- ベネズエラとインドの交渉内容
- 経済危機にあるベネズエラ政府が発行した仮想通貨「Petro」の関係者が、インド北部の大都市デリーに拠点を置く仮想通貨取引所「Coinsecure」との契約を取りまとめ、インドでも「Petro」が売買可能に。ベネズエラはインドに対し、石油に裏付けられた仮想通貨であるPetroで決済する場合、30%オフで原油を提供することを提案しています。
- 懐疑的な見方も
- アメリカ大統領ドナルド・トランプ氏は、アメリカ市民による仮想通貨Petroの購入を禁じ、ベネズエラ国会でも憲法違反に当たると主張。Business Standardでは、Petroが石油に裏付けられていたとしても、それは中央集権的通貨に変わりはないと指摘しています。
石油に裏付けられた仮想通貨
ベネズエラは先日、インドに対して、石油に裏付けられた仮想通貨「Petro」によって決済を行う場合、30%オフでの原油提供を提案しました。
Business Standardは、ベネズエラのブロックチェーン部署の専門家が、3月にインドへ渡ったことを発表。
ベネズエラの関係者は、インド北部の大都市デリーに拠点を置く仮想通貨取引所「Coinsecure」と契約を締結。インドでもPetroを販売することができるようになりました。
石油に裏付けられた仮想通貨「Petro」は、経済危機にあるベネズエラ政府によって発行された仮想通貨で、2017年末に販売された事で話題になりました。
CoinsecureのCEO「Mohit Kalra」氏(以下、Kalra氏)は、仮想通貨Petroをビットコインやルピーと取引できるように、プラットフォームへの追加を検討していることを明らかにしています。
同氏は、30%の値下げは議論の中で提示されたものだと付け加え、以下のように述べています。
ベネズエラの大統領「Nicolas Maduro」氏(以下、Maduro氏)は、Petroのプレセール(事前販売)は、50億ドル(約5450億円)に達したと主張しました。
127ヶ国に向けて販売され、171,000人もの出資者が事前販売に登録しました。
またKalra氏によると、ベネズエラは、仮想通貨Petroに関するカンファレンスをインドで開催することを望んでいるということです。
Coinsecureとインド政府は、Petroがベネズエラで取引できるように、ホワイトラベルを使用した仮想通貨取引所の解決策を提案しています。
ベネズエラの重役を務める「Angel Gonzales」氏は、Business Standardに対し、ベネズエラ政府が、インドなどの国々に仮想通貨Petroへの”多大な関心”を持って欲しいと考えていることを述べました。
懐疑的な見方も多い
CCNによると、100年の歴史を持つ「Brookings Institute」は、Petroが仮想通貨を軽視していると主張しており、自国の国会で憲法違反であると宣言していることからも、Petroは、多くの批判を受けていると記述されています。
アメリカの大統領である Donald Trump氏(以下、Trump氏)も、Petroがアメリカの経済制裁を回避することを目的としていると指摘、同通貨をアメリカ市民が購入することを禁止しました。
しかしベネズエラは、トランプ氏によるPetroの取引禁止令を、むしろ無料の宣伝になったとして肯定的に捉えているようです。
Business Standardは、ベネズエラが仮想通貨Petroを”2020年までに自国の公式通貨として採用しようと計画している”ことを明らかにしています。
同国は、3〜6ヶ月間で経済的な好影響をもたらし、Petroで輸出額を請求する可能性まで示唆しました。
一方で一部投資家は、仮想通貨Petroに対して引き続き懐疑的に捉えており、Business Standardでは、以下のように記述されています。
報告書によると、2017年11月〜2018年2月までの、インドのベネズエラからの石油輸入は1日平均して300,000バレル(bpd, barrels per day)になっています。
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