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コナミやネクソン、企業がアバランチを採用する理由 AVAXの役割と買い方を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

企業採用が進むアバランチ

アバランチ(Avalanche)は、その高いスループットと低遅延性で知られるブロックチェーンプラットフォームです。多くのユーザーはDeFi(分散型金融)やゲームアプリが動作するスマートコントラクト・ネットワーク「C-Chain」を利用していますが、アバランチにはさらに多くの機能があります。

出典:Avalanche

その中でも企業が注目しているのが「サブネット(Subnet)」です。サブネットはアバランチの革新的な技術であり、企業がスケーラブルでカスタマイズ可能なブロックチェーンを構築するのに最適です。

本記事では、サブネットの仕組み、アバランチの特性が活かされている点、企業の採用事例、そして暗号資産(仮想通貨)AVAXの役割について詳しく解説します。特に、AVAXに関する情報は、アバランチの購入を検討する投資家やユーザーにとって重要です。

💡この記事でわかること
  1. サブネットの特徴・メリット
  2. アバランチの主な企業採用事例
  3. 仮想通貨アバランチ(AVAX)の役割
  4. アバランチ(AVAX)の買い方

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サブネットの仕組み

出典:Avalanche Dev Docs

サブネット(Subnets)は、アバランチのバリデーター(検証者)の動的な“サブセット(部分集合)”であり、独自のブロックチェーンでコンセンサスを形成します。サブネットは一種の「ブロックチェーン・アズ・ア・サービス」とも言え、アバランチの一部のバリデーターによってセキュリティが担保されます。

6月21日時点に、128のサブネットがアバランチにデプロイされ、アバランチのバリデーター総数は1564あります。その中で、各サブネットは独自のバリデーター群を持ち、そのバリデーターが管轄するネットワークの取引を検証します。

バリデーターとは

ブロックチェーンに記録されるデータの妥当性を検証するノードのこと。

サブネットの特徴

1. 柔軟なスケーリング
サブネットは、独自のブロックチェーンを運営するため、C-Chain全体のトランザクション需要増加の影響を受けません。トランザクション処理能力の安定性が保たれます。さらに、開発者は、自身のアプリケーションのニーズに応じたスケーリングが可能です。アプリケーションのユーザーは一貫した高速かつ低コストの取引体験を享受することができます。

2. カスタマイズ可能なバリデーター要件
サブネットの開発者は、バリデーターのハードウェア/ソフトウェア要件を調整したり、カスタマイズされた実行環境を使用することもできます。また、ユーザーの手数料負担をゼロにしたり、チェーンの全ユーザーにKYC(本人確認)を要求する機能など、特定のユースケースに最適化されたブロックチェーンを構築できます。

3. 独自の経済圏とネイティブトークン
サブネットは独自のネイティブトークンと手数料市場を設定でき、バリデーターに対して報酬を支払う仕組みを設定できます。アバランチのネイティブトークン「AVAX」を選択することも可能です。

アバランチの特性が活かされている点

アバランチの技術的な特性は、サブネットにおいてもそのまま活かされており、以下のような強みを提供します。

1.高速なファイナリティ
アバランチのコンセンサスメカニズムは、トランザクションを単一のブロック内でファイナリティ(決済完了性)に達します。C-Chainでは通常2秒でこれが達成され、サブネットも同様の高速ファイナリティを実現できます。

2.スケーラビリティと分散性の両立
アバランチは、ネットワーク内のバリデーター数が増えても高速なブロック生成を維持できます。他の多くのPoS(プルーフ・オブ・ステーク)コンセンサスメカニズムでは、ノード数が増えると速度が低下することがありますが、Avalanche Consensusはアルゴリズム自体がスケーラビリティおよび分散性の両立を目指して開発されています。サブネットもこれを引き継ぎ、高い分散性とセキュリティを保ちながら運用できます。

3.相互運用性
アバランチは、AWM(サブネットの相互運用性)、HyperSDK(VMの最適化)、Firewood(スループット向上)、Teleporter(クロスチェーンEVMメッセージプロトコル)などの技術リリースにより、サブネットの能力をさらに向上させています。開発者にとってアプリケーション構築が容易になり、ユーザーはEVM互換のサブネット横断アプリを使用できるようになっています。

これらの機能により、サブネット間でのブリッジング、トークン、NFT、オラクル価格フィードデータなど、あらゆるメッセージのスムーズかつ協調的な通信が可能になります。

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アバランチの主な企業採用事例

出典:Avalanche

このように、多くのプロジェクトが既存のチェーンで直面するスケーラビリティの課題をサブネットを使用することで解決しています。独自のサブネットを立ち上げることで、トランザクション手数料を削減し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。

また、企業は初期からブロックチェーン構築の複雑さを省き、自社のニーズに合わせたカスタマイズ可能なブロックチェーンを構築するためにサブネットを利用しています。

直近の主な企業採用・実験例

時期 企業名 概要
2024/6 株式会社コナミデジタルエンタテインメント NFTソリューション「Resella(リセラ)」をアバランチサブネットで構築。NFTをシームレスに設計、発行、取引できる。ユーザ体験:Web3ウォレットやネットワーク手数料が不要、日本円で決済できる。
2024/3 Alipay(アリペイ)*概念実証 東南アジア向け、Web3対応のクーポンプログラム。AvaCloudによって管理されるAvalanche Subnetを採用。加盟店がユーザーとの新しいインタラクションを促進し、ユーザーを維持するのにWeb3を活用。仮想通貨は決済に使用しない。食品・飲料業界に焦点を当ててPoCを展開し、観光でこれらの国を訪れる1億人以上のユーザーを対象に拡大する。
2024/2 韓国ネクソン(NEXON) 代表作RPGゲームのオンチェーンバージョン「メイプルストーリー・ユニバース」を制作。独自のアバランチ・サブネットを基盤とする。
2024/2 米Citi(シティ)*概念実証 プライベート・エクイティ・ファンド(以下PEファンドと表記)のトークン化に関する概念実証(PoC)に「Spruce」を使用。Spruceは2023年4月に設立された金融機関向けの専用ネットワーク「Evergreen Subnet」のテストネット。Wellington ManagementとWisdomTreeがパートナー。
2023/11 JPモルガン*概念実証 WisdomTreeが提供するファンドの募集や償還の実験。JPモルガンのブロックチェーンプラットフォーム「Onyx」とEvergreen Subnetを接続した。

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Evergreen Subnetに関する詳細

サブネットは、許可制のシステムを構築できることで、伝統的な金融機関にも適しています。特に注目されるサブネットとして、Avalancheのエバーグリーンサブネット(Evergreen Subnet)が挙げられます。

これは、Ava Labsが機関向けに特別に製品化したサブネット技術です。Evergreenを使用すると、金融サービス、サプライチェーン管理、医療機関などの企業は必要な機能を備えたサブネットを簡単かつ迅速に立ち上げることができます。

エバーグリーンサブネットは、通常機能に加えて、規制要件や内部ポリシーのコンプライアンスに対する制御を強化します。組織は、サブネット内の参加者に特定のルールと権限を設定することができ、カスタマイズ可能なブロックチェーンソリューションを提供するために設計されています。

暗号資産(仮想通貨)アバランチ(AVAX)の役割

AVAXは、アバランチのネイティブトークンです。Avalanche上でトランザクションを実行する際、エンティティはネットワーク上でそれを実行するために「ガス」として知られる対応する手数料をAVAXで支払います。これらの手数料は、トランザクションの実行後に焼却(バーン)され、流通市場から永久に削除される仕組みになっています。

AVAXは、ステーキングを通じてエコシステムを保護するのに使用されます。ジェネシス(創成)時に固定量の3億6,000万AVAXが発行されましたが、バリデーター(検証者)への報酬として少量のAVAXが常に発行されています。

サブネットのバリデーターになるには、2,000 AVAX(約880万円、2023年6月23日時点)のステーキングが必要です。メインネット公開の最小要件としては、5つのバリデーターが必要とされています。このため、サブネットのバリデーター(検証者)によるステーキング需要が、AVAXの価値を下支えする要因となっています。

出典:Avalanche Explorer

例えば、100のサブネットが稼働すると仮定し、各サブネットが平均8個のバリデーターを確保するとします。この場合、少なくとも800のバリデーター需要が生じることになります。これがAVAXの市場価値をサポートする重要な要素と見られています。

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暗号資産アバランチ(AVAX)の買い方

日本円で暗号資産アバランチ(AVAX)を購入するには、日本国内の暗号資産取引所の口座を開設する必要があります。

以下では、SBI VCトレードを例にAVAXの購入方法を紹介します。

1SBI VCトレード
東証プライム市場に上場しているSBIホールディングス傘下のSBI証券は、国内最大手のネット証券として知られる。SBIVCトレードは金融ノウハウを生かし、安心して取引できる取引所として評価されており、手数料の低さなどで個人投資家から支持を受ける。
販売所のスプレッドが比較的狭い、指値を使える
入出金・暗号資産の出庫手数料無料
ステーキング・貸コインなど豊富な機能
主なサービス
スマホ対応
基本サービスは全てスマホ対応。PCは「トレーダーモード」でさらに高機能に。
セキュリティ
金融大手SBIグループとして最新鋭のセキュリティ。住信SBIネット銀行との連携で入出金がスムーズ
取扱銘柄
23種類

こんな人におすすめ

運営企業への信頼を重視し、投資を始めて徐々にその範囲を広げたい方、ストレスフリーでAVAXを購入し、ステーキングや積立などの便利なサービスを活用したい方に理想的です。申込は最短5分で完了し、「最短当日」には口座開設が完了します。

SBI VCトレードの口座開設方法

本人確認書類の提出方法は3種類あるため自身に合った方法を選択しましょう 出典:SBI VC トレード

SBI VCトレードでAVAXを購入するには、まず口座開設を行う必要があります。 口座開設には下記のものが必要になるため、あらかじめ準備しておきましょう。

  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書から1点)

口座開設にあたり、まずはメールアドレスを登録します。「個人のお客様」を選択し、メールアドレスを登録、確認メールを送信しましょう。確認メールが届いたら、メール内に記載されている認証用のURLを開き、パスワードを設定します。

パスワード設定後にSMS認証か電話認証を行い、認証コードを入力したあとに、氏名や住所などの基本情報入力を行います。

基本情報入力後に、情報と合致する本人確認書類を提出します。運転免許証、マイナンバーカード、在留カード、特別永住者証明書などの本人確認書類を撮影しアップロードしたあと、本人確認書類と一緒に自撮り・セルフィーを行い、本人確認手続きを行います。

本人確認手続きが終了したら、取引所による口座開設審査が行われ、審査が完了すれば口座が開設されます。

AVAXを購入するための入金方法

AVAXを購入するには、SBI VCの取引口座に日本円を入金する必要があります。「入出金」と記載がある部分をクリック・タップし、「日本円を入金」を選択しましょう。

入金したい金額と銀行を選択し、「金融機関サイトへ」を選択し、自分の選んだ金融機関のサイトからSBI VCトレードへ入金の操作を行い、既定の振込タイミングまで待てば入金が完了します。

AVAXの買い方・購入方法

SBI VCトレードでは、現物取引でAVAXを購入することができ、貸コイン、積立、ステーキングといった運用サービスにも対応しています。

販売所の利用画面 出典:SBI VCトレード

「販売所」は、SBI VCトレードが決めた価格で売買が行えます。「販売所」はシンプルで簡単な操作が可能で、初心者でも安心して取引することができるでしょう。「販売所」では、AVAXを選択し、購入する数量を入力した後、購入をクリック・タップすれば、AVAXが購入できます。

「販売所」には、購入価格と売却価格の間にスプレッドと呼ばれる手数料的な価格差が存在するため、手数料を気にしたり、短期間で売買を繰り返したりする「トレード」には適さないことを抑えておきましょう。

SBI VC トレードではアバランチ(AVAX)のステーキングが便利

ステーキング実績(2024年4月)出典:SBI VC トレード

ステーキングのメリットは、長期保有予定の仮想通貨を預け入れて放置しているだけで、株の配当のようなパッシブインカム(受動的収入)を得られる点にあります。

SBI VCトレードにおいては、アバランチ(AVAX)を口座に預けるだけで、ステーキングサービスの対象となり、毎月資産が増加します。2024年4月の実績では、AVAXのステーキングの想定年率は、約4.5%とされています。

SBI VCトレードのステーキングサービスを利用するための特別な申し込みや手続きは必要ありません。平均保有量に基づき、SBI VCトレードの口座内で毎月自動的に報酬が支払われるシステムです。このサービスはいつでも解約が可能で、資産の引き出しも自由に行えます。

まとめ

アバランチサブネットは、企業がスケーラブルでカスタマイズ可能なブロックチェーンを構築するためのソリューションです。高速なファイナリティ、無制限のバリデーター数、将来的な相互運用性といったアバランチの特性が活かされており、企業は自社のニーズに合わせた独自の経済圏とルールセットを導入できる利点があります。

また、Alibaba Cloud、Coinbase Cloudなどのサポート体制が整っており、新規参入企業も容易にブロックチェーンの構築と運用を開始できます。アバランチサブネットは、既存のチェーンの制約を解消し、企業のWeb3・ブロックチェーン導入を促す重要なソリューションとなっているようです。

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