- 仮想通貨を徹底的に非難
- バークシャー・ハサウェイCEOのウォーレン・バフェット氏と、バークシャー・ハサウェイの副会長であるチャーリー・マンガー氏が、以前の株主総会や、コメントで仮想通貨を非難していますが、その背後にある動機とは何なのかを探ります。
- Weiss Rating社は反論
- ウォーレン・バフェット氏など伝統的な金融市場の大物が仮想通貨を非難していますが、仮想通貨の格付けを行う「Weiss Ratings」の創設者のMartin Weiss氏の考え方は対照的であり、バフェット氏の見解がなぜ誤っているかを説いています。
バフェット氏とマンガー氏の考え方
先週のバークシャー・ハサウェイ年次株主総会をきっかけに仮想通貨市場で波紋を呼びました。
イベント前のCNBCへのコメントで、バークシャー・ハサウェイ会長兼CEOのウォーレン・バフェット氏は、Bitcoinを「おそらく殺鼠剤を2乗したもの」と発言。
ジョージ・ソロス氏のような他の有名な投資家とは違い、これまでもバフェット氏は仮想通貨に対して懐疑主義な姿勢を一貫しています。
今年1月に、バフェット氏はCNBCに対し、以下のように語っていました。
仮想通貨に関して、総じて悪い結末に至るだろうと、ほぼ確信を持って言える。
全ての仮想通貨について5年物のプット(売る権利)を買えるなら、私は喜んでそうするだろうが、ショートにすることは決してない。
バフェット氏のコメントと彼の親友のコメントは、仮想通貨は、金や他の金属と似た単なる投機的な商品として見ているため、関係が強く結びついています。
代わりにバフェット氏は、投資商品の価値の資産評価できる指標として、収入と配当を生み出す株式を好んでいます。
このイベントのメディアによると、バフェット氏のコメントは、Buffetの長年の協力者であるCharlie Munger氏の発言と比較するとまだ緩やかでした。
Munger氏はイベントのステージで、以下のように辛辣な発言を浴びせています。
(仮想通貨は)私にとって幻覚に過ぎない。まるで手放せない糞の様な取引だからだ。
当の本人たちは、従来の古びた金融システムの信仰者として楽しんでいるように見えますが、金融市場の重鎮として重みのある意見です。
彼のコメントが出た時点で、ビットコインは10,000ドルに近づいていましたが、バフェット氏が発言などが伝えられると約8%近く下落しました。
それ以来、8,500ドル前後のホバリングを続けています。
バフェット氏は正しいのか?
ビットコインのようなデジタル通貨に対し、徹底的に反対しているバフェット氏等はますますその分野でのけ者になりつつあります。
最近の数週間で、金融機関の数社は、ビットコインを金融商品として提供するための第一歩を踏み出しました。
ゴールドマン・サックスは、ビットコイントレーディングデスクを開始し、The New York Stock Exchangeの親会社であるIntercontinental Exchangeは、仮想通貨取引プラットフォームの開発を検討していると報告しました。
当然、仮想通貨コミュニティーは熱烈なファンが支持し、多くは異議を唱えるためにTwitterを使用しています。
それでも、バフェット氏の感情の背後にある動機を考える価値はあるでしょう。
ビットコインを初めとする仮想通貨が、現実的な投資商品よりもデジタルゴールドに類似しているというのは本当なのでしょうか?
現在のこの瞬間の向こう側にバリュープロポジション(対価としてふさわしい価値)があるのでしょうか?
Weiss Rating社は真っ向から反論
企業として世界初の仮想通貨の格付ランクを発表した「Weiss Ratings」は、さまざまな種類の仮想通貨を文字で階級を判断している独立機関で、バフェットとは180度異なる見解を表しています。
Weiss Ratingsの創設者であるMartin Weiss氏は、バフェット氏の主張に異議を申し立て、仮想通貨の利点を主張。対照的な意見を述べました。
Weiss氏は、仮想通貨は3つの重要な価値があると信じています。
本質的な価値
ブロックチェーンテクノロジーと、この技術が可能にするエコシステムは、ますます企業や政府レベルで支配的な影響力となってきています。
大多数の人々が積極的にブロックチェーンの採用と統合を追求しているため、このようなプラットフォームは重大な意味を持つ価値の原動力なのです。
その上Weiss氏は、仮想通貨は特定のブロックチェーンプラットフォーム上で効果的な役割があると主張しています。
例えば、イーサリアムの保有者にとって、プラットフォームの需要が高まれば、デジタル通貨の価値はより高くなります。
交換価値
仮装通貨はすでに人気を博しており、仮想通貨の統合はほとんど満場一致で、より高い水準に向かって進んでいます。
単純な需要と供給のシナリオでは、仮想通貨自体が停滞しているのではなく価値が上昇すると見込まれています。
同氏は、たとえ需要が減り価値が下がったとしても、それは流動的な市場のため、仮想通貨が静的投資であるというバフェット氏の主張は、誤っているか誤解している、としています。
通貨システム
ビットコインの本質の使用事例は、デジタルP2Pトランザクションのファシリテーターとしてのもので、複数のデジタル通貨はすでに会計時に使用出来ます。
しかし、デジタル通貨が法定通貨のデジタル表示としての役割を果たす可能性もあったり、民間資金が決済システムとして普及する可能性もあるでしょう。
仮想通貨を保有すること自体は、このエコシステムに参加するための現実的な手段でしょう。
人気だからといって完璧を意味してはいない
最終的に、仮想通貨は金融で影響力を持つ人々のメンバー全員の肯定によって法的有効性は達成していません。
あまりにも過熱しすぎたため、各業界の要人達や、政府関連者達に非難されていました。
そうではなく、仮想通貨支持者達は、仮想通貨の構造と事業を信頼し続け、注意深く考え続けることが必要不可欠なのです。
すでに確立している金融システムとは違い、仮想通貨活動の参加者は、金融システムを作り、それを形にする機会があります。
ウォーレン・バフェット氏のような反対の意見を聞くことで、コミュニティはさまざまな仮想通貨の欠点について貴重な見解を身につけることができますが、だからと言って彼が正しいというわけではありません。
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