はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECが敗訴

米テキサス州北部地区連邦地方裁判所は21日、今年2月に採択された米国証券取引委員会(SEC)のディーラー規則を無効であると判断。SECが規則の制定において、法的権限を逸脱したとの解釈を示した。

米ブロックチェーン協会(BA)とテキサス州暗号資産自由同盟(CFAT)は4月、SECが新たに制定したディーラー規則の拡大阻止を求めて、SECを提訴した。

原告団はSECが1934年に証券取引法で定められた「ディーラー」の定義を違法に拡大解釈し、長年にわたり理解されてきたこの用語とは「似つかない参加者」を引き込むことになると指摘。さらに、SECの規則制定は「恣意的かつ気まぐれ」であり、米国の暗号資産(仮想通貨)業界に対する「的外れな攻撃」であると主張していた。

連邦地裁のリード・オコナー判事は、SECは「証券取引法の文言、歴史、構造から切り離されたディーラーの広範な定義を制定することで、法的権限を逸脱した」と結論づけた。

現在のこの規則は、事実上、100年近くにわたって一般的に定義されてきた「トレーダー」と「ディーラー」の区別を排除するものである。当裁判所は、本規則によって証券取引法をこのように拡大解釈することを認めない。

オコナー判事は、SECの規則を無効とすることが、この訴訟の「適切な救済策」であるとの判断を示し、SECの敗訴が確定した。

関連:米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴

SEC規則の懸念点

このディーラー規則は、今年2月、SEC委員による投票が行われ、3対2で賛成が上回り、採択された。

この規則は、ディーラーを「他の市場参加者に流動性を提供する証券の売買を定期的に行う」人物と定義しているため、仮想通貨業界からは、分散型金融(DeFi)も対象となる可能性を危惧する声が上がっていた。

ディーラー規則に反対を表明したマーク・ウエダ委員は、このアプローチでは、通常業務の一環として証券を売買する場合、誰でも「ディーラー」になることが可能なため、仮想通貨証券を含む他の市場に規制上の更なる混乱を引き起こすと批判。

同じく反対したヘスター・パース委員は「流動性の提供が取引活動の効果として行われるようになると、ディーラーとトレーダーの区別が理解できなくなる。」と指摘。「市場参加者がディーラーに変わってしまう可能性」があるため、顧客として与えられていた保護も失うことにつながりかねないと懸念を表明するとともに、仮想通貨市場に対する適用に関しては、ほとんど考慮されていないと述べた。

仮想通貨業界全体の勝利

ブロックチェーン協会のクリスティン・スミス最高経営責任者(CEO)は、連邦地裁の判決を、原告団だけではなく、仮想通貨業界全体にとっての勝利だと表現した。

ディーラー規則は、SECが反仮想通貨運動を推進するための試みであり、議会によって付与された法定権限の境界を違法に再定義したものだ。
本日の判決により、SECの行き過ぎた行為は押し戻され、デジタル資産業界はこの違法な規則から保護されることになる。

ゲンスラー委員長の退任表明

この判決は奇しくも、ゲイリー・ゲンスラーSEC委員長の退任表明と同じ日に発表された。

SECは21日、ドナルド・トランプ次期大統領の政権発足に伴い、ゲンスラー委員長が2025年1月20日に退任すると声明で発表した。

関連SOL史上最高値更新やXRP高騰、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け

ゲンスラー氏は、多くの仮想通貨銘柄を証券であるとして厳格に規制し、リップル、バイナンス、コインベース、クラーケンなど大手仮想通貨企業への法的措置を積極的に行うなど、仮想通貨業界に対して強硬な姿勢を貫いてきた。

ゲンスラー氏の包括的な政策と妥協を許さない姿勢は、ウォール街だけでなく、共和党議員、さらには民主党議員からも激しい反発を招いた。

ゲンスラー氏とSECに対しては、仮想通貨業界から複数の訴訟が起こされている。直近では、共和党系の州司法長官18名とDeFi Education Fundが、SECが仮想通貨に対する州レベルの規制権限を超越しているとして、SECを提訴した。

関連:SOLやXRPが上昇、ゲンスラーSEC委員長の退任確定を受け

関連評判・口コミでおすすめ仮想通貨取引所15社 個人投資家の評価は?

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/15 木曜日
14:00
「イーサリアムにおける重要な転機」BTCS社、ETH保有増やすために最大84億円調達へ
ナスダック上場のBTCS Inc.が84億円規模の転換社債発行で仮想通貨イーサリアム購入戦略を強化。第一弾の調達ではバリデーターノード運用拡大とステーキング収益増加を目指す。
13:15
米民主党、トランプ一族の仮想通貨事業に関する「疑わしい活動報告」提出を財務省に要請
米下院の民主党幹部が財務省に対し、トランプ一族のDeFi事業「WLF」とミームコイン「TRUMP」に関する疑わしい活動報告(SAR)の提出を要請した。民主党は、要請の根拠として「贈収賄、汚職、利益相反」への懸念を挙げた。
13:00
パンテラCEO、ビットコインが米株式市場を凌駕する理由を解説
仮想通貨VC大手パンテラキャピタルの創設者がToken2049で講演。米政権の好意的な政策や市場の割安感から、ビットコインが株式市場を上回る成長をいずれは遂げると分析。
12:00
JPモルガン・Ondoなど、RWAトークン化のクロスチェーン決済実験に成功
チェーンリンク、JPモルガン、Ondo Financeが共同でトークン化米国債ファンドのクロスチェーン決済テストを実施した。DvP取引の効率化とリスク低減を実現するとしている。
11:53
アジア富裕層が仮想通貨投資を拡大、アルトコイン市場は節目を超える
暗号資産(仮想通貨)ビットコインは10万ドル台を堅持し、過去最高値まであとあと6%の位置に迫る。アルトコイン市場も840億ドルの抵抗線を突破し、底打ち反転のシグナルも。UBSの調査ではアジアの富裕層が従来の資産から仮想通貨へ資金を移している現状が指摘された。
11:20
ウクライナ、国家のビットコイン準備金創設へ=報道
ウクライナが国家戦略としてビットコイン準備金創設を進める模様。トルコでのロシア・ウクライナ首脳会談の動きと併せて解説。
11:15
カルダノ創設者ホスキンソン、3700万ウォレットに仮想通貨エアドロップ計画を発表
チャールズ・ホスキンソン氏がConsensus 2025で8つのブロックチェーンをまたぐ「Glacier Drop」を発表。ベンチャーキャピタル排除の新エアドロップ戦略で仮想通貨コミュニティの統合を目指す。
10:30
セイラーのストラテジー社、「ビットコイン戦略でナンバーワンの上場企業へ」=アナリスト
アナリストのジェフ・ウォルトン氏はFTの特集で、ストラテジー社が仮想通貨ビットコインを基盤に市場で最強の企業になると予測。
09:50
リミックスポイント、ビットコインを追加購入 暗号資産保有総額は111億円超に
リミックスポイントがビットコインを5億円分追加購入。イーサリアムやリップルなども含めた暗号資産(仮想通貨)の総保有額は111億円を突破。Web3領域の投資事業を加速。
09:45
イーサリアム価格急騰の3つの要因とは、資産運用会社が分析
仮想通貨イーサリアムの価格急騰の背景には、ステーブルコインとトークン化、Layer 2の進展、投資家のショートポジション解消などが影響。市場動向と成長要因を詳しく解説。
09:31
BTC以外の仮想通貨に分散投資するメリット、Bitwise幹部が考察
ビットコイン以外の仮想通貨にも分散投資を行うメリットをBitwise幹部が考察。インターネット業界の株価の歴史を例に挙げ、大多数の投資家がアルトコインも保有すべきだと主張している。
09:25
メタプラネット1Q決算、ビットコイン投資で135億円の含み益
メタプラネットが2025年第1四半期決算を報告。5月時点で保有ビットコイン量が6,796BTCに到達し含み益へ転換している。株主数も増加中だ。ビットコイン財務戦略の最新状況を解説する。
08:41
テザー社、AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表 ビットコインとUSDT決済も対応
テザー社が分散型AI開発プラットフォーム「QVAC」を発表。ユーザーのデバイス上でAIが動作し、クラウド接続不要。AIエージェントがビットコインやUSDTで自律取引が可能。2025年第3四半期リリース予定。
06:35
イーサリアム財団、セキュリティ向上計画を発表
イーサリアム財団は、仮想通貨イーサリアムのセキュリティを向上させる取り組みを発表。イーサリアムの目標は、インターネットや世界経済を安全に支えることができる文明規模のインフラになることだとした。
05/14 水曜日
17:53
実需主導へと変わるWeb3:Hotcoin、SafePal、NERO Chainが描く未来|香港Web3 Festival2025
Web3 Festivalで注目を集めた3社のリーダーたちが、業界の転換期における生存戦略を語る。SafePalのヴェロニカ氏は実用的サービスの重要性を、HotcoinのスティーブンCOOは差別化戦略を、NERO Chainのポール氏はRWAの可能性を強調した。Web3の次のステージを見据えた貴重な洞察が満載。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧