今週の仮想通貨市場 主要銘柄の注目材料まとめ|リップル裁判結果・SUI大型アップグレードなど

暗号資産(仮想通貨)の材料まとめ

前週比の騰落率(8/3〜8/9)

  • ビットコイン(BTC):60,709ドル -2.2%
  • イーサリアム(ETH):2,595ドル -13.5%
  • ソラナ(SOL):154.5ドル -0.1%

時価総額上位の暗号資産(仮想通貨)銘柄を中心に、過去1週間の材料をまとめた。

時価総額1位:ビットコイン(BTC)

金融相場は5日、日銀の利上げの影響による急速な円高や米国の景気後退懸念、中東の地政学リスクなどを背景にリスクオフが加速し、大幅下落。ビットコイン(BTC)は一時50,000ドル台を下回った。

円のキャリートレードの巻き戻し(レバレッジ解消)や、JumpクリプトのETH大量売りの影響から一時的な打撃を受けたが、先物市場の大規模ロスカット(強制清算)の後は買い戻しで大きく反発した。

関連「円キャリートレードの巻き戻しが仮想通貨下落の一因に」識者が見解

一方、米政府やマウントゴックス債権者によるビットコインの大量売却への警戒は依然として高い。

関連ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨暴落、600億円相当の大規模ロスカット

関連:ビットコインの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、最適な取引所選び

時価総額2位:イーサリアム(ETH)

イーサリアムはビットコインと共に急落していたが、背景には、米大手マーケットメイカーJump Tradingの仮想通貨部門Jump CryptoによるETH大量売りがあったと見られる。

8月3日以降、データ追跡のArkham Intelligenceによって「Jump Crypto」に属するされているアドレスから、当時の価格で3億ドル相当のETHが複数の取引所ウォレットへ入金されたことが見られた。

関連Jump Crypto、数億ドル相当のイーサリアムを売却か

また、Jump Cryptoは7月25日以降の9日間で、83,000wstETH(リッキドステーキングのETH)を97,500 ETHに交換し、このうち66,000ETHをバイナンスやOKXなどの取引所に移していた。これらのETHはすでに全部売却された公算が高い。

関連イーサリアムの買い方|初心者が知るべき投資メリット、リスク、おすすめ取引所選び

時価総額4位:ソラナ(SOL)

ブラジル証券委員会は8日、世界初として、ソラナ現物ETFの提供を承認した。

アメリカでのソラナ現物ETF申請より早く承認され、南米の経済大国のブラジルでソラナへの機関投資家マネーが期待される。

関連ブラジル、ソラナ現物ETF初登場へ

時価総額7位:XRP

XRPは今週木曜日に前日比20%以上高騰した。

米時間7日、リップル社が米国証券取引委員会(SEC)との裁判判決で優位に立ったとの見方が追い風となった。SECの請求額を大幅に下回る1億2500万ドル(183億円)の罰金命令によって、約4年間にわたるXRPの有価証券問題をめぐる裁判が終わりを迎えつつある。

結果として、リップル社による1,000件以上の機関投資家向けXRPの売却取引が証券取引法に違反していると認定され、罰金を科された。また、リップル社は今後証券取引法に違反しないよう命じられた。

関連裁判所がリップル社に183億円の罰金、仮想通貨XRPめぐるSECとの裁判で

関連暗号資産XRPの買い方 リップル(Ripple)社との関係や将来性を解説

時価総額38位:Sui(SUI)

仮想通貨スイ(SUI)に関する材料は今週複数でている。好材料を受け、スイは9日に前日比40%ほど高騰した。

高速レイヤー1ブロックチェーンSuiは8月5日、大規模コンセンサスアップグレード「Mysticeti」をメインネットにデプロイした。これによって、コンセンサスの待ち時間は390ミリ秒と大幅に短縮され、処理速度がさらに改善された。

また、アップグレードのほか、米大手暗号資産(仮想通貨)投資会社グレースケールは7日に新たにSUIのファンド(投資信託)を販売開始した。投資信託として販売されることによって、SUIへの機関投資家マネー流入が期待される。

関連コンセンサスの待ち時間を約80%短縮、Suiの「Mysticeti」メインネット稼働開始

関連スイ(SUI)の買い方|元Meta開発者が手掛ける仮想通貨の将来性、おすすめ取引所の選び方

8月トークン解除予定(再掲)

トークンアンロックイベントでは、8月におよそ1,520億円分の仮想通貨が複数のプロジェクトから解除され、市場へ流通する見込みだ。

ICOやIEO(Initial Exchange Offering)などの資金調達後のロックアップ期間が終了し、プロジェクトチームやアドバイザーなどの創業メンバーや初期に投資したベンチャーキャピタル(VC)や個人投資家の保有するトークンの大量アンロックは供給量の増加につながり、市場価格に影響を与える可能性がある。

株式市場のIPO(新規株式公開)でも、既存株主(経営陣、従業員、初期投資家など)が保有する株式の一定期間売却を制限する仕組みとしてロックアップ制度が設けられている。

トークンアンロックのタイミングや条件は、プロジェクトのホワイトペーパーや公式サイトに記載されている。月単位で行われるものが多く、今年8月には下記の日程でアバランチ(AVAX)、スイ(SUI)、アプトス(APT)、ワームホール(W)など主要銘柄のアンロックが予定されている。

  • スイ(SUI):8月1日 5,000万ドル 流通数の2.56%
  • ワームホール(W):8月3日 1.8億ドル 流通数の33%
  • アプトス(APT):8月12日 8,000万ドル 流通数の2.4%
  • サンドボックス(SAND):8月14日 6,900万ドル 流通数の9%
  • アービトラム(ARB):8月16日 6,700万ドル 流通数の2.8%
  • アバランチ(AVAX):8月20日 2.68億ドル 流通数の2.42%

今週のクリプト指標

CoinPostアプリをDL

関連:おすすめ国内仮想通貨取引所 投資家のクチコミ比較ランキング

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう 新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング