ウォルマート、仮想通貨プロダクトの責任者募集へ
世界的な小売チェーンのウォルマートが暗号資産(仮想通貨)プロダクトの責任者の求人を開始したことがわかった。過去には独自の仮想通貨発行も検討していた大手スーパーチェーンが遂に動き出した。
ウォルマートは米国アーカンソー州に拠点を置く世界的な小売大手。2020年度においては5,592億ドル(60兆円)の収益を記録しており、日本のスーパーチェーン「西友」の大手株主として約18年以上日本でも間接的に事業を展開していた。
公式サイトやビジネスSNSのLinkedInに投稿された求人情報では、ウォルマートは「デジタル通貨・仮想通貨のプロダクトリード」の募集を開始。ブロックチェーン関連の技術に関する専門家として、同社のプロダクト戦略やロードマップに携わるという。
ブロックチェーン部門の責任者は、ウォルマートの本社があるアーカンソー州のベントンビルで勤務することとなる。
ウォールマートは2019年夏、独自のステーブルコインを発行する計画が浮上。米国特許商標局に系列店舗内の利用のみを想定した「ブロックチェーンを利用する独自ステーブルコイン」の特許を申請している。
また、ウォールマートのカナダ支社はブロックチェーン技術を利用した貨物追跡・決済システムを2019年より導入しており、部分的には足を踏み入れていた。他にも、ブロックチェーンを利用したドローンの管理システムの特許も申請した経緯がある。
ブロックチェーン求人進める大手企業
商業大手のウォルマート以外でも、仮想通貨・ブロックチェーン領域の進出を目指し専門職の求人を開始している企業は少なくない。
eコマース最大手のアマゾンも今年6月、DeFi(分散型金融)領域の見識を持つ人材の募集を開始。アマゾンのブロックチェーンサービス「Amazon Managed Blockchain(AMB)」に所属する「プロダクトのブロックチェーン責任者」の求人を行っていた。
その後7月には、CBDC(中銀デジタル通貨)の経験を持つ人材の募集を開始。デジタル通貨決済の導入を示唆したものの、アマゾン社はビットコイン(BTC)決済導入の噂を否定した。
また、アマゾン以外でも金融大手JPモルガンは3月、ブロックチェーン分野の求人を大きく強化。60件ほどのブロックチェーン関連職の募集を行っていた。