イーサリアム、メインネットで10回目のシャドーフォークを実施
シャドーフォークを実施
暗号資産(仮想通貨)イーサリアムは26日、メインネットで10回目のシャドーフォーク(マージに向けたテスト)を実施した。
今回のシャドーフォークは予定よりも26時間早く実行。これでメインネットにおけるマージの実施にまた一歩近づいたことになるが、27日に公開されたイーサリアム財団のブログでは、マージの実施予定日はまだ未確定だとしている。
マージとは
イーサリアムの次期大型アップグレード「The Merge」のこと。コンセンサスアルゴリズムを「プルーフ・オブ・ワーク(PoW)」から「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」へ移行する。
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イーサリアムはマージに向け、シャドーフォークやテストネットでのアップグレードを継続中だ。7日にはRopstenに続き、2番目のテストネットSepoliaでマージの実装を完了。テストネットへの実装は最後のGoerliのみとなっている。27日のブログでは、Goerliにおけるマージの実施は、8月6日から12日ごろになる予定だと述べていた。
イーサリアム財団で開発・運用に携わるParithosh Jayanthi氏は「CoinDesk」に対し、10回目のシャドーフォークでは、「Goerliのマージと同様のリリースをテストする」と説明。現時点では大きな問題は報告されていない。
メインネットでのマージの実施予定日はまだ未確定としながら、イーサリアムの開発チームは仮の見通しとして、実施予定日を22年9月19日と定めている。
マージの注目点
イーサリアムはマージの後も4回の大型アップグレードを予定。イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は21日、フランスで開催されたイーサリアム・コミュニティの年次会議で講演し、マージ完了後も複数のアップグレードが計画されており、ネットワークは急激な変化期に突入すると語った。現在のイーサリアムの完成度は、まだ40%程度だとも述べている。
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一方で、コンセンサスアルゴリズムをPoSに移行するマージは、投資家から非常に大きな注目を集めている。その理由の1つは、マージ後はマイニングが行われなくなり、イーサリアムの供給量が減少するからだ。
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26日更新のイーサリアム財団の公式ページによると、マージ後はイーサリアムの1日の発行量が最大1,600ETHとなり、現在と比べて供給量が最大90%減少する。
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