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ヘイズ氏、AI大型IPOの希薄化に警鐘 ビットコインなどへの波及を予想 アンソロピックのIPO投資家は2027年6月までに83%希薄化と試算、中銀の資金供給はBTCに追い風とも

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • アンソロピックのIPO投資家は2027年6月までに83%希薄化とヘイズ氏が試算
  • 最終的な中銀の資金供給はBTCに追い風と予想

AI大型IPOに希薄化リスク

仮想通貨デリバティブ取引所BitMEXの共同創業者で、投資会社Maelstromの最高投資責任者(CIO)を務めるアーサー・ヘイズ氏は5日、自身のブログを更新した。スペースX(SpaceX)とアンソロピック(Anthropic)、オープンAI(OpenAI)の大型IPOについて、内部関係者の保有株がロックアップ(売却制限)解除で市場に流れ込み、株価が公開価格を下回る可能性が高いとの見方を示した。

同氏はこの構図を、2016年10月に取引が始まったジーキャッシュ(ZEC)になぞらえた。当時はマイナーが採掘した分しか市場に供給がなく、取引所ポロニエックスでは極端な高値で買われた。

同氏は、ZECの時価総額は過去最高水準にあると認めつつも、取引開始直後に買った投資家の多くは今も含み損を抱えていると指摘した。そのうえで、トレーダーが売買するのは時価総額ではなく1トークンあたりの価格だと強調した。

関連記事:アーサー・ヘイズ、AI計算資源の先物設計図を公開 FLOPで算出する価格が基準

アーサー・ヘイズ氏が、AIの計算資源を対象とする先物と無期限先物の設計図を公開した。同氏主導の仮想通貨FLOPのネットワークで算出する価格を基準とし、証拠金と損益をドル建てとする仕様案だ。

ロック解除で株価に下押し圧力

6月12日にナスダックへ上場したSpaceX(公開価格135ドル)について、同氏は上場以来の株価がほぼ横ばいだった一方、流通株数は50%増えたと指摘する。2027年6月末までに約86億株が新たに売却可能となり、さらに約50%の希薄化が生じると見積もった。増加分の大半は、イーロン・マスクCEOが受け取る株式の権利確定によるものだという。

10月26日に米証券取引委員会(SEC)へS-1(新規上場の登録届出書)を提出したアンソロピックには、より厳しい試算を示した。S-1の内容をもとに、IPO時の投資家は2027年6月までに83%の希薄化に直面すると算出。

上場時の時価総額を1.5兆ドルと仮定すると、株価を据え置くだけで約1兆2450億ドルの新規資金が必要になるという。S-1に当面の配当予定がないと記されている点も挙げ、同期間に株価が上昇するのは数学的にほぼ不可能だとした。

オープンAIはまだS-1を公表していない。英フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、同社は調達目標を300億ドルから200億ドルに引き下げ、評価額1兆2500億ドルで資金調達を進めている。

ヘイズ氏は、同社が1月に上場した場合も発行済み株式の5%程度を公開し、半年以内に従業員や初期投資家の売却が進むと想定。アンソロピックと同様に、株価維持には巨額の新規資金が必要になるとみる。

仮想通貨市場への波及経路

同氏が重視するのは、3社が上場を急ぐ理由だ。巨額のデータセンター投資を賄うには社債市場からの調達が欠かせず、上場はその入り口になる。株価が低迷すれば債券投資家はより高い利回りを求め、AI関連債の信用スプレッドが拡大する。同氏はブログの小見出しに「横ばいは下落」と掲げ、株価が公開価格付近で停滞するだけでも資金調達の前提が崩れると論じた。

仮想通貨への影響は、ドルの流動性を通じて及ぶという。ヘイズ氏によると、米連邦準備制度理事会(FRB)は現時点で資産の拡大に動いておらず、8月から続いた仮想通貨の小幅な上昇は米銀行のバランスシート拡大が支えてきた。その銀行資産は先週、前週比で減少に転じた。同氏は1週分のデータにすぎないとしつつも、AI関連の信用市場の悪化と重なる点を懸念する。AI関連の融資や証券金融が細れば、銀行のバランスシートは横ばいか縮小に向かうと同氏は警戒する。

Maelstromは当面、様子見の姿勢を続ける。同氏はAIバブルの崩壊が金融危機の兆しを見せた段階で、主要国の中央銀行や財政当局が資金供給に踏み切ると予想する。その局面はビットコイン(BTC)など仮想通貨の保有者にとって大きな追い風になるとしたうえで、「辛抱が必要だ」と述べた。

関連記事:【2026年最新】仮想通貨関連の株式投資ガイド|ビットコイン保有企業・関連銘柄・ETFを解説

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