
2020年後半より、ビットコインを始めとした暗号資産(仮想通貨)が高騰し、仮想通貨市場は国内外で活況に沸きました。
そのような状況の中、2021年に入り、いち早くテレビCM放映再開に乗り出した国内仮想通貨取引所がコインチェックであったため、それを機に同取引所を知った人も少なくないのではないでしょうか?
本記事では、東証一部上場企業であるマネックスグループ参加の国内大手暗号資産取引所コインチェックについて、特徴やおすすめできる点について解説します。
- 目次
1.コインチェックの運営企業の概要と取引所の特徴
コインチェックはコインチェック株式会社が運営する日本の仮想通貨取引所です。
国内取引所では屈指の仮想通貨の取り扱い銘柄数を誇り、コインチェックでしか取り扱っていない銘柄もあります。
「ビットコインと言えばコインチェック」のテレビCMでお馴染みですが、一体どのような取引所なのでしょうか?
1-1 コインチェックの運営企業
国内取引所で最も古い歴史を持つコインチェックは2012年設立。2018年4月には、東証1部上場企業であるマネックスグループの傘下に入りました。
コインチェックは大手金融グループの子会社となったことを機に、セキュリティやガバナンス体制を強化し、親会社の豊富な金融ノウハウや資金力をいかし次々に新たなサービスをローンチしています。
2021年7月には国内初のIEO(Initial Exchange Offering)でパレットトークン(PLT)を初上場させたり、国内で初めて「NFTマーケットプレイス」を運営開始するなど、先進的な取り組みも好評です。
仮想通貨投資を始めるなら、真っ先に押さえておきたい取引所と言えるでしょう。
2-2 取引所の基本スペック
特徴 | 取引所 | 販売所 |
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取扱通貨(2022年5月時点) |
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最大取引単位 |
市況などにより変わる。 |
市況などにより変わる。 |
取引手数料 |
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無料(※取引時スプレッドは発生する) |
入出金手数料 |
※Coincheckでは2022/10/19 より、コンビニ入金・クイック入金を再開しました。 |
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注文方法 |
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取引時間 | 365日24時間(※メンテナンス時間を除く) | |
セキュリティ | コールドウォレット/マルチシグ対応/SSL/二段階認証/資産の分離管理 | |
スマートフォン対応 | 〇 |
他の多くの取引所と同様に、コインチェックでは、取引所と販売所という2つの機能を備えています。
取引所とは、買い手と売り手が直接板取引を行えるもので、手数料が安い代わりに最低限のトレード知識と手間がかかります。
販売所とは、取引所が仮想通貨をユーザーに販売するサービス。簡単かつ即座に購入可能な代わりに、購入価格と売却価格の差(スプレッド)が存在するため、割高です。
2.コインチェックをおすすめする3つのポイント
仮想通貨初心者や投資家が抑えておきたい、3つのポイントを紹介します。
2-1 使いやすさと安心感
コインチェックのUI/UXはライトユーザー向けに作られており、国内取引所のなかでも、販売所のデザインやアプリの使いやすさで知られ、初心者におすすめできる取引所です。
専用のスマホアプリの見やすさには定評があり、特にウィジェット機能の騰落率は多くのトレーダーが重宝しているのではないでしょうか。

コインチェックのウィジェット機能
販売所では、ローソク足の見方や板取引のやり方がわからない初心者でも、手軽に仮想通貨を売買可能です。スプレッドの開きがあるものの、簡単売買の使いやすさは世界中の取引所と比較しても、大きく抜きん出ていると言えるでしょう。
また、コインチェックは、2018年1月に発生した仮想通貨ネムの不正流出事件を受け、東証一部上場企業であるマネックスグループの傘下に入りました。このため、国内有数の資本力と金融ノウハウを持つマネックスグループの安心感があります。
講じているセキュリティ対策については、資産のコールドウォレットでの管理、マルチシグ方式の採用、ユーザーとの通信におけるSSL暗号化通信の利用などが挙げられ、堅牢なセキュリティ体制を敷いていることがわかります。
2-2 取り扱い銘柄数が豊富
コインチェックは国内の取引所の中でもとりわけ新しい銘柄、アルトコインの上場に積極的です。XLMやIOSTなどを国内で最初に取り扱ったほか、取り扱い銘柄数も26種類と豊富であり、今後もこの方針は続くでしょう。
仮想通貨の取引を行うにあたって発生する手数料を「取引手数料」と呼びます。コインチェックではビットコイン取引所の取引手数料が無料です。指値注文で頻繁に取引を行うトレーダーにはありがたい仕様です。
また、コインチェックは新しい銘柄だけでなく、新しい資産に対しても意欲的な姿勢を見せています。ブロックチェーンゲームなど様々な業界で導入が進むNFT(非代替性トークン)に関して、コインチェックは取引するためのマーケットプレイス「Coincheck NFT」を21年3月にリリースしています(後述)。
関連:コインチェック、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を提供開始
2-3 初心者向けのサービスも充実
例えば、コインチェックでは毎月決められた量の仮想通貨を積み立てできるサービスも提供しています。
積み立てサービスは難しい知識も必要なく、仮想通貨の価格変動のリスクを最小限に抑えることができるため初心者にも向いているサービスであると言えます。
また、19年9月に始まった『CoinCheckアンケート』サービスでは、提携するマクロミル社のモニタサイトからアンケートに答えてポイントを貯めることで、仮想通貨と交換することができます。19年4月には、グループ会社マネックス証券の運営する「マネックスポイント」との連携を実施しており、反響を呼んでいます。
さらに、『Coincheckガス』や『Coincheckでんき』など、生活インフラと直結したサービスもあるので、役立つものはないかチェックしておきましょう。コインチェックでは、ほかにも最大年率5%の貸仮想通貨(レンディング)サービスがあり、資産運用の面でもサービスが充実しているといえるでしょう。
3.コインチェックの各種サービス|つみたて、レンディング、電気&ガス

出典:コインチェック
コインチェックの3つの各種サービスについて紹介します。
3-1 Coincheckつみたて
「仮想通貨保有したいが、忙しくて手が回らない…」「取引所の板取引はよくわからない」そのようなニーズに答えるため、コインチェックでは、仮想通貨のつみたてプランを導入しています。
積み立て投資は「ドル・コスト平均法」とも呼ばれ、ビットコインのように価格変動の大きな金融商品について、一定金額かつタイミングを分散して定期的に買い続けることで、安定して資産を増やすのに向いていることから、長期的な資産形成に向いているというメリットがあります。一方で、市場高騰時などは買値と売値のスプレッドが大きく開くため、注意が必要です。
「月イチつみたてプラン」か「毎日つみたてプラン」から選ぶことができ、1万円から積み立て可能。積立金額は千円単位で設定することができ、上限は100万円とされています。
登録している銀行口座からのコインチェック口座への入金、選定した銘柄の購入まで自動で行うことができます。つみたてサービスに対応している銘柄は以下の通りです。
- BTC
- ETH
- ETC
- LSK
- XRP
- XEM
- LTC
- BCH
- MONA
- XLM
- QTUM
- BAT
- IOST
- ENJ
- SAND
- DOT
- CHZ
- LINK
- MKR
- MATIC
- IMX
- APE
- AXS
※ETCは一時取り扱い停止中
3-2 貸仮想通貨サービス
長期保有している仮想通貨を有効利用する手だてとして、貸仮想通貨サービスも行っています。一定期間コインチェックに仮想通貨を預け、契約期間満了後に利用料(最大年率5%)をその仮想通貨でもらうというものです。
一万円相当の仮想通貨から始めることができ、現在貸付を募集しています。コインチェックの販売所で取り扱う全ての銘柄が対象です。
ただし注意点として、仮想通貨は価格変動が激しいため、貸付時と返却時で該当銘柄の価格が大きく変化している可能性も考えられるため一定のリスクもあることは考慮しておきましょう。
3-3 電気&ガス
コインチェックは「Coincheckでんき」と「Coincheckガス」というサービスも提供しています。
3-3-1Coincheckでんき
Coincheckでんきは、電気料金の支払いを、コインチェックを通じて行うと割引、もしくは料金の一部がビットコインで還元されるサービスです。
ビットコイン付与プランかビットコイン決済プランの2種類から選ぶことができ、前者は毎月支払った電気料金の1~7%相当額のビットコインが付与されるプランです。
一方、後者は電気料金をビットコインで支払うことで、電気料金が1~7%割引されるというもの。
沖縄や離島を除いた全ての地域で対応しており、国内外で実績のある電力会社と提携しているため安定した電気を提供可能であるとしています。
3-3-2 Coincheckガス
CoincheckガスもCoincheckでんき同様、ガス料金の支払いをコインチェックを通じて行うと、割引、もしくは料金の一部がビットコインで還元されるサービスです。
ビットコイン付与プランでは、毎月支払ったガス料金の3%相当額のビットコインが付与されます。ガス料金は東京ガスと同じです。
ビットコイン決済プランでは、後者はガス料金をビットコインで支払うことで、東京ガスのガス料金が3%割引されます。
4.コインチェック独自のNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」

出典:コインチェック
コインチェックは2021年3月、NFTを売買できるプラットフォーム「Coincheck NFT」をローンチしました。
同サービスはイーサリアムチェーンのエコシステムで問題視されているネットワーク手数料(ガス代)の高騰や取引の煩雑さなどの課題の解決を目指したNFTマーケットプレイスです。
コインチェックの口座を持っている人であれば誰でも使用可能で、コインチェック口座に取引に使用できる仮想通貨を預けていれば誰でも手軽にNFTの取引ができます。
NFTはオフチェーンで取引されるため、手数料は無料。「MetaMask(メタマスク)」というウォレットからNFTを入庫したり、対応ウォレットにNFTを出庫したりすることも可能です。
サービス開始からわずか1週間で利用者数1.2万人を突破するほどの人気で、国内におけるNFT市場への期待値の高さを物語っています。
関連:コインチェックNFTβで取引を行うには?特徴や取り扱い商品の解説
4-1 提携・コラボ
コインチェックおよび「Coincheck NFT」はこれまでに様々な企業やプロジェクトと提携・コラボを発表して国内NFT市場において存在感を示しています。
4-1-1 仮想通貨プロジェクト
ローンチ前の段階である2021年2月には、海外サッカーなどのスポーツクラブとファンをつなぐプロジェクトであるChiliz(チリーズ)と提携しました。Chilizが提供するファンコミュニティ形成プラットフォーム「Socios.com」で利用できるNFTを、「Coincheck NFT」において取り扱うことを検討中であるとしています。
また、Enin Coinの発行元であるEnjin社ともNFTマーケットプレイス事業で提携しているため、今後これらのプロジェクトと何らかのコラボレーションが発表されることが期待されます。
4-1-2 ブロックチェーンゲーム
「Coincheck NFT」ではブロックチェーンゲームで利用可能なNFTを取り扱っています。
「Coincheck NFT」のサービス開始を記念したクリプトスペルズとのコラボで限定レアカードを販売したところ、販売開始から約6分で完売しました。また、The Sandboxとのコラボでは、ゲーム内の仮想空間「LAND」をNFT化し計33個出品したところ、2時間で完売。1個あたり0.7ETH(当時の価格で約16万円)で販売したため530万円相当のNFTが即完売したことになります。
関連:コインチェックNFT、サンドボックスの「仮想土地」計530万円相当が2時間で完売
さらに、2021年8月には世界140以上のクラブとライセンス提携するファンタジーフットボールゲーム『Sorare』の取扱いを開始しました。
関連:Coincheck NFT、ファンタジーフットボールゲーム「Sorare」取り扱いへ
4-1-3 その他
その他の事例としては、アイドルグループ「SKE48」とのコラボで実現した限定デジタル通貨の販売、サイバーエージェントの子会社CyberZや、映画監督の紀里谷和明氏が代表を務めるKIRIYA PICTURESとのNFT事業での提携発表など数多くあり、コインチェックのNFT事業への力の入れようを伺い知ることができます。
関連:コインチェックが紀里谷監督率いるKIRIYA PICTURESと提携、最新作『新世界』のNFT化検討
「Coincheck NFT」では、複雑な操作を必要とせず、気軽に様々なNFTを購入することができるので興味のある人はコインチェックの口座を開設して購入してみてはいかがでしょうか。
5.コインチェックはIEO(Initial Exchange Offering)できる取引所

出典:コインチェック
コインチェックは2021年7月、国内取引所では初となるIEO(Initial Exchange Offering)プラットフォームである「 Coincheck IEO」の提供を開始することを発表しました。
IEOは、仮想通貨取引所がトークンの販売業務、多くの場合で上場までサポートする、資金調達を望むプロジェクトに対する一括パッケージのようなものです。仮想通貨やブロックチェーンに関連した新プロジェクトの資金調達が目的であり、取引所を通してトークンを売るため、買う側にとっても信頼性が高いといえます。
Coincheck IEOの第一弾は、Hashpalette社の発行する独自トークン「Palette Token(PLT)」で、1,000,000,000PLTの総発行数のうち230,000,000 PLT(23%)が販売。トークセールの募集を開始した2021年7月1日には、わずか6分で目標金額の約9億円に到達したほか、申し込み倍率24.1倍に達するなど注目を集めました。
パレットはIEOの実施からわずか1か月でメインネットローンチを果たしたため、コインチェックは初のIEOプロジェクトを成功裏に収めることができました。今後、どのようなプロジェクトがIEOの対象となるのか注目されます。
関連:仮想通貨の新たな資金調達法、IEOとは|ICOとの違いやメリットを解説
関連:国内初のコインチェックIEO、仮想通貨パレットトークン(PLT)の特徴と魅力とは
6.コインチェックで口座開設・入金する方法
ここでは、コインチェックで口座開設・入金する方法について簡単に解説します。
6-1 コインチェックで口座開設
以下の5ステップを踏むことで、コインチェックで口座開設できます。
- 以下の「コインチェックの口座開設はこちら(無料)」のリンクをクリックした後、「新規登録」をクリック
- メールアドレスとパスワードを入力し、「新規登録」をクリック
- 入力したメールアドレス宛に送信される確認用メールに記載されているURLをクリック(アカウント登録完了)
- SMSを利用した電話番号の認証(SMSを利用した電話番号の認証)
- 本確認書類の提出(運転免許証やパスポートなどの指定されている書類の中から選択して写真を撮り、アップロード)
以下の動画で詳しい口座開設の手順が解説されています。
6-2 コインチェック口座に入金
コインチェックでの入金方法は以下の3つです。
- 銀行入金
- コンビニ入金
- クイック入金
※Coincheckでは2022/10/19 より、コンビニ入金・クイック入金を再開しました。
1はまず「銀行口座から入金」をタップし、口座情報を確認し、指定口座に振り込みます。
2は、「コンビニ入金」をタップし、入金を行うコンビニを選択。選択したコンビニで、期限までに入金します。
3は、「クイック入金」をタップし、金額を確認して「お支払い情報を発行」をタップ。期限を確認して「番号・入金方法の確認」をタップします。番号情報を確認して「完了」をタップすれば完了します。
入金方法や仮想通貨の購入方法は、以下の動画で詳しく解説されています。
7.まとめ
コインチェックは取扱い銘柄が豊富で、使いやすいさ・わかりやすさを追求したアプリの設計やセキュリティに定評がある取引所です。
板取引に慣れておらずローソク足のチャートの見方がわからない初心者でも安心して利用できるため、数ある国内取引所の中で最も初心者にとって利用しやすい取引所のひとつであると言えます。
また、他の国内取引所に先立ちNFTマーケットプレイスをローンチしており、ブロックチェーンを利用したことがない人でも簡単にNFTを購入することができる仕組みのため、NFTの購入に興味のある人にとってもおすすめの取引所です。