU拠点組織の資金流出に関して、資金洗浄の手口などから判断すると、ラザラス・グループ(北朝鮮関連のハッカー集団)による犯行である可能性は「極めて低い」との考えを示した。
相次ぐハッキング攻撃
バイナンスからの巨額流出に加え、ここ1週間で仮想通貨プラットフォームへの攻撃が相次いでいる。
ブラジルの大手仮想通貨取引所メルカド・ビットコインも2日、システムの一つでセキュリティ事案を検知したとして入出金を一時停止した。同取引所は「顧客への損害はなく、データの流出もない」と発表している。ブロックチェーンセキュリティ企業Hypernativeは4,000万ドル(約63億円)超相当が同社に関連するウォレットから引き出されたと推計した。
関連記事:ブラジル大手取引所Mercado Bitcoin、推計63億円超流出で入出金停止
ブラジルの大手仮想通貨取引所Mercado Bitcoinが2日、セキュリティ事案を受けて入出金を停止した。Hypernativeの推計では63億円超相当が流出。同社は顧客被害やデータ流出はないとし、5ネットワークの送金先アドレスを公開した。
その他に、無料のオープンソース・ビットコイン(BTC)決済処理ソフト「BTCPay Server」も1日、利用者が各自で運用するサーバーのホットウォレットから無許可で資金が引き出されたとの報告を受けて、決済サーバーの停止を呼びかけた。
BTCPay Serverのチームは、今回の攻撃は、BTCPay Server 2.4.1(2026年7月23日リリース)以前のバージョンを実行しているサーバーを標的にしていたことが判明したと述べている。
この古いバージョンを使っているユーザーに対して、ホットウォレットに残っている資金をすべて別の場所へ移動させた上で、新しいウォレットを備えた別のサーバーへ移行することを強く推奨した。
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