11/9(土)〜11/15(金)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週、11/9(土)〜11/15(金)の仮想通貨相場の仮想通貨相場週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値を試す展開となり、13日には1448.9万円の史上最高値を記録。ドル建てでは初めて9万ドル台に乗せ、一時は93,500ドル近辺まで上昇した。
BTC円は今週、1230万円から強含む展開で取引を始めると、トランプトレードやETF取引が活況となったことを好感し、米国時間には上値を模索する展開となった。翌12日には、9万ドル水準が相場のレジスタンスとなり、一時は上値を重くするも、1300万円で買い支えられると、再び9万ドルを試した。
13日、相場は3度目の9万ドルトライに失敗し、やや失速するも、10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想と合致し、上振れ懸念の交代で1400万円に乗せると、米共和党が下院過半数を獲得し「トリプルレッド」が確定したことで、1448.9万円の高値を付けた。
しかし、これによるドル建てBTC相場が9万ドルに乗せると、利食いが入り相場は反落。14日には10月の米卸売物価指数(PPI)の上振れや、パウエルFRB議長が「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことで、1400万円を割り込み、1380万円周辺まで下落した。
「保ち合いをブレイクアウトした相場は直前の値幅と同等幅動く」と先週指摘したが、今週の相場はターゲットを一時的に上回る上昇を記録した(第2図)。
ただ、9万ドル台での利食いと米インフレ指標の上振れで相場は上値を重くしており、結局、相場は本稿執筆時点でターゲットと指摘した9万ドル手前の水準まで相場は押し返されており、トランプトレードの勢いが収束し始めた現状で9万ドルでの上値追いには何かしら材料が欲しいところだ。
こうした中、今月7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、金融政策が「依然として抑制的である」と発言していたパウエルFRB議長は、今週のインフレ指標の結果を受けて「利下げを急ぐ必要はない」とタカ派的な発言をした。
FF金利先物市場では、パウエル議長の発言まで12月のFOMCで利下げが決定される確率を7割ほど織り込んでいたが、この発言を受けて足元では5割まで低下しており、利下げペースにブレーキが掛かる可能性がBTC相場の上値を抑える格好となっている。
経済指標では、15日の10月米小売売上高を通過すると来週は週末のミシガン消費者信頼感指数まで目星い材料に欠ける1週間となっており、目先のBTCは上値の重い展開が続きそうだ。
再来週には、FOMC議事要旨や米個人消費支出(PCE)価格指数の発表を控えており、来週は方向感を示すための準備期間となるか。
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