イーサリアムなどを売却中か
米大手マーケットメイカーJump Tradingの暗号資産(仮想通貨)部門Jump Cryptoは、仮想通貨取引所にイーサリアムを送金しており、売却を進めている可能性がある。
8月3日以降、Arkham IntelligenceによってJump Cryptoに属するとしてタグ付けされたアドレスに、約3億ドル(437億円)の資金流入が見られた。そのほとんどは、取引所のウォレットとしてタグ付けされたアドレスからだ。
また、Jump Cryptoのウォレットから8,000万ドル(120億円)相当の仮想通貨が、コインベース、Gate.io、バイナンスなどの取引所に送金されている。資金の移動は継続中で、イーサリアムが多い。
EmberCN氏はXで、Jump Cryptoが7月25日以降の9日間で、83,000wstETHを97,500ETH に交換し、このうち、66,000ETH(257億円相当)をバイナンスやOKXなどの取引所に移していると指摘した。
米国でイーサリアムの現物ETFが取引開始したのが7月23日であり、この直後から売却の動きがみられる格好だ。
なお、wstETHは、Lido Financeが提供するイーサリアムのラップド・ステーキング・トークンであり、ユーザーは、DeFi(分散型金融)内で運用することができる。
EmberCN氏によると、Jump CryptoがwstETHを保管しているアドレスには、まだ37,600 wstETH が存在しているところだ。また、イーサリアムを取引所に転送するのに使われているアドレスには20,000ETHがあり、取引所への送金待ち状態とみられる。
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ラップド・トークンとは
仮想通貨を別のブロックチェーン上で使用するための代替トークン。価格は元の仮想通貨に紐づく。元の仮想通貨をロックアップして同等のラップドトークンを作成することで、様々なブロックチェーンでその仮想通貨の代替物を活用できるようになる。
▶️仮想通貨用語集
仮想通貨市場は下落
先週発表された、米国の雇用統計データを受け、景気後退リスクが高まったことで米国株市場が大幅に続落。仮想通貨市場も下落しているところだ。
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その他、米大統領選で、民主党のカマラ・ハリス氏が支持を伸ばしていることが、仮想通貨相場の重しになっているとの見方もある。共和党のトランプ氏が仮想通貨支持を前面に押し出しているの対して、ハリス氏はまだ明確な立場を示していない。
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一方、バイナンスなど仮想通貨企業で顧問を務めてきた経験のあるデビッド・プラウフ氏がハリス氏の政策顧問に加わるのではないかとも報じられている。
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The Blockのデータによると、現時点でビットコインは年初来44%高、イーサリアムは29%高と、プラスを維持している。一方で、DeFiインデックスは年初来でマイナス18%下落しているところだ。
The BlockのDeFiインデックスには、UNI、AAVE、LDO、MKR、CRV、COMP、YEARNその他のトークンが組み込まれている。