ビットコインの実現時価総額、過去最高値を更新 NFT取引量も再び盛況に CoinPost週次データレポート
8月の仮想通貨動向
8月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)は約3ヶ月ぶりに46,000ドル台まで上昇、MACD(Moving Average Convergence Divergence)がゴールデンクロスするなど、5月以降続いた短期的な弱気トレンドの転換に期待感も出ている。
時価総額2位のイーサリアム(ETH)は8月5日に大型アップグレード「ロンドン」を実装前後から堅調な推移を維持した。新たに導入されたEIP-1559の影響でバーンされたイーサリアムは51,000ETHを超えており、180億円相当にのぼる(16日午後5時時点)。
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時価総額TOP20の騰落率
時価総額上位銘柄の週間騰落率は以下の通り。(15日時点:ステーブルコイン除く)
- リップル(XRP)+65.42%
- カルダノ(ADA)+51.92%
- ソラナ(SOL)+42.66%
- ドージコイン(DOGE)+42.24%
- ヴィチェーン(VET)+37.38%
仮想通貨ソラナ(SOL)は16日に、過去最高値(ATH)を更新。ラージキャップ銘柄では5月以来、初めての更新例となる。
また、XRP(リップル)やカルダノ(ADA)なども強い騰勢を見せ、仮想通貨市場全体も好調。3ヶ月ぶりに市場全体の時価総額も2兆ドルに復帰した。
関連:XRP高騰継続で140円台到達、仮想通貨の全体時価総額は「2兆ドル」の大台復帰へ
ビットコインのオンチェーン・データ
ビットコイン(BTC)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
実現時価総額が過去最高に
仮想通貨分析サイトglassnodeによれば、ビットコインの実現時価総額(Realized MarketCap)は14日、過去最高値を更新。オンチェーンアナリストのWilly Woo氏は「BTCネットワーク上に預け入れされている資産総額が過去最高に達した」とコメントした。
実現時価総額とは
仮想通貨のUTXO(未使用の取引アウトプット)データを基に、現在の市場価格ではなく最後の取引時点での価格(実現価格)から算出した時価総額。市場全体がどれだけの価格で参入したかをおおまかに表す指標となっている。
▶️仮想通貨用語集
実現時価総額は現在の市場価格ではなく、最後に取引された時点での現物価格を基に算出されるため、4月にBTC価格が64,000ドルだった時よりも同指標は高いと説明した。
BTCクジラの動向
また、オンチェーンアナリストのWill Clemente氏はクジラが過去2週間、ビットコインの買い増しを続けていたと説明。大量のビットコインを保有するビットコインETF提供企業(QBTCやPurpose ETF)やグレースケール社の保有量を除く、1,000BTC以上を保有するホルダー全体の保有量は増加傾向にあることが伺える。
相場のポジティブ要因
これまでの週次レポートでも報じてきた通り、Clemente氏は3ヶ月程の弱気トレンドが続いた際もオンチェーンデータと現物価格が「ズレている」ことを指摘してきた。今後も引き続き好調が続く要因として、以下の点を挙げた。
- クジラの激しい買い(直近2週間)
- 長期保有者が利確していない
- Illiquid Supplyが増加している
- 呼値が押し上げられている
- ファンディングとOIは2月水準に達していない(現物主導の上げ)
Illiquid Supplyとは
流動性が無い(長期保有されている)ビットコインの保有量を示す指標。glassnodeの統計では、ビットコイン流通量の内、最大78%がこれに該当するというデータも出ている。(昨年12月時点)
▶️仮想通貨用語集
BTC保有者の分散化
さらに、Woo氏は流通しているビットコインの分散化がさらに進んでいると指摘。大口投資家の保有するBTC流通量は合計で25%まで低下していると説明した。
10BTC以下を保有する小口投資家は14%まで増加。最大のグループは10〜1,000BTCを保有する「ミドルクラス」が37%と最多だった。
- 10~1,000BTC保有:37%
- >1,000BTC保有:25%
- 上場企業(ETF含む):18%
- <10BTC:14%
なお、Woo氏はサトシ・ナカモトの保有するビットコインは紛失されたと仮定し、計算には含んでいない。
BTC利益率が回復
glassnodeの統計によれば、直近のビットコイン急騰を受け、現時点の価格で利益を計上している状態のBTC量が16.4%増加したと指摘。およそ308万BTCが29,700ドルから45,400ドル(320万円から500万円)の価格帯で購入されたことを表していると説明した。
難易度調整
ビットコインは13日、難易度調整を完了。7月31日のディフィカルティ調整に続き、2回連続のプラス調整を記録した。
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イーサリアムのオンチェーン・データ
イーサリアム(ETH)関連の注目のオンチェーンデータは以下の通り。
ETH2.0 ステーキング額
ETH2.0のステーキング額は前週比で14万ETH増加し、672万ETHに。16日時点では、これは2.3兆円に相当する。
なお、8月第1週に完了した大型アップグレード「ロンドン」後からは、19万ETH増加している。
ステーキング額:672万ETH(前週比+14万ETH)
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DeFi(分散型金融)
DeFiプラットフォームのTVLは15日時点で1,475億ドル(約16兆円)。前週比では140億ドル(1.5兆円)ほど増加している。
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
NFT上位銘柄:前週比
NFT(非代替性トークン)関連銘柄の騰落率は以下の通り。(16日時点)
- シータ(THETA):21.51%
- アクシーインフィニティ(AXS):58.79%
ブロックチェーンゲームのアクシーインフィニティは直近数週間で人気が急上昇中。今月上旬には、取引高総計が11億ドル(約1,200億円)を突破した。
ゲームをしながら収入も得ることができる「Play-to-Earn」が注目を集めており、フィリピンやインドネシア、ブラジルといった後進国からユーザーが増えている。
関連:NFTゲーム「アクシーインフィニティ」、取引総額が1,200億円突破
NFT取引量はすでに過去最高ペース
アクシーインフィニティなどのNFTの人気が再び高まっていることから、The Blockの統計ではNFTの取引量は8月の第2週を経過する時点ですでに過去最高を大きく上回っている。
プラットフォーム別では、OpenSeaがダントツの一位を占めており、このペースを維持すれば月間取引量は1億ドル(1,100億円)に到達するペースだ。
OpenSea上で取引量上位を占めているNFTプロジェクトは以下の通り。
クリプト指標
日程 | 指標 |
---|---|
8月17日~20日 |
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議2021) |
8/21 17時頃 |
Lisk メインネットv3の移行を実施 |
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人
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