- ゴールドマンサックスCEOのBlankfein氏が退任か
- 5月18日、The New York Times にて、ゴールドマンサックスのCEO「Lloyd Blankfein」氏が、2018年末に退任するのではないかという記事が掲載されました。従業員の多くは仮想通貨に半信半疑の状態ですが、一部顧客の仮想通貨をコモディティ(商品先物)としての保有意欲も強いことから、ウォール街を先導する「今後の方針」に注目が集まっています。
- ボラティリティとは
- 価格変動性のこと。相場のボラが大きければ大きいほど、安定性が低い(ハイリスク・ハイリターン)と言えることから、巨大な資本力を持つ「機関投資家」にとっての参入障壁となる。
ゴールドマンサックスCEOと仮想通貨
5月18日、The New York Times にて、ゴールドマンサックスのCEOを務めるLloyd Blankfein氏が、2018年末を目処に同社を離れるのではないか、という記事が掲載されました。
63歳のBlankfein氏は、ウォール街の中で最もベテランの1人で、アメリカで最も影響力のあるとされる投資銀行を12年間に渡り、牽引してきた人物です。
彼は、2018年12月の定年したパートナー向けの年次会食にて、同社を去るのではないかとされています。
ゴールドマンサックスは、5月上旬にビットコインの取引デスクおよび、先物取引を開始することが決定されており、ビットコインへの取り組みが始まっています。
BlankfeinCEOは、昨年11月末のビットコインが10,000ドル(約110万円)に達した段階では、「同仮想通貨が詐欺の手段になっている」と述べ、同社がビットコインに対する計画を持っていないと主張していました。
そのボラティリティの高さから、仮想通貨が”価値の保存方法”として不適切であり、その変動が1日に20%以内に収まることが、計画を立てる上での最低条件であると言及しました。
同氏は、Bloomberg Television に対し、「1日に20%以上もの激しい値動きがあるものは、通貨としても、価値の保存方法としても適していない。」と述べ、以下のように語りました。
「仮想通貨が今後発展することで、”価値の保存”として取引されるようになり、1日に20%以上も乱高下するようなことがなくなり、かつ十分な流動性が確保されるようになれば、取り組みを検討するだろう。」
しかし彼は、ビットコインに対する”不快感”を抱く一方で、携帯電話を最初に目にした時と同様の感情も抱いていると述べています。
「ビットコインに対して、不快感を抱いているのは事実だが、私はたいていの新しいものには不快感を抱いてしまう。
しかし長年の経験から、例え私が好んでいないものでも、非常に良く機能するものはたくさんある。」
彼は、仮想通貨に関する将来的な可能性については、認めていたのかも知れません。
ゴールドマンサックスの今後
The New York Timesによると、次のCEOの候補者に現社長の「David M. Solomon」氏の名前が挙がっています。
Blankfein氏がゴールドマンサックスを離れた後、同社が仮想通貨に対して、どのような方針をとっていくのかは、現時点では不明ではありますが、従業員の間では、懐疑的な声も根強いとされています。
ゴールドマンサックスのビットコイン・トレード部門に従事するRana Yared氏は、「私自身、ビットコインが世界を変革するとは、にわかには信じ難い。」と述べ、「実際、弊社で仮想通貨取引に取り組む多くの従業員は、疑問も抱いている」と続けました。
さらに、次のように語りました。
「ビットコインは詐欺でも無い代わりに、通貨としての特性もない。
しかし、一部顧客が、その複雑な”マイニング”システムを有し、上限数のあるビットコインが金と類似しているとして、価値あるコモディティ(商品先物)として、保有したいと考えている。」
このように、従業員が疑問視する一方、顧客からの需要の増加は無視できないものとなっていることからも、今後どのような方針が取られて行くのか注目されています。