バイナンス、本社はフランスに設立か
バイナンスの本社はフランスに設立か
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスのChangpeng Zhao最高経営責任者(通称、CZ)は、同社の本社をフランスに設立する意向であることを明かした。
現地メディア『LesEchos』がCZ氏にインタビューを行い、9日に報じた。CZ氏は、2022年にフランスでデジタル資産のサービスプロバイダーとして認可を取得したいと説明している。
バイナンスとは
取扱銘柄や取引高、登録者数が非常に多い世界最大手の仮想通貨取引所を運営。元々は香港に本社を置いていた。取引所の運営以外にも、学習コンテンツの作成、独自ブロックチェーンの開発、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの運営なども行なっている。
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バイナンスを巡っては今年、日本の金融庁を含む世界各国の規制当局から厳しい警告を受けており、複数の国で一部のサービス提供停止などが相次いでいる。この状況を受け、CZ氏は9月に「規制に準拠した運営を行うため、バイナンスも本社を構える必要がある」と語っていた。
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その際、「バイナンスを設立した当初は、様々な場所にチームを配置して、分散型モデルで運営していきたいと考えていた。しかし、中央集権的な取引所を運営し、規制機関と協力していくためには、中央集権的な本社が必要であると認識するようになった」と説明。「適切なガバナンス、透明性の高い本人確認手続き、マネーロンダリング対策やリスク管理などを主導する本社が必要である」と話している。
バイナンスは今月、フランスの非営利団体「France FinTech」とパートナーシップを締結したことを発表。フランスや欧州全体でブロックチェーンや仮想通貨のエコシステムにおける開発をサポートするため、1億ユーロ(約130億円)を活用する取り組み「Objective Moon」を開始するとし、フランスにバイナンスの研究開発拠点を設立するとも説明していた。
CZ氏は今回のインタビューで「地域だけでなく、おそらく世界の本部として、フランスに本社を構えるのが自然な選択だろう」と語ったという。また、3日に開催されたカンファレンスでは「バイナンスは、フランスや欧州の技術力や、仮想通貨・ブロックチェーン業界における能力の高さを認識している」と述べていた。
これからライセンスの取得を重視し、フランスに本社を置きながら、さらに各国・地域でも規制対応を優先して運営を続けていこうと考えているという。
バイナンスの規制対応
バイナンスは現在でも新銘柄の上場など精力的に運営を続ける一方で、規制対応を強化している。3日には欧州部門の幹部にMartin Bruncko氏を起用したことを発表した。
同氏は、フィンテック企業を創設したり、スロバキア政府で役職についたり、世界経済フォーラム(WEF)の欧州部門のトップを務めた経験がある人物。IT企業に関する専門知識や、金融やイノベーションにおける政策立案の経験を活かし、バイナンスの欧州事業に貢献することが求められている。
CZ氏は今回のインタビューで「今年は規制に対応するため、150人の従業員を新たに雇用した。これからは600人のコンプライアンスチームが規制対応を行なっていく」と説明。「バイナンスの3,500人の全従業員の内、15%超が規制対応を行うことになる」とした。
そして「現在は世界の人口の5%が仮想通貨の支持や使用をしている。これから残りの95%も説得できるように運営を続けていきたい」と意欲を見せた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します