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円買い協調介入は2011年以来、仮想通貨に警戒感=分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 米30年債利回り5.27%、2007年以来の高値
  • QCP、24年8月のBIS分析を引用し警戒

日米協調介入、2011年以来

シンガポール拠点の暗号資産(仮想通貨)マーケットメーカー、QCPグループは3日、市場レポート「QCP Market Colour」で日米の協調外為介入を分析した。ニューヨーク連邦準備銀行は先週金曜、米財務省の代理人として円買いを実施し、日本の財務省の介入と同時に行われたと説明している。

QCPは今回の介入を2011年以来となる日米協調の外為介入、円を対象とした介入としては1998年以来と位置づけた。ニューヨーク連銀が担ったのは、FOMC(連邦公開市場委員会)が決定する独立した金融政策ではなく、財務省の代理人としての役割だったと指摘している。

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米長期金利、上昇の真相

QCPが焦点を当てるのは、米国債市場の長期ゾーンでの利回り上昇圧力だ。30年債利回りは金曜に約5.27%まで上昇し、2007年以来の高水準を記録した。月曜には5.24%まで低下したものの、高止まりの状態が続いているという。

10年債のブレークイーブン・インフレ率(市場が推測する期待インフレ率を示す指標)は7月末時点で約2.28%であり、名目の長期利回りの上昇幅を説明しきれないとQCPは分析する。

実質利回りやターム・プレミアム、国債の発行需要、投資家需要の変化が要因として注目されるとしている。

QCPによると、日本は米国債の主要な海外保有国の一つで、円買い介入は外貨準備を原資とし、ドル資産の一部売却を伴う場合もある。

ただし売却の時期や規模は自動的に決まるものではなく、介入の繰り返しが米国債需要に与える影響も直接的・即時的ではないとの見方を示した。

供給要因も金利を圧迫

QCPは供給側の要因にも言及した。米財務省は7月から9月の四半期に、民間保有分の純発行額を6,710億ドルと見積もっている。同時期、大手テック企業はAIインフラ投資の資金調達で債券発行を拡大しており、ハイパースケーラー(大規模なクラウドサービスを提供するIT大手企業)の発行額は6月末までに約1,700億ドルに達したという。

これらの資金フローが利回り上昇の直接的な原因とは言えないとしつつ、投資家が吸収すべきデュレーションの量を増やしていると分析する。金融政策・政府の資金調達・企業の資金調達・国境を越えた資本フローが相互に影響し合う構図が強まっているとの見立てだ。

仮想通貨への波及ルート

QCPが最も重視するのは、円キャリートレードを通じた仮想通貨への波及経路だ。急速な円高が進めば、円で資金調達したポジションを持つ投資家がレバレッジを縮小し、調達通貨である円を買い戻す動きが強まる可能性があるという。

QCPは2024年8月の急落局面を引き合いに出す。レバレッジをかけた通貨・株式ポジションの巻き戻しが当初の市場衝撃を増幅したとし、国際決済銀行(BIS)もキャリートレードのデレバレッジが値動きの深刻化に関与したと分析していたと紹介した。市場はその後、比較的速く落ち着きを取り戻している。

ただしQCPは、今回の介入が同様の結果を招くとは限らないとも付け加える。日米の金利差は依然大きく、円の戻りが持続するかどうかは金融政策の先行き観測や追加介入の必要性にも左右されると分析している。

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二つの流動性チャネル

QCPは仮想通貨市場への含意を二つの方向で整理した。短期的には、急激な円の変動がクロスアセットでのデレバレッジやボラティリティの上昇につながる可能性がある。長期的には、通貨の安定が増せば介入が繰り返される可能性は下がり、米国債市場の流動性への圧力も和らぐ余地があるという。

QCPは、どちらの結果になるかは確定していないとしたうえで、米ドル/日本円の動向や日本の資金調達環境、米長期債利回りをビットコイン・イーサリアムに関連するマクロ指標に加えるべきだとの見方を示した。FRBの発言だけでなく、財務省の政策運営も市場の判断材料になりつつあると結んでいる。

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