従来のゲームにNFTを導入
NFT、メタバースやPlay-to-Earn(遊んで稼ぐ)モデルの誕生が、従来のゲームに様々な変化をもたらしつつあります。
ゲーム内での課金や少額決済が、いまや当たり前になっています。また、プレイするだけでいくばくかの収入を得られる無料ゲームでも人気です。しかし、多くのゲーマーには不評でした。
ブロックチェーンや新しいソフトウェア開発キット(SDK)の開発によって、NFTを使ってアイテムや取引をゲームに取り入れることができるようになりました。この開発環境の変化は、開発者とプレーヤー両方にベネフィットを提供しています。
ゲームにおける従来のマネタイズ戦略
これまでゲーム会社は、ビデオゲーム売って収益を得ていました。ゲームがいくつ売れたかだけが収益を左右していました。大手ゲーム会社であれば関連商品などからも収入を見込めましたが、たいていの企業では、商品が売れて出荷された本数のみで売上が決まっていました。
その後、ダウンロードゲームや課金システムが登場しました。Web 2.0モデルでは、新しいキャラクターやアクセサリー、ゲーム内通貨をプレーヤーが追加することによって、ゲーム会社に利益をもたらすことが可能になりました。
ゲーマーの反応は様々でしたが、このシステムでは、追加アイテムの売上で、そのコストをカバーすることができるのです。
F2Pが促進した新たな開発
この新たな収益方法が、free-to-play (F2P) を生み出しました。誰もがベーシックなゲームを無料で遊べ、プレーヤの選択によって、さらに高度なゲームを楽しめたり、収益化したりできるゲームが開発されたのです。このゲームはとても人気が出ました。誰でも無料でゲームをスタートし、プレーヤーが自分の意志で、追加オプションを自由に選べるのです。
しかし、このゲームは問題を抱えています。大人気で多くの人がゲームをプレーしているにも関わらず、実際に課金してゲームを楽しんでいるのは、全体のわずか2.2%のゲーマーにすぎないのです。
それにもかかわらず、F2Pゲームは2018年だけでも880億米ドル(およそ9兆7000億円)の世界的な収益を上げ、しかもこの数字は上昇しています。さらに多くの人がこのかたちのゲームをプレーするようになったら、今後どんな展開がまっているのでしょうか。
ゲームはWeb3.0世代に突入
現在、さらに新しい収益化モデルが次々に登場しています。そして、Web3.0への移行が進み、インターネットが変わり始めています。Web3.0は、ゲーム界にブロックチェーン、仮想通貨、NFTなどを取り込んでいきます。
ブロックチェーンは、ネットワーク上のすべてのやり取りを記録することができます。そのシステムを使うことによって、NFTの利用が可能になりました。あらゆるデーターのやり取りは認識され、結びつけることができるのです。それにはゲームのアイテムも含まれます。
コスチュームやアバター、土地など、ゲーム内のあらゆるものをNFTとして作成し、それぞれに対して別々の価値を与えることができます。これらのNFT化されたアイテムは、他のゲームの中にも持ち込むことができます。そして他のプレーヤにそのアイテムを売ることも可能になりまし。これによって、アイテムに課金するのは、ただブラックホールにお金を投げ込むようなものではなく、もはや投資に近いものになりました。
ゲーム内課金は「投資」に
これからは、もう興味がなくなったり、廃止になってしまったゲームで購入した課金アイテムを捨てなくてもよいのです。これからは、新しく買ったゲーム内の他のアイテムと交換、または割引で他のアイテムを入手できるなど、あらゆる交換方法が可能になります。さらに、ゲーム内のマーケットやP2P取引をつかえば、手数料も安くすみます。
ゲームの価格を抑えれば、課金システムを使うプレーヤの割合を増やすことができます。ゲーム内でアイテムを交換できるシステムの提供によって、ゲーマーは課金することに抵抗がなくなります。課金によってお金を失うという意識より、自分のお金をゲームの中に移し、ほかのアイテムに変えただけと認識します。
そして、ときにはアイテムの価値があがり、利益を得られる可能性もあります。開発者はこのようなゲームを提供し続けるかぎり、継続的な利益が入ってきます。さらに趣向を凝らした新しいアイデアやアイテムを導入することによって、プレイヤーの購買意欲を高めることもできます。
これは、ゲーマーと開発者どちらにもメリットのあるモデルだといえるでしょう。このモデルはWeb 2.0ですでに使われています。その機能を拡張し、プレーヤに主導権をあたえることによって、ゲーム会社は収益元を増やすことができるのです。
新技術がWeb3.0のパワーをWeb2.0に提供
ブロックチェーンに新たなスケーリング技術が加わり、これまでよりも低い手数料で高速な取引が可能になりました。分散型テクノロジーの真の約束が実現したのです。つまり、従来のゲームもアップデートをすることができ、この新しいゲーム内での売り買いもできるようになるのです。これは、仮想通貨世界にあたたな可能性をもたらすことでしょう。
最近話題になっているメタバース(インターネット上で、さまざまな製品をつなぐことのできる”メタプラットフォーム”)は、この壮大なビジョンを実現するために不可欠な技術になるでしょう。
現在のゲームに問題があるとはいいません。しかし、新しいテクノロジー、は新しい景色を見せてくれるでしょう。ブロックチェーンを取り入れたゲームは、NFTモデルの利用者には親しみやすいでしょう。いつもプレーしているゲームに新しい機能が増えば、プレーする楽しみも増えます。
つまり、従来の人気のゲームに新しい機能を追加しない手はないということです。この流れに乗れない開発者は、この先追いつくのに苦労するでしょう。