- マイクロソフトが提唱するスケーラビリティ問題の解決策
- スケーラビリティ問題に対して、BCHのブロック容量などのオンチェーンでの拡張は、今後の取引増加に対応できないことを発表し、Layer2と呼ばれるような解決策が必要であると結論付けられました。
- オンチェーンでの拡張の限界とライトニングネットワーク
- 記事内では、ブロック容量を増やすなどの、オンチェーンでの拡張方法は”非中央集権の特性を低下させる”ものだと説明されました。2018年に入ってからも、初めてのメインネット公開もされており、大きな発展を遂げており、2月13日時点でライトニングネットワークは2000ノードを超え、既にビットコインキャッシュネットワークのノード数を抜きました。
マイクロソフトは、ビットコインのスケーラビリティ問題に対して”Layer2” と呼ばれるような解決策が必要であると結論付け、その技術を”研究”しています。
マイクロソフト:オンチェーンでの拡張は需要を満たせない
2月14日に公開されたブログ記事で、マイクロソフトの身分証明部門でプログラム管理課長を務める Alex Simons氏(以下、Simons氏)は、スケーラビリティ問題に対して、主にライトニングネットワークのことを意味するLayer2ソリューションが、オンチェーンでの拡張よりも優れていると主張しました。
Simons氏は、下記のように記述しました。
「一部のブロックチェーンコミュニティがオンチェーンでの取引容量を拡張(ブロック容量の拡張など)を試みましたが、この方法ではネットワークの非中央集権的特性の低下を招き、世界規模で1秒間に100万取引が行われた場合、対処できません。」
さらに、彼は以下のように追記しました。
「この技術的な障害を乗り越えるために、私達は、パブリックブロックチェーンの上で機能し、世界規模のDID(Decentralized Identity、非中央集権的身分証明)システムとしての特性も持ち合わせる非中央集権のプロトコルを研究しています。」
この投稿では、マイクロソフトが将来的にビットコインを含め、どのパブリックブロックチェーンに着目していくかは記述されていません。
After a year of research Microsoft has concluded that on-chain scaling doesn't work: https://t.co/THeM2ToeFi pic.twitter.com/vRo1USTGza
— INNVTV (@innvtv) 2018年2月13日
Twitter内容
マイクロソフトは、1年間の研究により、オンチェーンの拡張は適切な解決策ではないと結論付けました。
大手ソフトウェア会社であるマイクロソフトは、オンチェーンでの拡張方法を”非中央集権の特性を低下させる”ものだと説明しており、この見解は、ビットコインからハードフォークし、ブロック容量を拡張したビットコインキャッシュなどの仮想通貨への対立的意見であると考えられています。
フォークは、一部の古くからのビットコイン支持者からの批判を多く買い、コンピュータ・サイエンティストのNick Szabo氏は、昨年そのネットワークを”中央集権的な指人形”だと表現しました。
情報源からもLayer2のさらなる追求は未定とされています。
ライトニングネットワークがビットコインキャッシュのノード数を超える
Simons氏は以下のように語りました。
「私達は、この大きな挑戦に取り組めることに対して非常に嬉しく思っているのと同時に、この取り組みを成功させるには協力が必要不可欠になってくるでしょう。」
「私達は、同盟パートナー、Decentralized Identity Foundation (DIF)のメンバー、そして、マイクロソフトのエコシステムに存在するデザイナー、政策作成者、ビジネスパートナー、ハードウェア及び、ソフトウェア開発者からの支持、インプットを期待しています。 」
ライトニングネットワークは2018年に入ってからも、初めてのメインネット公開もされており、大きな発展を遂げています。さらに、2月13日時点でライトニングネットワークは2000ノードを超え、既にビットコインキャッシュネットワークのノード数を抜きました。
大きな期待が掛かるLayer2技術の取引手数料はセント単位で、即時にビットコインを取引できるようになるようです。
GOODBYE BITCOIN CASH? MICROSOFT: ON-CHAIN SCALING ‘DEGRADES DECENTRALIZATION’
Feb 13, 2018 by WILMA WOO
参考記事はこちらから
CoinPost考察
ビットコインの問題点の解決策として最も期待されているものの一つがライトニングネットワーク(Layer2)です。
このオーバーレイネットワーク(Layer2)は2015年『ビットコインのセキュリティを保ちつつ、取引ほぼ無料、即時認証を可能にする』として、Joseph Poon氏とTadge Dryja氏によって提案されました。
その後現在まで研究が続けられ、ビットコインでの実装が期待されています。
現在、手数料が高いため、ビットコインでの少額支払いは不向きと言われ、また決済に10分以上かかることから支払いとしての実用性は低いと言われてきました。
しかし、 Layer2の実装により、トランザクションがとても早く、1satoshi単位(0.0001円)といった、超少額支払いも可能になると予想されています。
これらが実装されることで、ビットコインは支払いとしても再度注目を集めることになる可能性を秘めています。
また、文中にもあるようにマイクロソフトは、ビットコインキャッシュのようなブロック容量を増やした現状は、オンチェーンでの拡張方法は非中央集権の特性を低下させるものであり、Layer2ソシューションが必要であるとしています。
※追記
元記事の記載を意図的に削除しているのでは、というお問い合わせがあったので回答致します。
今回CoinPostで主に参考にした記事はbitcoinistのWILMA WOO氏、またMicrosoftのALEX SIMONS氏の記事です。
ご指摘いただいた文章は、MSNのInternational Business TimesのLeigh Cuen氏によって寄稿された文章です。(今回の私たちの参考記事とは違う記事です。)
MSNに掲載されているInternational Business TimesのLeigh Cuen氏の記事では、「ライトニングネットワークは現状実験的な技術であり、現状では安全に取引する方法ではない」との指摘もあります。
こういったライトニングネットワークに対する指摘は、過去にCoinPostでも掲載致しました。
なお今回はbitcoinistの記事を意見の一つとして取り上げさせていただきました。
なるべく公平性を保ったサイト運営のため、今後も様々な方向からの意見を取り上げる方針です。