Web 3.0により発揮されるインターネットの真価とは Ontology(オントロジー)寄稿

生活に不可欠なインターネットが抱える課題

インターネットは、生活のあらゆる場面に浸透しています。私たちがお互いにコミュニケーションをとる時、仕事をする時、エンターテイメントを楽しみたい時、知識を得る時ですらも、インターネットが不可欠となっています。

インターネットの普及に伴い、私たちが日常的に利用しているオンラインのプラットフォームやサービスを提供するテック企業の集合体「ビッグテック」の影響力も高まる一方です。

これらの巨大企業は、何百万人(場合によっては何十億人)ものユーザーを集めるプラットフォームを生み出しています。こうしたプラットフォームを利用するには、ユーザーはメールアドレスや電話番号などの個人情報を提供する必要があります。テック企業は、こうした情報を利用してターゲットを絞った広告を作成したり、第三者に販売したりすることで、収益化につなげています。 

Web 2.0が直面した問題

現在のWeb 2.0時代は、こうした「ビッグデータ」に象徴されます。それは、ユーザーが個人データを中央集権的なプラットフォームに渡し、そのデータを利用した企業が一方的に莫大な富を享受する世界です。ユーザーに提供される「無料」プラットフォームは、ユーザーを一種の商品に変えてしまいました。

ユーザー側では現状、あるプラットフォームに渡した自らのデータが、どこでどのように利用されるかについて、全くと言って良いほどコントロールすることができません。また、個人情報は一元化されたプラットフォームに保存されるため、ハッキングされやすいという問題もあります。近年、数多くのデータ漏洩が発生し、何億人ものユーザーの個人情報が流出しています。

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現在は、Web 2.0からWeb 3.0への過渡期にあります。Web 3.0時代では、中央集権的なプラットフォームに翻弄されることのない時代に向かいます。それは分散型データの世界であり、人々が自らの個人データの所有権および管理権を取り戻すことのできる時代です。

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Web 3.0とは

「Web 3.0とは何か」というテーマには様々な見解があり、まだ明確な定義はなされていません。ティム・バーナーズ=リーが提唱した「セマンティック・ウェブ」「グローバル・ブレイン」「IoE(Internet of Everything)」などの概念は、まだまだ手の届かない存在です。

Deloitte社の2019年版レポート「The Spatial Web」によると、Web3.0時代には「インタラクション(相互作用)」「コンピュテーション(演算)」「インフォメーション(情報)」の、3つのレベルでWeb2.0とは異なる質的な変化が起こるとされています。

出典:Ontology

またフォーブスによると、分散型台帳やブロックチェーン上のストレージなどの技術が台頭することで、データの分散化が可能となり、透明性のある安全な環境が構築されることになります。これは、上述したインターネットの中央集権的な問題の解消に役立ちます。

「データ覇権主義」による搾取への別れ

ユーザーが自分のデータを独立して管理できるようになれば(そして誰がそれにアクセスできるかを自分で決められるようになれば)、中央集権的なプラットフォームは個人情報を密かに収集することができなくなります。

それはプライバシーの向上に加え、個人データが中央集権的なサーバーに保存されなくなることから、データ漏洩の防止にも役立ちます。

つまり、Web 3.0はユーザーの手に力を取り戻し、中央集権的なプラットフォームによる「データ覇権主義」や「データ搾取」に別れを告げるものとなります。

共同ガバナンス(Co-governance)への取り組み

Web2.0からWeb3.0へと進展するにつれ、私たちの生活はより密接なデータに根ざした、よりインターネットベースなものとなっていくことが予測されます。

これに対応して、すべてのユーザー(開発者や企業を含む)のインフラに対する要求は、物理的なレベルだけでなく、ガバナンスへのガイドラインの要件も含まれるようになってくるはずです。

Web 3.0時代に向け、オントロジーはオンチェーン・ガバナンス、インターチェーン・ガバナンス、チェーンネットワーク・ガバナンスという3つの基盤の確立に努めています。

ガバナンスとは

ガバナンスとは、ある集団の経営・運営を管理監督するプロセスや仕組みのこと

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共同で構築していくエコシステム

Web 3.0のオープン性と共同ガバナンスは、複数の当事者が重要なインフラを共同で開発することを意味します。

オントロジーが構築したチェーンネットワークシステムとEVM(イーサリアム仮想マシン)ソリューション、および共同ガバナンスの原則に基づき、オントロジーはさまざまなインフラ構築者、企業、あるいは中央集権型のインターネットプラットフォームと容易に統合することができます。 それらと共に発展し、分散型のWeb 3.0への移行を加速させていくことができます。

オントロジーの分散型クロスチェーンウォレットである「ONTOウォレット」は、現在14のブロックチェーンと400以上のdAppsをサポートしています。また、Binance、Chainlink、Polkadot、Waves、Neo、NEAR Protocolなどの他の分散型インフラを構築するプロジェクトとも協力しています。

関連:オントロジー、独自のEVM(イーサリアム仮想マシン)開発完了を発表

出典:Ontology

これまでオントロジーは、分散型ソリューションの採用に関心のあるさまざまなパートナーと積極的に協力してきました。現在では、モビリティ、在庫管理・物流、マーケットプレイス、企業データ認証、デジタルコンテンツ、音楽著作権、スマートバンキングなど、複数の分野にソリューションを提供しています。

出典:Ontology

またオントロジーは、Web 3.0インフラ構築の貢献のため、Google Cloudのような従来の中央集権型インターネットプラットフォームとも公式に提携し、分散型アプリの構築を促進させ、オープンな共同ガバナンスおよび共同で構築できるWeb 3.0を目指します。

相互の信頼を可能にするオントロジーのソリューション

現在のWeb 2.0の問題点は、ユーザーのデータを継続的に蓄積・保存・収益化している少数の大手企業が中心となって管理していることです。世界有数の大企業の間では、データ漏洩の事例が多く報告されています。

オントロジーのミッションは、データとデジタルアイデンティティのコントロールをユーザーに戻すことです。これにより、自らのデータへのアクセス権を決めるのは、ユーザー自身となります。次に紹介する3つのファクターが、現在のWeb 2.0時代に著しく欠如しています。これらを強化することで、プライバシーと自律性の促進にオントロジーは貢献していきたいと考えています。

分散型アイデンティティ

現在、ユーザーは知らず知らずのうちに大量のデータを中央集権型のプラットフォームに提供し、それらは中央集権型のサーバーに保存されています。オントロジーは「ONT ID」および「OScore」といったソリューションを提供し、ユーザーが分散型のアイデンティティを作成し、それを複数のプラットフォームで掛け持ち利用することを可能とします。

「ONT ID」は、オントロジーの分散型アイデンティティフレームワークで、ユーザーが自分のデータをコントロールし、第三者が自分の特定の情報にアクセスできるかどうかを決定することができます。「ONT ID」を使えば、ネットユーザーはもう中央集権的なプラットフォームに頼る必要はなくなり、オンラインで本人確認が必要になった場合、ユーザーはデータの機密性と安全性を確保した上で実行することができます。

また「OScore」は、オントロジーの分散型信用スコアです。OScoreのユーザーは、分散型の信用スコアを数値化・活用し、自らの活動に応じた報酬を得ることもできます。

関連:オントロジー(ONT)が解説、分散型アイデンティティに特化したブロックチェーンとは【寄稿】

分散型データ

オントロジーの分散型データマーケットである「SAGA」は、企業や個人ユーザーに、信頼性が高く、標準化された、コスト効率の高いデータ取引プラットフォームを提供します。

SAGAのエコシステムでは、ユーザー(個人または企業)はONT IDを使ってデータを検証し、データストリームとその所有者を関連付けます。これにより、データ所有者の権利が確実に保護されます。

関連:オントロジーが分散型データ取引所「SAGA」をローンチ、成長著しい産業にアプローチ

デジタル資産

オントロジーは、分散型信用システムを従来型金融と組み合わせます。信用ベースのクロスチェーン分散型資産管理プラットフォームにより、Web 3.0のP2P取引とディスインターミディエーション(仲介業者の排除)を実現します。

上記のソリューションはオントロジーのプラットフォームでサポートされるだけでなく、従来型の産業や中央集権的なネット上のプラットフォームでも採用できます。

Web 2.0の問題を克服

Web 3.0の定義については様々な見解がありますが、オントロジーはWeb 2.0に内在する問題の克服を目標としています。ブロックチェーン技術を活用することで、オントロジーは他の分散型技術と同様、Web 3.0でインターネットの真価を引き出す事ができると考えています。

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