
仮想通貨取引高は4兆円に
暗号資産(仮想通貨)や株式などの投資アプリを提供するロビンフッドは30日、2025年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。仮想通貨の取引高が前年同期比で32%増加し280億ドル(約4.2兆円)となった。
仮想通貨取引ベースの売上高は前年同期比98%増の1億6,000万ドル(約240億円)で、アナリスト予想の1億6,210万ドルをわずかに下回ったが、倍増している。同社のヴラド・テネフ会長兼CEOは、次のようにコメントした。
第2四半期は、製品開発のスピードアップに牽引され、好調な業績を達成した。また、トークン化を導入した。これは、この10年間で業界が経験した最大のイノベーションだと考えている。
ロビンフッドは6月末、200以上の米国の株やETF(上場投資信託)をトークン化した「Stock Tokens」の取引サービスをEU(欧州連合)のユーザー向けにローンチしている。
The Blockによると、ロビンフッドの株価は水曜日の取引を2.7%上昇の1株当たり106.10ドルで終え、時価総額は900億ドル(約13兆円)に達した。
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現在の四半期である7~9月期の状況については、ジェイソン・ワーニック最高財務責任者(CFO)が次のように報告した。
第3四半期は7月に好調なスタートを切りました。顧客の純預金残高は約60億ドル(約9,000億円)に達し、あらゆるカテゴリーで活発な取引が見られた。
4~6月期の希薄化後1株当たり利益は前年同期比2倍の0.42ドル。四半期売上高は45%増の9億8,900万ドル(1,480億円)になった。MarketWatchのデータによると、どちらの数字もアナリストの事前予想を上回っている。
また、全体的な投資口座数は前年比260万件(10%)増加し、2,740万口座となった。
仮想通貨関連の動きでは、他に米国の適格ユーザー向けに仮想通貨ステーキングの提供を開始した。
ステーキングとは
特定の仮想通貨を保有することで、その通貨のブロックチェーンネットワークを管理することに貢献し、対価として報酬を得る仕組み。厳密には、仮想通貨を保有するだけでなく、ネットワーク上に預け入れておく必要がある。銀行口座に法定通貨を貯金し、一定期間後に利子を受け取る仕組みに類似しているといえる。なお、ステーキングは、PoS(Proof of Stake)のコンセンサスアルゴリズムを採用している通貨で行うことができる。
また、世界50以上の国や地域でライセンス・事業登録を有する仮想通貨取引所ビットスタンプの買収を完了し、機関投資家向け事業を大幅に拡大している。
カナダで仮想通貨取引所を運営するWonderFiを買収する契約も締結した。この取引は、規制当局の承認を待ってから2025年後半に完了する予定だ。
その他、株式をトークン化した「Stock Tokens」について将来的には独自のL2ブロックチェーンを立ち上げて展開する計画があり、現在開発中である。
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