- イーサリアム発行上限を設定するとの発言とその意図
- 23歳のイーサリアム創業者vitalik氏は4月1日に行われた会合にて、投資家、開発者などに対し、イーサリアムの発行上限枚数を設定するという提案を行いました。彼はイーサリアムのトランザクションフィーはプラットフォームに対する需要に対応しており、発行枚数には左右されないものだと主張しました。
- 提案に対する批判2
- 反対派は、イーサリアムのトークンが担ってきた本質的な役割が損なわれてしまうのではないかということを危惧しています。実際のところ、仮に参入コストが高くなり、かつ通貨の流動性が妨げられれば、イーサリアムが仮想通貨として持つ分散化されていて誰でも容易に低コストで利用ができるという価値を妨げかねません。
イーサリアム発行上限を設定するとの発言
4月1日、世界で二番目の規模を誇る仮想通貨の創設者が放ったある発言が物議をかもしています。
23歳のイーサリアム創業者vitalik氏は4月1日エイプリルフールに行われた会合にて、投資家、開発者などに対してある提案を行いました。
それがイーサリアム改善案EIP960というもので、その中には現在のイーサリアムの価値を揺るがしかねない改善案も含まれていました。それがイーサリアムの発行上限枚数を設定するというもの。
現時点で、1年間に1800万枚という上限は決められていたものの、ビットコインのような最終的な発行上限はイーサリアムでは決められていませんでした。
このことによって、投資家がイーサリアムの本質的な価値を測りかねていたことは事実でしょう。
Vitalik氏は、この内容に関しては正式に検討を行っているものであると語り、エイプリルフール後も正式に彼がこの提案を実現すべきだと考えている理論的な根拠をつたえました。
彼は以下のように語っています。
イーサリアムの経済が持続的に発展するために、発行枚数の上限を設定することが必要であり、それは簡単に実装可能です。
提案に対する批判
こうした提案はイーサリアムの価値を図り損ねていた投資家たちから賛同を集める一方でまた、批判も集めています。
反対派は、端的に言ってしまえばイーサリアムのトークンが担ってきた本質的な役割が損なわれてしまうのではないかということを危惧しています。
この提案に批判をしているイーサリアムの開発者であるDarryl Morris氏はこう語ります。
発行上限枚数が定められたことにより、投資資材としての有用性が高まれば、通貨の流動性が下がり、イーサリアムのトークンがこれまでになってきた、システムを稼働するために利用される燃料としての役割が損なわれてしまいます。
マイナーとこうした投機的な目的から、通貨を保有する通称「HODL」と呼ばれる立場の人間たちの求めるものはこれまでに対立してきました。
こうした対立構造を生むだけではありません。
主要な開発者でもう一人の反対派であるVlado Zamfir氏はこう語ります。
せいぜい希少価値を上げる程度です。結果として参入コストが高くなるだけでしょう
実際のところ、仮に参入コストが高くなり、かつ通貨の流動性が妨げられれば、イーサリアムが仮想通貨として持つ分散化されていて誰でも容易に低コストで利用ができるという本質的な価値を妨げかねません。
Vitalik氏の意図
Vitalik氏の提案とこれに伴って行われた研究はこれら反対派の意見とは異なっています。
彼はイーサリアムのトランザクションフィーはプラットフォームに対する需要に対応しており、発行枚数には左右されないものだと主張しました。
彼はそもそもイーサリアムが有しているのはあくまでプラットフォームとしての役割であり、現在の高値はある種のインフレであると認識しています。
現在のこのような発行枚数が不確実なことによってもたらされている価格の上昇は相対的に市場にある他の仮想通貨の価値、価格に悪影響を与える恐れがあるのです。
発行枚数を設定し、最終的にはERC20を利用した新たな仮想通貨がより多く上場されることが重要で、いずれはイーサリアムそのものの価値を超えるものが生まれるだろう、そしてそれが健全であると、vitalik氏は考えているようです。
彼はこう語ります。
発行枚数に上限を設定したとしてもブロックチェーンを維持するのに必要な報酬は確保できると考えています。もし発行枚数に上限を設けなければ長期的に見た場合、我々のプロジェクトが持っている価値が疑われてしまう可能性があるでしょう。