DOGE上昇で株価高騰
カナダの仮想通貨投資会社Spirit Blockchain Capital(SPIR.CN)が、ドージコイン(DOGE)を大量保有する新たな投資戦略を打ち出している。ビットコイン保有戦略を推進する米マイクロストラテジーの手法を参考に、機関投資家向けプラットフォームの構築を目指す。
米暗号資産メディアDecryptのインタビューで、同社のルイス・ベイトマン最高経営責任者(CEO)は「今後数カ月から数年にわたり、相当規模のドージコインをバランスシートで保有する」と述べた。単なる資産保有にとどまらず、決済システムやETF(上場投資信託)プラットフォームの開発も視野に入れている。
この動きは、ドナルド・トランプ氏の米大統領選挙での勝利とイーロン・マスク氏が参画予定の「政府効率化省(DOGE)」という追い風を受けている。ドージコインは過去1週間で90%上昇し、3年ぶりの高値である58円を記録。Spiritの株価も同期間に300%上昇した。
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マイクロストラテジーの戦略との比較
同社は10月、Dogecoin Holdings社の買収を発表。買収により、ドージコイン向けETFプラットフォーム技術、開発中の決済ゲートウェイシステムの知的財産権に加え、38.3万ドルの現金資産と創業者の持つ業界ネットワークを獲得。カナダの証券取引所の規制下で運営することで、機関投資家からの信頼獲得を目指している。
「ドージコインは単なるジョークではない。独自の技術的価値を持っている」とベイトマンCEOは強調する。同社はすでにドージコインの取得を開始しており、機関投資家向けETF商品の開発も検討中だ。
ベイトマン氏は「マイクロストラテジーがビットコインで築いた道を補完するような形で進みたい」としているものの、「実際の監査可能性を持つ、実際のインフラを構築したい」と慎重な姿勢も示している。
「金融業界は分散型ソリューションへと大きく転換しており、ブロックチェーン技術がその変革の中核となっている。Dogecoin Holdingsの買収により、当社は株主価値を創出し、分散型金融の未来を推進する革新的な金融商品を開発する態勢が整った」とベイトマンCEOは公式発表で述べている。
マイクロストラテジーは現在約27.9万ビットコインを保有しており、上場企業として機関投資家に暗号資産への間接的な投資機会を提供している。Spiritもドージコイン市場で同様のアプローチを目指しているが、DOGE保有量については、取引所との契約が最終化していないとして、具体的な開示を控えている。
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