- 仮想通貨TRONが独立
- 仮想通貨TRONの創業者は「ブロックチェーン業界をR&D分野だけではなく、顧客体験を元に牽引したい」と言及。7月30日に実装予定のTron’s Virtual Machine(TVM)では、極秘プロジェクトの公開を示唆している。
- TRONとは
- エンターテインメントのデジタルコンテンツ配信をサポートするプロジェクト。パートナーシップとして、採掘王の異名をとるジハン・ウー率いるBITMAIN社が名を連ねている。
メインネット開設による価格への影響
イーサリアムネットワークから、独自のブロックチェーンネットワークへの移行を果たした仮想通貨TRON(TRX)。
創業者のJustin Sun氏は25日、Twitter上でトロンの「独立記念日ライブ」配信を行いました。
Goodbye #ethereum! Happy #TRON Independence Day! #TRX $TRX
— Justin Sun (@justinsuntron) 2018年6月25日
今回のメインネット開設によって、すでに時価総額10位にあるトロンの価格が劇的に変化することはなく、むしろ直近7日間は、激しい下落相場の影響を受け、約16%の下落を記録しています。
ただし、イーサリアムが同期間で約11%下落し、中国による第2回グローバルパブリックチェーン技術評価でランキング1位に選ばれ、一部で「Ethereum killer」と呼称される仮想通貨EOSも約22%下落していることを考慮すると、比較的堅調に推移していると言えるでしょう。
なお、TRON財団は、メインネットの開設に伴い、5,000万ドル(約55億円)相当の10億TRXをバーン(破棄)することを発表し、実行された模様です。
This is how we 🔥 coins at #TRON pic.twitter.com/FMYuy2P8xJ
— Tron Foundation (@Tronfoundation) 2018年6月24日
このトロン全発行量の1%に当たるTRXは、TORN財団があらかじめ所持している分のTRXであるため、市場に直接的な影響を与えることはないのではないと考えられており、大きな価格上昇がなかった一要因であるとされています。
今後のトロンの発展
Sun氏はCoinDeskに対し、「ブロックチェーン業界を研究開発(R&D)分野だけではなく、顧客体験を元に牽引していきたい」と自身の理念を述べ、以下のように主張しました。
イーサリアム(ETH)は、スーパーコンピューターの開発に躍起になっていた頃のIBMのようだ。
彼らは技術のみに焦点を当てており、顧客体験をないがしろにしている。
一方で同氏は、当時のIBMではなく、「コンピュータを個人単位で所有できるパソコンに落とし込み、消費者向けの商品を開発した」マイクロソフトを例に出し、ブロックチェーン業界のマイクロソフトになりたいと主張しました。
ブロックチェーン技術は、特に非技術者の消費者が触るには敷居が高いと言えることから、Sun氏の顧客体験に焦点を当てた今後の発展に注目が集まっています。
さらに、TRON財団は7月30日にトロンエコシステムのための「トロン仮想マシン(TRON Virtual Machine、TVM)」を実装し、スマートコントラクト開発や通貨発行などを手掛ける世界中の開発者たちに、より良い環境を提供する予定です。
Sun氏は、そのTVMの実装を行う際に、極秘プロジェクトの内1つを公開すると示唆しました。
コミュニティ内では、”極秘プロジェクト”の内容について様々な憶測が飛び交っており、今後のさらなる発展が期待されています。