ビットコインは上値重くも底堅い展開、テーパリングが仮想通貨市場に与える影響は? bitbank寄稿の仮想通貨週次市況

今週の相場の動きは

今週のビットコイン(BTC)市場は、比較的好調で約3か月ぶりに大台の500万円台にまで回復、底堅い展開を見せた。またイーサリアムの大型アップグレードが実施されたこともあり、アルトコイン市場全体も同様に堅調な価格推移を見せた。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

8/13(金)終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

CoinPostで作成

月初来騰落率

CoinPostで作成

年初来騰落率

CoinPostで作成

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

7/7〜7/13のBTCチャート

出典:TradingView

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値が重くも底堅く、13日正午時点で前週の週足終値(483.4万円)から小幅に上昇し、心理的節目の500万円周辺で推移している。

週明け早々にシカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物が窓埋めを完了すると相場は上昇し、200日移動平均線(498万円)の上抜けに成功。一方、10日朝方に米インフラ法案の修正案が否決されると510万円絡みで上値を重くし、Poly Networkへのハッキングにより660億円相当の暗号資産(仮想通貨)が不正に流出したことが伝わると、節目の500万円を割り込んだ。

その後はカルダノのADAや、XRPの相場急進に支えられ、BTCは510万円突破をうかがう展開となったが、XRPを筆頭に12日の市場は主要アルトコインが下げを主導。BTCはこれに連れ安となる格好で今週の上げ幅を一時掻き消したが、米主要3指数の確りとした動きを眺め下げ止まり、対ドル節目4.4万ドル(≒485万円)から押し目買いの様相で500万円まで値を戻している。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

BTCは今週、史上最高値(705.5万円)と5月安値(330万円)を基点とするフィボナッチ・リトレースメントの50%戻し水準となる517.8万円に肉薄した。相場には「半値戻しは全値戻し」という言葉があるだけに、同水準の上抜けに成功すれば5月の下げ幅を取り戻す機運も高まると言えるが、今週はやや強材料に乏しかった上、一部アルトコイン相場の反動安が相場の重石となった。

ただ、BTC、イーサ(ETH)、ADAの相場は、5月のクラッシュ後の安値圏から脱出できているが、他の主要アルトコインの多くは依然として安値圏からの上放れを試しており、出遅れ感が残っていると指摘される。先週のイーサリアムのロンドン・アップデートに伴うETHの上昇から、今週はADA、XRPとアルトへの流れが続いており、目先では割安感のあるアルトコインも物色されやすいと見ている。

来週の注目としては、18日にパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が出席する全米教育者とのバーチャルタウンホールミーティング、また、翌19日公開の7月米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨があるが、先週の強めの米雇用統計や、今週、3週連続で減少した米新規失業保険申請件数を受けてもテーパリング開始懸念に苛まれることなく市場のリスクオンムードは続いた。

先週は複数FRB理事と地区連銀総裁が相次いで早期テーパリングを支持する発言をしていたこともあってか、年内のテーパリング開始アナウンスの可能性は市場にほぼ織り込まれている格好かと思える。ただ一方で、7月FOMC会合後の定例記者会見で、パルエル議長は「今後数回の会合において継続して(経済の)進展度合いを精査する」と慎重な姿勢を示しており、米金融当局者の間には意見の隔たりがあるようだ。

いずれにせよ、市場が年内テーパリング開始を織り込んでいれば、来週のタウンホールミーティングとFOMC議事要旨が過度にネガティブな影響を与える公算は低いか。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

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