2024年注目の新興仮想通貨10選
2024年、暗号資産(仮想通貨)市場は成長フェーズに突入しています。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要銘柄が堅調な動きを見せる中、新興セクターや革新的プロジェクトにも注目が集まっています。
本記事では、レイヤー1・レイヤー2プロトコル、ブロックチェーンゲーム、DePIN/AI、リアルワールドアセット(RWA)、エアドロップ銘柄に着目。これらのセクターは、独自の技術革新やユースケース、市場での評価などから、注目されます。
各分野から代表的な注目の10銘柄をピックアップしました。各銘柄の特徴、背景、そして注目を集める理由を詳しく解説し、市場の新たなトレンドと機会について解説します。なお、紹介するデータはコインマーケットキャップ、またはコインゲッコーを参照(2024年9月27日時点)しています。
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レイヤー1
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レイヤー2
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ブロックチェーンゲーム
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DePIN/AI
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リアルワールドアセット(RWA)
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エアドロップ銘柄
L1(レイヤー1)
アバランチ(AVAX)
- 時価総額:117億ドル(約1.6兆円)
- 時価総額の順位:12位
- 年初来の騰落率:-25%
- Xのフォロワー数:103.4万
- TVL:18億ドル(2,600億円)、7位(DeFillama調べ)
アバランチは、高度な分散性および高速トランザクションを特徴としたプラットフォーム。ネイティブトークンは、AVAX。アバランチは特に処理の速さが注目されている。
アバランチのエコシステムでは、「サブネット」と呼ばれるカスタムブロックチェーンの開発が可能。ユーザーや企業が、独自のトークンや、ネットワーク運用規則などを設定して独自の分散型ネットワークを立ち上げることができる。
2023年末以降、アバランチは大企業による採用が増加傾向にあり、具体的な事例としては以下が挙げられる。
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スイ(SUI)
- 時価総額:45億ドル(約6,500億円)
- 時価総額の順位:21位
- 年初来の騰落率:+120%
- Xのフォロワー数:70.1万
- TVL:9.65億ドル(1400億円)、8位
スイは、処理能力の高さを特徴とする、スマートコントラクト機能を搭載したブロックチェーン。Move言語などメタ(旧フェイスブック)が開発を主導していたプロジェクト「ディエム(旧リブラ)」の技術を継承している。ネイティブトークンはSUI。
スイは23年5月にメインネットがローンチ。短期間で資金流入が急増し、初期ユーザーへのインセンティブ提供や、エアドロップに対する期待感から、オンチェーンでの活動量も増加傾向にある。24年1月末には、オンチェーン取引量の週間統計は昨年10月以来1200%以上増加した。
RWAやAIといった新たな分野への開発・研究も活発。24年4月には業界初のWeb3ゲーム対応ポータブルゲーム機「SuiPlay0x1」を発表して注目を集めた。
スイの具体的な開発としては以下が挙げられる。
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L2(レイヤー2)
アスターネットワーク(ASTR)
- 時価総額:5億ドル(約853億円)
- 時価総額の順位:123位
- 年初来の騰落率:-47%
- 英語版Xのフォロワー数:39.2万
Astar Network(ASTR)は、ポルカドットに接続するパブリックブロックチェーンとしてスタート。2024年2月、イーサリアムとポルカドット間で橋渡しをする取り組みとして、「Astar zkEVM Powered by Polygon」をローンチした。
さらに、Astar NetworkとAstar財団は、このAstar zkEVMをソニーグループとStartaleが開発する新しいL2ブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」に移行する計画を発表。Web3技術をより多くのユーザーに提供し、ASTRトークンのエコシステムを拡大することが目的。
Astar L1(Astar Network)は引き続き運用され、Astar財団はその成長と価値向上に注力し続ける。ASTRトークンは、Astar L1とSoneiumの両方で重要な役割を果たすことが期待されている。
Soneiumは「Superchain」イニシアチブに参加予定で、米コインベースが主導するBASEなど、他の主要なOP駆動チェーンとの相互運用性を持つ予定。Astar Networkは2024年後半に向けて、オンチェーン・ガバナンスの強化や相互運用性の向上などのマイルストーンを計画。ASTRトークン保有者にとっては新たな利用機会が生まれ、エコシステム全体の成長が期待される。
Astar(ASTR)に投資したい方はこちらをチェック
ブロックチェーンゲーム(BCG)
グリーン・メタバース・トークン(GMT)
- 時価総額:4.46億ドル(約647億円)
- 時価総額の順位:146位
- 年初来の騰落率:-50%
- STEPNのXフォロワー数:57.6万
- 日別アクティブユーザー数:1,200~3,000
GMTは、「Move to Earn(歩いて稼ぐ)」のWeb3アプリ「STEPN(ステップン)」のガバナンストークン。STEPNでは靴のレベルアップなどに使われ、ユーティリティトークンの側面も併せ持つ。
また、STEPNを開発するFind Satoshi Lab(FSL)は、Web3 MMOゲーム「Gas Hero」なども展開。GMTはFSLエコシステム全体のネイティブトークンとして使われていることも特徴。
FSLは、セコイアキャピタルやソラナ・ベンチャーズ、バイナンスラボなどの大手ベンチャーキャピタルから出資を受ける、大手スポーツブランドである「アシックス」や「アディダス」、大手通信会社の「NTT docomo」との提携など、Web3企業としてのプレゼンスを高めている。
オアシス(OAS)
- 時価総額:1.17億ドル(約166億円)
- 時価総額の順位:331位
- 年初来の騰落率:-56%
- Xアカウントのフォロワー数:12.3万
オアシスは「Blockchain for Games」をコンセプトにした日本発のゲーム特化型ブロックチェーンプロジェクト。ブロックチェーンゲームユーザーに対して取引手数料の無料化と取引処理の高速化を図り、快適なゲームプレイ環境を提供する。ネイティブトークンはOAS。
ブロックチェーンの初期バリデータには、スクウェア・エニックスやセガ、バンダイナムコ研究所などの大手ゲーム会社やWeb3企業など20社以上が参加。
24年初頭には、辰年にちなんだ新しいビジョン「Oasys Dragon Update」を発表。「インターオペラビリティ」、「エコシステム」、「キラーコンテンツ」の三つの柱を含む。最近では、カカオゲームズのブロックチェーン部門METABORA SG、韓国のゲーム大手COM2USなど、積極的にパートナーシップを展開している。
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DePIN/AI
DePINとはDecentralized Physical Infrastructure Networksの略称で、分散型物理インフラネットワークのこと。トークンエコノミーを活用し、インフラの構築と運営を効率的に調整する。インフラを分散化するDePINのプロジェクトが複数誕生しており、地図、エネルギー、交通網、通信インフラなど、さまざまな業界で普及・拡大が進行している。
レンダー(RNDR)
- 時価総額:33億ドル(約4,825億円)※コインマーケットキャップより
- 時価総額の順位:29位
- 年初来の騰落率:+43%
- Xアカウントのフォロワー数:19.9万
Render Networkは、余剰なグラフィカル・プロセッシング・ユニット(GPU)計算能力を持つ人々と、その能力を必要とするクリエイターをつなぐ分散型クラウドレンダリングプラットフォームとして発足。レンダリングは、3Dアニメーション、ゲームやメタバースの開発、動画制作、ウェブデザインなど幅広い分野で活用される。
GPUはレンダリングだけでなく、AI(人工知能)のトレーニング計算にも不可欠。AI技術の需要の増加に伴い、GPUリソースが不足する状況が生じている背景を受け、Render NetworkはAIコンピューティングタスクも取り扱うよう拡張し、GPUの分散型処理ネットワークとして再定義している。
このネットワークは自動化された評価システムとタスク割り当てメカニズムを採用し、増加するGPUリソースの需要に柔軟に対応する。また、分散型GPUリソースを統合するインセンティブとしてユーティリティトークン「RNDR」(ソラナへの移行に伴い、現在は「RENDER」に名称変更)を使用してる。
ザ・グラフ(GRT)
- 時価総額:17.8億ドル(約2,600億円)
- 時価総額の順位:51位
- 年初来の騰落率:+4.6%
- Xのフォロワー数:33.3万
ザ・グラフは、しばしば「ブロックチェーン版のGoogle」と称される分散型インデックスプロトコルで、ブロックチェーン上のデータを整理(インデックス)し、複雑な検索クエリも効率的に処理できるようにする。
ネイティブトークンGRTはサービスの決済に使用される。また、インデクサー(Indexers)と呼ばれるノードの分散型ネットワークを調整する。これらのノードは、GRTをステークしてインデックスを作成し、アプリケーションデータの提供権を獲得する。
このプラットフォームは、イーサリアムやアバランチなど7つ以上のブロックチェーンに展開し、データを収集・保存するために設計されたdApps(分散型アプリ)に対応。サブグラフと呼ばれるAPIを通じて、開発者はブロックチェーンアプリケーションからデータを効率的かつ迅速に引き出すことができる。
ザ・グラフはデータを管理するために高度なシステムを使用しているが、その機能はAIや機械学習とは直接関連していない。ただし、AIがデータから有意義なパターンや洞察を抽出するために、整理されたデータセットに簡単にアクセスできるようにする。そのため、AIとの関連が想起され、AIカテゴリーにカウントされるケースが多い。
関連:The Graph、AI推論とエージェントサービス導入へ AI駆動型アプリケーションの開発を強化
ザ・グラフ(GRT)に投資したい方はこちらをチェック
リアルワールドアセット(RWA)のトークン化
リアルワールドアセット(RWA)のトークン化とは、不動産や株式、コモディティ、美術品などのオフチェーン資産を、ブロックチェーン上で取引可能にする動き。世界金融市場協会(GFMA)は、この分野が2030年までに16兆ドルまで拡大すると予測している。
オンド(ONDO)
- 時価総額:11.4億ドル(約1,730億円)
- 時価総額の順位:76位
- 年初来の騰落率:+275%
- X(Ondo Finance)のフォロワー数:19.2万
- TVL:約6億ドル(約870億円)
Ondo Financeは、機関投資家向けにブロックチェーンを活用した投資商品を提供するリーディングカンパニー。トークン化されたリアル・ワールド・アセット(RWA)ソリューションを幅広く提供しており、本人確認(KYC)と反社会的行為チェック(AML/CFT)をクリアした投資家のみが直接利用できる。
提供される商品は、短期国債、社債、および高リスク・高利回り社債など。特に注目されるのは、米短期国債と銀行預金を裏付け資産とするトークン化された債券「USDY」だ。USDYはステーブルコインに似ているが、米国債からの金利報酬の大部分をトークン保有者に還元することで差別化を図り、その魅力を高めている。
1年前に最初の商品を発売して以来、Ondo Financeは急速に成長し、プロトコル全体の管理資産は3億ドル(約460億円)を超える。
また、オンチェーンファンド「OUSG」から8,400万ドル(約12.7億円)を新規プロジェクト「BUIDL」に割り当てるなど、業界内での話題性も高い。BUIDLはブラックロックによる初のトークン化投資ファンドであり、RWA分野全体における強気のムードを象徴している。
Ondoのエコシステムは、金融サービス企業のOndo Finance、非営利組織のOndo財団、自律分散型組織のOndo DAOなど、多岐にわたる。Ondo Financeチームが開発したレンディングプロトコルのFluxも含まれ、ガバナンストークンとしてのONDOが中心的役割を果たしている。
関連:米コインベース、RWA銘柄「ONDO」新規上場 Ondoはアジア拡大へ
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エックスディーシー(XDC)
- 時価総額:4.3億ドル(約626億円)
- 時価総額の順位:141位
- 年初来の騰落率:-48%
- Xのフォロワー数:10.6万
XDCは、貿易金融向けのブロックチェーン「XDC Network」で使われるユーティリティトークン。このプロジェクトは、RWAや金融商品をトークン化することで貿易金融業界を変革しようと取り組んでいる。
23年12月には、国内大手SBIホールディングスがアラブ首長国連邦(UAE)のTradeFinexと合弁会社「SBI XDC Network APAC株式会社」を設立。日本でも注目度の高い。
XDCは、ブロックチェーン上の決済のほか、ステーキングやガバナンスでも使用される。また、XDC Networkはイーサリアムのブロックチェーンと互換性がある。
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エアドロップ
ジュピター(JUP)
- 時価総額:12.9億ドル(約1,873億円)
- 時価総額の順位:72位
- 年初来の騰落率:+51%
- Xのフォロワー数:42.1万
- JupSOLのTVL:約5.8億ドル(約847億円)
JUPは、ソラナ基盤のDEX「ジュピター」のガバナンストークン。ステーキング報酬システム「アクティブ・ステーキング・リワード(ASR)」で使われる計画。ASRでは、トークンのローンチパッドの投票に参加したり、DAOに能動的に参加したりしているユーザーにJUPが分配される。
ジュピターはスワップ機能だけでなく、トークンセール(ローンチパッド)への参加権やエアドロップの機会も提供。また、ベンチャーキャピタルからの投資を受けず、コミュニティ主導で運営されている点も人気の理由。
2024年6月4日時点で、ジュピターの総取引量は2,000億ドル(約32兆円)を突破。ジュピターは一般的な現物スワップ(成り行き)に加え、指値スワップ、DCA(積立)、無期限先物取引、WormholeやdeBridge基盤のトークンブリッジサービスも提供。
Jupiterは、独自のリキッドステーキングトークン「jupSOL」を発行。ユーザーはSOLをステーキングしながら流動性を維持でき、さらにMEV(Miner Extractable Value)のキックバックを得ることができる。
関連:ソラナ最前線 DEX『ジュピター』の魅力とJUPトークンのステーキング方法
まとめ
今回紹介した銘柄は、2024年の暗号資産市場の動向を反映して選出されました。これらの銘柄が今後の成長を保証するものではないこと、また投資アドバイスとして提供しているわけではないことをご理解ください。
Web3プロダクトの具体的なユースケースや分散型ネットワークの安定性の利点が明らかになるにつれて、仮想通貨市場はますます活況を呈しています。2024年後半に向けた市場の展望を探る際、今回取り上げた10の銘柄はそれぞれが注目されているセクターを代表し、関連する他の銘柄の動向や基本的な分析にも役立つことを期待しています。
記事の監修
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