CoinPostで今最も読まれています

イーサリアムネットワークのGas価格が高騰:FCoinの新規通貨上場への投票システムが影響か?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Gas代高騰の原因は
ここ1週間ほど、イーサリアムネットワークの取引手数料が過去最高値を更新する勢いで上昇している。送金手数料ガス(Gas)代の急上昇は、取引所FCoinにおける新規通貨上場の投票システムに原因があるとされている。
取引量増加への対応策
今回のガス価格高騰はFCoinの投票システムが発端となったが、イーサリアム開発者らはイレギュラーな事件に関わらず、ユーザーの利便性を向上させるためにスケーラビリティ問題を解決することが重要であると強調した。

ガス(Gas)代高騰の原因を探る

ここ1週間ほど、イーサリアムネットワークの取引手数料(Gas代)は過去最高値を更新する勢いで上昇し、dAppsユーザーや高い取引手数料を支払えないユーザーが不便を強いられています。

出典:Etherscan Ethereum Average GasPrice Chart

イーサリアムネットワークの取引手数料を表すガス価格(GasPrice)の平均値は、7/2に86GWeiを記録しています。

これは4-6月の平均ガス価格からおよそ4〜6倍ほどの水準であり、仮想通貨市場が爆発的に盛り上がった2018年1月の水準にも匹敵します。

上の画像にも示されるように、ガス料金は一時4000JPY付近(安い時は40JPY以下)にまで及ぶこともあり、クリプトアセットの生産や売買などで頻繁に取引を行うdApps(ブロックチェーン)ゲーマーに取っても致命的とされています。

投票システムで競争が過熱

ガス価格の急上昇は、取引所FCoinにおける新規通貨上場の投票システムである”累積デポジットトークン数ランキング(cumulative deposit number ranking)”が主な原因であるとされています。

この投票では、FCoinが新たに開設した、未成熟の仮想通貨プロジェクトを推進することを目的とした取引所「FCoin GPM(Growth Project Market)」に上場する通貨が決定されます。

この投票システムでは、上場させたいトークンを取引所に送金することで投票が行われます。

投票が終了した時点で、多くの数が集められた上位トークンが審査を経てFcoin GPMに上場するという仕組みです。

上記で述べた投票方法では、複数人による投票、すなわち数多くのアカウントから取引所へトークンが送金されることがトークン上場へ有利にはたらき、必然的にイーサリアムネットワーク上の取引量の急増へと繋がりました。

イーサリアムネットワークを利用する通常ユーザーは、ガス価格(Gas代)上昇による手数料の増加だけでなく、トランザクションの承認までに要する待機時間の増加についても問題視しています。

イーサリアムのウォレットサービスなどを手がけるMyCryptoは、公式ツイッターで今回のガス価格高騰の原因を説明しており、FCoinの投票システムを批判的に捉えていることが窺えます。

取引量増加への対応策

今回のガス価格高騰は、FCoinの投票システムが発端となりましたが、イーサリアム開発者らはイレギュラーな事件に関わらず、ユーザーの利便性を向上させるためにスケーラビリティ問題を解決することが重要であると強調しました。

例えば、イーサリアムの創業者であるVitalik Buterin氏は、今回のガス価格高騰を受け、自身のツイッターでとある提案を打ち出しており、ガス価格決定のアルゴリズムを単純化する方法について記述しています。

ブロックチェーン開発者であるPhilippe Castonguay氏も、今回のガス価格高騰の背景には「スケーラビリティ問題」があると述べています。

最近のガス価格の上昇は、イーサリアムブロックチェーンが近いうちに処理能力の上限に達することをまさに反映しているように思える。つまり、多くのユーザーがイーサリアムを利用し続けており、ネットワークのスケーリングを向上させることが必要不可欠だ。

いずれにせよ、Sharding、Plasmaといったスケーリングに関するソリューションは、現在のところ多くが実験的な段階に留まっており、それらが実装される時期は未定です。

アクティブユーザー数が着実に増えているイーサリアムネットワークが、今回のガス価格高騰のようなイレギュラーな事件にも耐えうるためには、やはりスケーラビリティ問題の解決が急務となるでしょう。

CoinPostの関連記事

イーサリアム創業者Vitalik氏:スケーラビリティ問題解決へ向けPlasma Cashを発表
イーサリアム創業者のヴィタリック氏が、昨年夏に発表されたスケーリング技術Plasmaをより軽量化する「Plasma Cash」を発表しました。これによりイーサリアムはスケーラビリティ問題の解決へまた一歩近づいたと考えられています。
最高価格を更新し続けるイーサリアムの様々な技術的問題点
イーサリアムの価格が最高値を更新し続けていますが、様々な技術的問題点も存在しています。代表的な取引手数料(gas高騰)問題、ブロックチェーン同期問題、テストネットワーク問題について解説します。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/25 木曜日
15:00
ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る
仮想通貨取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は、世界各国で法定通貨の供給量が拡大し続ける中、ビットコインをはじめとする仮想通貨の強気相場は今後も継続するとの考えを示した。
13:20
2028年の半減期に向けてビットコイン価格など5つの予測=Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は次の半減期までにビットコインに起こる5つのことを予想。ビットコイン価格は約3,880万円以上になるとする予測も含まれる。
10:25
ビットコインの供給インフレ率、金を下回る=レポート
Glassnodeは4回目の半減期についてレポートを発表。ビットコインの供給インフレ率がゴールドよりも低くなり、希少性が増したと述べた。
08:15
zkSync基盤のWeb3ゲーム企業Tevaera、野村などから7.7億円調達
TevaeraはzkSync上でレイヤー3のゲームチェーンを立ち上げる予定で、年内に200万人のプレイヤーと12人のゲーム開発企業をTevaeraエコシステムに参加させようとしている。
07:00
ジャック・ドーシー率いるBlock、店舗売上をビットコインに変換へ
新たに導入する予定の機能は「Bitcoin Conversions」というもので、Cash Appのアカウントを持つSquareのユーザーは、店舗収益の最大10%を仮想通貨ビットコインで受け取ることができるようになる。
06:10
米司法省、バイナンス創業者CZ氏に懲役36ヶ月求刑
仮想通貨取引所バイナンスの元CEOのCZ氏は自分の「不適切な決断」を謝罪し、自分の行動の全責任を受け入れる内容の手紙を2月に提出した判事へ提出したことが明らかになった。
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧