【確定申告特集1】知っておきたい仮想通貨にかかる税金を税理士が解説
以下、Aerial Partnersの藤村 大生税理士より寄稿いただいた文章です。
導入
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、主要な暗号資産(仮想通貨)の価格が高騰し、2020年度は仮想通貨市場が大きく盛り上がった年となりました。過去の年度と比較して利益が出ている方が増えているかと思いますが、ここで気になるのが税金です。
仮想通貨取引での所得について、どのような税金がかかるのか、税務に詳しくない方にもわかりやすく説明していきます。
仮想通貨取引での所得には税金がかかり、確定申告が必要になる
仮想通貨取引による所得には、原則として雑所得に区分され、税金がかかります。雑所得の特徴については後ほど説明していきますので、まずは仮想通貨投資家がどのようなケースで確定申告が必要になるのかを確認していきましょう。
確定申告が必要になるケース
一般的な会社員は、源泉徴収や年末調整によって納税をしているため、確定申告が不要な方が多いです。
しかし、以下のケースに当てはまる場合は確定申告を行う必要があります。
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- 給与収入が年間2,000万円を超える人
- 給与所得や退職所得以外の所得金額(仮想通貨による所得を含む)の合計額が20万円を超えている人
- 給与を2か所以上からもらっている人
- 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の適用を受ける人(初年度のみ確定申告が必要)
- 雑損控除、医療費控除、寄付控除の適用を受ける人(ただし、ワンストップ特別制度により、ふるさと納税の場合で寄付先が5自治体以内であれば確定申告は不要
- 配当控除の適用を受ける人
- 同族会社の役員などで、その同族会社からの給与以外に貸付金の利子や資産の賃貸料を受けている人
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仮想通貨による所得が関係するのは2ですので、仮想通貨取引による年間の所得額が20万円を超えている場合は、確定申告が必要になる可能性があります。
仮想通貨にかかる税金はどんな特徴を持っているのか
確定申告について説明しましたが、ここからは仮想通貨取引による所得(雑所得)にかかる税金の特徴について解説していきます。
【総合課税】給与所得などの所得金額の合計額に課税される
仮想通貨取引による所得は、給与所得など、他の所得と合算した金額に対して税率がかけられます。
税率は、所得が多いほど高くなる累進課税となっていて、5%~45%の7段階に分かれています。住民税も合わせると最大で約55%の税率が課されます。
(参照:国税庁 所得税の税率)
これに対して、FXによる所得や株式の譲渡による所得は申告分離課税になるため、他の所得金額と合計せずに分離して税額を計算します。
【損益通算禁止】仮想通貨取引で損失が出た場合、他の所得と相殺できない
年間の仮想通貨取引で損失が出ている場合でも、給与所得と合算して相殺(損益通算)することはできません。
しかし、同じ雑所得に区分される所得同士なら損益通算が可能です。
【損失の繰越控除禁止】生じた損失は翌年以降の利益と相殺できない
上場株式などの取引を行っていて損失が出た場合は、損失を最大3年間繰越すことができ、翌年以降の利益から控除することができますが、仮想通貨取引で発生した損失は、翌年以降に繰り越すことができません。
まとめ
仮想通貨の税金・確定申告の基本的な部分について説明してきましたが、確定申告を行ったことがない場合は分からないことや不安に感じる点が多いと思います。
まずは、1年間の正確な損益額を計算して確定申告が必要かどうかの判断を行うところから始めてみましょう。Gtaxなどの仮想通貨の損益計算サービスを活用すれば、税務や会計に関する詳しい知識が必要なく、年間の損益額を確認することができます。
その上で分からないことや不安に感じる点がある場合は税務署や税理士に相談することをおすすめします。
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【確定申告特集2】課税の対象となる利益はいつ発生する?損益発生のタイミングについて
【確定申告特集3】仮想通貨の損益計算 移動平均法・総平均法について解説
企業情報
企業名:株式会社Aerial Partners(https://www.aerial-p.com/)
設立:2016年12月27日
代表者名:沼澤 健人
グループ会社:Aerial法律事務所/Atlas Accounting/税理士法人堀口会計
運営サービス:Gtax(ジータックス)、Guardian(ガーディアン)
事業概要:仮想通貨損益の自動計算ソフト『Gtax』、税理士紹介&仮想通貨取引の損益計算サービス『Guardian』などの開発
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