はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「円キャリートレードの巻き戻しが仮想通貨下落の一因に」識者が見解

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日銀の金利引き上げとリスク回避

暗号資産(仮想通貨)に焦点を当てたマーケットメーカー「Wintermute」のOTCトレーダー、ジェイク・オストロフスキス氏らは、日本円を使った巨額のキャリートレードがビットコイン価格に与えた影響について話した。Decryptが報じた。

オフトロフスキス氏は、「歴史的に低い金利で円を借りて、他の高利回りの資産に投資する」というキャリートレードの機会が、今急速に減りつつあると意見している。

キャリートレードとは

低金利通貨で資金を借り、高金利通貨などに投資して利ざやを得る取引手法。例えば、低金利の日本円を借りて高金利通貨に投資する方法がある。為替レートや各国の金利政策の影響を受けるリスクがある。円によるキャリートレードは、円売り・円安につながるとの見方もあるところだ。

▶️仮想通貨用語集

オフトロフスキス氏は、先週、日本銀行が17年ぶりに金利を引き上げたことにより円の借入コストが急上昇し、さらなる金利引き上げも示唆されていることから、円ベースのキャリートレードに「魅力がなくなった」と指摘している。

日本銀行は7月31日、政策金利を現在の0.1%程度から0.25%程度に引き上げることを決めた。オフトロフスキス氏は、次のように説明している。

リスク資産を売却して円に戻す(巻き戻し)トレーダーが多くいたため、円は上昇した。

株式や仮想通貨などのリスク資産は、それらのポジションが解消された結果、ボラティリティが高まり下押し圧力がかかった。

ベンチャーキャピタル企業アサイラム・ベンチャーズのジョン・ウー氏も5日、リスク資産暴落の背景の一つを日本の政策金利引き上げに見る発言を行った。

円高が急に進んだため、「円を借りていた人はここ数週間で米ドル換算で10%多く借りていることになる」と指摘。そうした人々にとっては「ローン残高増加」「金利上昇」というダブルパンチだとも続けた。

また「多くの人々が、USDJPYが急騰して、日銀が日本の消費者にさらなる痛みを与える用意があることに賭けていたようにみえる」とも意見し、もしそれが事実だとしたら、強制清算はまだ続くかもしれないと述べている。

なお、ドイツ銀行のアナリストは2023年11月時点で、日本の年金基金GPIFや日本銀行、国有銀行などの総合バランスシートの分析を行い、20兆ドル(2,900兆円)規模のキャリートレードによる負債が存在するとの見解を述べていた。

これにより、日銀が政策を引き締めれば予期せぬリスクが生じる可能性があると警告していた格好だ。

関連: Jump Crypto、数億ドル相当のイーサリアムを売却か

中東での緊張も背景に

一方で、米国の景気後退懸念や、中東の地政学的緊張の高まりなども、投資家が短期的にリスク回避に動いている原因だとの指摘も上がっているところだ。

米Axiosは4日、匿名の情報筋を引用して、ブリンケン米国務長官がG7諸国との電話会議で、イランとシーア派武装勢力が早ければ24時間から48時間以内にイスラエルへの攻撃を開始する可能性があると話したと報じている。

米国はG7同盟国に対して、こうした攻撃を止めるために外交圧力を使うよう呼びかけた。

G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)は月曜日、「中東の緊張が高まっていることに深い懸念」を表明し、「さらなる緊張の高まりで利益を得る国や民族はない」として、双方に自制を求めている。

関連: ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨暴落、600億円相当の大規模ロスカット

関連仮想通貨ビットコインの長期投資【初心者向け】ドルコスト平均法でかんたん積立

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/22 水曜日
16:39
仮想通貨取引、米国で前年比50%増 トランプ効果鮮明に=2025上半期報告
TRMラボの最新報告書によると、トランプ政権下で米国の仮想通貨取引高が50%増の1兆ドル超に。日本は普及ランキング9位に上昇。ステーブルコインは前年比83%増で過去最高を記録。
15:50
金融審議会、暗号資産のインサイダー取引規制と銀行の取扱要件が焦点に
金融審議会が暗号資産のインサイダー取引規制案を提示。DEX・P2P取引も対象に。銀行本体の取扱いは慎重に検討する一方、子会社には門戸を開く方針。無登録業者への罰則も強化へ。
14:30
「量子コンピュータはビットコインの最大リスク」、CoinMetrics共同創設者が警告
CoinMetrics共同創業者ニック・カーター氏が、量子コンピュータがビットコインの暗号セキュリティに及ぼす脅威について警告する論説を発表。ビットコインのセキュリティの仕組みについて解説し、量子技術の進化が現在の状況を変える可能性があると指摘した。
13:50
リミックスポイント、米ビットワイズのBTC保有企業ETFに新規採用
ビットワイズが3月から提供する「OWNB」ETFに、日本企業メタプラネット、リミックスポイント、ネクソンも組み入れられている。
13:30
ビットコインL2「Arkade」ベータ版公開、BTC上のステーブルコインや貸借の基盤に
Ark LabsがビットコインL2「Arkade」のベータ版を公開した。オフチェーンでステーブルコインやレンディング機能を実現し、ライトニングネットワークを補完する新基盤を目指す。
13:15
米国初で百貨店チェーンが仮想通貨決済導入、創業110年の「Bealls」
創業110年の米百貨店チェーンBeallsが仮想通貨決済を導入。Flexa経由でビットコイン、イーサリアムなどに対応。全米初、複数ブロックチェーンから同時決済を受け入れる小売業者に。
12:55
「Saga」スマホ、発売から2年でサポート終了 次世代端末「シーカー」へ移行
ソラナ・モバイルが仮想通貨スマホ「サガ」のサポートを発売から2年で終了。2万台の完売を成し遂げ、ミームコインのエアドロップで注目を集めた。同社は現在、第2世代端末「シーカー」に注力し、15万台以上の予約を獲得している。
11:25
イーサリアム『フサカ』、取引のガス上限を導入
イーサリアムは次期アップグレード「フサカ」でEIP-7825を導入し、1取引あたりのガス上限を約1678万に制限する。ホレスキーとセポリアで既に稼働しており、12月3日のメインネット実装を予定している。
10:50
イーサリアム元開発者が財団批判 ヴィタリックの影響力と支配層の存在を指摘
仮想通貨イーサリアムの元コア開発者シラージ氏がイーサリアム財団の体制を批判。ヴィタリック氏を中心とした支配層の存在や報酬格差を指摘し、ポリゴンCEOも不満を表明した。
10:50
「史上最大の金融包摂」USDTステーブルコイン、ユーザー数5億人達成
テザーのステーブルコインUSDTがユーザー数5億人を達成。時価総額1820億ドルでステーブルコイン市場の70%を占め、ケニアのKotani Payへの投資と米国向けUSAT発行を発表。CEOは「史上最大の金融包摂」と評価。
10:10
ビットコイン現物売り優勢で膠着、ゴールド・株高の中で独自の値動きに|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは横ばいの推移を続けている。日経平均株価が5万円に迫り、金も最高値圏にあるなかで、ビットコインのみが低調な動きを示している。
09:50
金融庁、正式に銀行の仮想通貨投資解禁を検討へ
金融庁は、銀行と保険会社がビットコインなどの仮想通貨を投資目的で保有できるようにする制度改正の検討を始めることが正式に明らかになった。公開された資料には売買などについても考えが書かれている。
09:45
アジア主要証券取引所が仮想通貨保有企業の上場に慎重姿勢、香港は5社以上に異議
香港証券取引所は仮想通貨保有を中核事業とする企業5社以上の上場計画に異議を唱えている。インドと豪州も同様の反対姿勢を示しており、日本を除くアジア太平洋地域で規制が強化されている。
08:45
コインベースがエコーを570億円で買収、オンチェーン資金調達強化へ
コインベースはオンチェーン資金調達プラットフォームのエコーを約3億7500万ドルで買収すると発表した。今年8件目の取引となり、仮想通貨企業の資金調達支援を拡大する方針だ。
08:10
15分間でビットコイン・イーサリアム価格変動を予測、ポリマーケットの新サービス
ポリマーケットはチェーンリンクのオラクルネットワークを活用した15分間の仮想通貨価格予測市場を立ち上げた。短期価格変動賭けを提供。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧