- アルトコインとは
- 現在、1000種類を超える仮想通貨があり、ビットコイン以外の仮想通貨を総称して”アルトコイン”と言います。「イーサリアム」や「リップル」などもアルトコインの一種です。
- アルトコインの特徴
- アルトコインの多くはビットコインを参考にして作られており、さらにビットコインの弱点を克服するために作られています。そのため、ビットコインよりも高性能な機能を持っているアルトコインが多くあります。
- アルトコインに投資するメリット・デメリット
- アルトコインはビットコインに比べハイリスク・ハイリターンであることが多いです。1日で10%も価格が変動していることも珍しくはありません。
アルトコインとは
近年、ビットコインの知名度が圧倒的に高いために”仮想通貨=ビットコイン”だと思っている人がいるかもしれません。
しかし、ビットコイン以外にも仮想通貨はたくさんあり、その数は1000種類を超えています。
そして、ビットコイン以外のそれらのコインを「アルトコイン」と言います。
アルトコインは英語で”Altcoin”と表記され、”Alternative Coin”の略称です。(そのため、オルトコインと表記される場合もあります。)
直訳すると「代わりのコイン」や「他のコイン」となり、つまりは「ビットコインと他のコイン」という図式ができるわけです。
皆さんが聞いたことがあるかもしれない「イーサリアム」や「リップル」、「ネム」などもアルトコインの一種です。
ここで疑問になるのが、なぜ、ビットコインとそれ以外のコインという様に分けられているのかということです。
それは、ビットコインが仮想通貨の始祖であり、仮想通貨の多くはビットコインを参考にして作られたからだと言えます。
ビットコインの知名度の高さから、「仮想通貨=ビットコイン」と思ってしまう方がいても仕方がないでしょう。
しかし、アルトコイン抜きに仮想通貨は語れません。
ビットコインと比較しつつ、アルトコインの特徴や投資対象としてのメリット・デメリットなどを見ていきましょう。
アルトコインの特徴
アルトコインの多くは、ビットコインにはない特徴を有しています。
例えば、”ダッシュ”というコインは取引を承認するのにかかる時間がビットコインよりも圧倒的に短くなっています。
また、”ジーキャッシュ”というアルトコインは、ビットコインよりも匿名性を高くし、送金者、受取人、送金額などの情報が第三者から隠され、プライバシー保護をすることができます。
アルトコインに投資するメリット
分散投資
アルトコインは種類が多く、価格も安いです。
それらの通貨に分散投資を行うことで、投資リスクを分散することができます。
ボラティリティが大きくハイリターン
アルトコインの多くはボラティリティが大きい、つまり価格変動の幅が大きいということです。
1日で数十%も価格が上がっている、といったことは珍しくありません。
特に、あまり知名度の高くない通貨は、将来的に何倍、何十倍と価格が膨れ上がる可能性もあります。
アルトコインに投資するデメリット
ボラティリティが大きくハイリスク
先ほど、アルトコインへの投資のメリットとして、ボラティリティが大きくハイリターンであると述べましたが、投資においてハイリターンであればその分ハイリスクであるというのは当たり前で、これはもちろんアルトコインにも当てはまります。
また、前述のボラティリティが大きいということはデメリットでもあり、1日で数十%以上下落することもあります。
取引困難
アルトコインはビットコインに比べ、知名度が低いという話をしました。
これは、そのアルトコインを売買する人の数もビットコインに比べると少ないということも意味しており、取引量が低い通貨になると、自由に取引できない可能性があります。
また、取引をする人が少ないため、そのアルトコインを取り扱っている取引所の数も少なくなります。
日本の大手取引所のほとんどでビットコインを取り扱っていますが、アルトコインに関してはそれほど多くの数は扱っていません。
大手の取引所でなければ、セキュリティーや信頼性という面で不安が残ります。
したがって、取引の自由度は一般的にビットコインの方が高いと言えます。
日本で人気のアルトコイン
いくつかの主要なアルトコインを紹介していきます。
これらのアルトコインはメディアでも目にすることがあると思います。
また、通貨には通貨コード(日本円ならJPY、アメリカドルならUSDなど)が存在しており、取引所では主にこのコードが使用されていますので、それぞれ紹介します。
- 日本で人気のアルトコイン
Ethereum
日本語通貨名 | イーサリアム |
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通貨コード | ETH |
取引開始日 | 2015年7月30日 |
公式サイト | https://ethereum.org/ |
時価総額(発行済枚数×通貨の価格で表される、一つの評価基準)においても、出来高(売買された通貨の量、どれだけ活発に売買されてるかが分かる)においてもビットコインに次ぐ2番目のコインです。
マイクロソフトやJPモルガンなどの大手企業がイーサリアムを活用しており、高い信頼性を誇っています。
イーサリアムはアプリケーションを作成するプラットフォームとしての機能が優秀です。
創始者のヴィタリック・ブテリン氏は若き天才開発者として業界に影響を与え続けています。
Ripple
日本語通貨名 | リップル |
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通貨コード | XRP |
取引開始日 | 2013年2月2日 |
公式サイト | https://ripple.com/jp/ |
送金・決済機能に特化したプラットフォーム、リップルで運用される仮想通貨です。
その特徴として、銀行間の送金手続きが圧倒的に早くなること、手数料が大幅に安くなること、通貨間のブリッジ通貨としての役割を担っていることなどがあります。
ブリッジ通貨、つまり2通貨間の橋渡し(例:日本円→米ドル→韓国ウォンでは米ドルがブリッジ通貨)をすることで、XRPの送金速度の速さなどを生かし、従来の通貨決済にかかる手間やコストを抑えることができます。
SBIをはじめとする大手金融機関・企業との提携も強く、日本での人気が非常に高いです。
Bitcoin Cash
日本語通貨名 | ビットコインキャッシュ |
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通貨コード | BCH |
取引開始日 | 2017年8月1日 |
公式サイト | https://www.bitcoincash.org/ja/ |
ビットコインから分裂して誕生した通貨で、ビットコインの一部機能を変更して設計されています。
ブロック容量がビットコインの8倍となる8MBとなるなどの特徴があり、送金詰まりなどの原因などになっているスケーラビリティ問題がある程度解消されています。
ビットコインの神様と呼ばれるロジャー・バー氏が「真のビットコイン」として支持していることでも知られています。
Litecoin
日本語通貨名 | ライトコイン |
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通貨コード | LTC |
取引開始日 | 2011年10月13日 |
公式サイト | https://litecoin.org/ja/ |
ビットコインの技術をベースとしつつ、より実用性に特化した通貨です。
開発者は元グーグルのエンジニアで、「ビットコインを金とするなら、ライトコインは銀を目指す」という理念のもと開発されました。
送金スピードがビットコインの4倍となっていることが特徴として挙げられます。
NEM
日本語通貨名 | ネム |
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通貨コード | XEM |
取引開始日 | 2015年3月31日 |
公式サイト | https://nem.io/ |
NEMは数ある仮想通貨の中でも、何かと日本にゆかりのある通貨のため、日本人にも人気の仮想通貨です。
2018年のコインチェック事件で盗難被害にあった通貨としても有名になりましたが、あの事件では「コインチェック」がハッキングされてネムが盗まれたという事件であり、「ネムのネットワーク自体」がハッキングされた訳ではありません。
NEMはPoI(Proof-of-importance)というシステムを採用し、他の仮想通貨のシステムで問題の一つとされている、お金を持っている人がマイニング(通貨のネットワークを手助けすることで報酬がもらえる作業)で有利となり、その報酬でさらに富が集中する、という点の改善を目指しています。
MonaCoin
日本語通貨名 | モナコイン |
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通貨コード | MONA |
取引開始日 | 2014年1月1日 |
公式サイト | https://monacoin.org/ |
モナコインは日本の2ちゃんねるから誕生した通貨です。
ライトコインをベースに開発され、現在では日本最大手の仮想通貨取引所bitFlyerにも上場しています。
また、コミュニティの強さと歴史の長さも特徴のひとつです。
当初は掲示板での投げ銭機能が主な使い道でしたが、今ではAmazonギフト券やiTunesギフトなどと交換することが可能となって、更にはTwitter上でモナコインを投げ銭できるなど独自のサービスを数多く展開しています。
QASH
日本語通貨名 | キャッシュ |
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通貨コード | QASH |
取引開始日 | 2017年10月2日 |
公式サイト | https://liquid.plus/ |
大手取引所運営会社のQUOINE社によるプロジェクト、LIQUIDで使われる通貨です。
仮想通貨界隈では、トークンを用いた多くのビジネスモデルが構築されている中で、QUOINEは仮想通貨市場の流動性の問題に注目しています。
LIQUIDは異なる通貨間での複雑な取引を効率的に仲介するため、マイナーな自国通貨(ユーロ(EUR)やアメリカドル(USD)などの多くの人が使う通貨とは異なる)をもつユーザーが仮想通貨市場に参入し、仮想通貨の流動性の向上につながります。
まとめ
ビットコイン以外の仮想通貨のことを指すアルトコイン。
その中には、将来性豊かなものがありますが、中には詐欺通貨や開発がいつまで経っても進まない通貨などもあります。
莫大な数のアルトコインの中から投資対象を見つけるためには、一つ一つのアルトコインを注意深く精査していくことをお勧めします。