- ハッキング発生から5日間でのBTC下落率は中程度
- 200日移動平均線が次のターゲットか
バイナンスからの巨額流出後の状況
暗号資産(仮想通貨)分析企業のクリプトクアントは4日、週間市場レポートを発表。10月29日のバイナンス巨額ハッキング後の資金フローと価格動向を分析している。
クリプトクアントは基本シナリオとして、バイナンスのハッキングに関連する影響が収束していく中で、ビットコイン(BTC)は7万6,000ドル〜7万8,000ドルの水準を維持すると予想したが、7万6,300ドルを下回って引けた場合は、200日移動平均線(7万3,205ドル)が次の下値目途になるとした。
なお、ビットコインは記事執筆時点で7万5,720ドル前後で推移している。365日移動平均(7万6,969ドル)およびクリプトクアントの指摘する7万6,300ドルを下回っている状況で、7万3,200ドル付近が意識される可能性がある。
関連記事:バイナンスのハッキング被害、ビットコインへの影響は限定的=米Bitwise投資責任者
米ビットワイズのマット・ホーガン投資責任者は4日付のメモで、バイナンスのハッキングがビットコイン相場に影響しないとの見方を示した。過去最大級10件のハッキング後、ビットコインは上昇と下落が5件ずつだった。
流出資金の約43%が凍結済みか
クリプトクアントは、先週のオンチェーン状況(見かけ上の需要の縮小、コインベース・プレミアムのマイナス化、トレーダーの利益幅の薄さ)に大きな変化はなく、ハッキングによる資金フローのショックもすでに薄れつつあると述べた。
出金再開後の11月1〜2日に、バイナンスからの純流出は25,793BTC(同取引所準備金の3.6%)、273,094ETH(7.8%)、イーサリアム(ETH)上のUSDT37.5億ドル相当(10.3%)、USDC13.3億ドル相当(29.9%)におよんでいる。
ただし勢いは弱まりつつあり、11月3日時点ではETH・USDT・USDCは純流入に転換。ビットコインのみ3,640 BTCの小幅な流出が続いた。10月28日以降、バイナンスの準備資産はビットコインで7.7%、USDCで52%減少している。
バイナンスによると、同社ホットウォレットから約63億ドル相当の資産が流出した。バイナンスはSAFU(ユーザー保護のための緊急基金)の15,000BTC、先物保険基金、自己資金から損失を補填している。4日には流出額の約98%を補填したと明らかにした。

出典:クリプトクアント
流出資金にはすでに凍結された分も存在。テザー社とサークル社がステーブルコインを速やかに凍結しており、クリプトクアントは、オンチェーンで約26.8億ドル(流出額の42.5%)が凍結されたと伝えている。
クリプトクアントは、ハッキング発生から112時間でのビットコインの最大下落幅は5.7%であり、これは2014年以降に発生した2,000万ドル以上の被害を伴う38件の取引所ハッキング事例と比較すると、中程度の水準に位置した。38件の中央値は−3.9%だった。
過去にはバイビット(2025年、−13.6%)、コインチェック(2018年、−9.9%)、マウントゴックス(2014年、−30.9%)のハッキング事件など14件の事例で今回よりも大きな下落が見られた。
米仮想通貨運用会社ビットワイズの最高投資責任者、マット・ホーガン氏も4日、バイナンスへのハッキングはビットコインの長期的な方向性を変えないとの見解を示している。
ただし、その後5日夜から6日未明にかけてビットコインは下落。この背景には、米中間選挙で圧勝した民主党が米SECの権限を強化する法案の検討を始めたとの報道や米株式市場におけるハイテク株の大幅下落など複数要因が指摘されている。
関連記事:ビットコイン100万円幅急落、共和党敗北でトランプ氏の暗号資産政策に不透明感|仮想NISHI
ビットコインは5日夜から6日未明にかけて、約100万円幅の急落を記録した。背景には、米中間選挙で圧勝した民主党が米SECの権限を強化する法案の検討を始めたとの報道に加え、トランプ・メディアが保有するビットコインの大半を売却したと報じられたことがある。



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