- クローチャー申請、依然未提出
- 上院は7日から休会入りへ
採決見送り継続
米上院は6日、包括的な仮想通貨市場構造法案「クラリティー法案」の審議入りに向けたクローチャー(討論終結)申請を、依然として提出していないことが伝えられた。
米上院多数党院内総務のジョン・スーン氏は、昨日同法案の手続き投票を実施する意向を示したと、Punchbowl Newsが報じた。しかし、6日時点でもクローチャー申請は行われておらず、7日から始まる約1カ月間の夏季休会入りまでに採決へ動ける時間は24時間をすでに切っている。
ザ・ブロックによると、民主党の上院スタッフは、クラリティー法案の動きが「完全に停滞している状態」にあると指摘。同スタッフによると、民主党側は倫理規定、違法金融対策、上院農業委員会の条文取り込みという3点を主な懸案として注視しているという。
関連記事:米上院、クラリティー法の初回投票見込まれるも先行き不透明
米上院のスーン院内総務は4日、クラリティー法の初回投票を来週休会前に行う見通しだと述べた。倫理条項を巡るホワイトハウスの回答は依然示されておらず、仮想通貨市場は法案の行方を見極める展開が続く。
倫理規定が最大の対立点
倫理規定に関しては、トランプ大統領の仮想通貨関連事業の扱いが主要な争点の一つとなっている。
共和党のトム・ティリス議員と民主党のルーベン・ガレゴ議員は、先週倫理規定に関する妥協案をホワイトハウスに送付したが、ホワイトハウスは倫理規定に関する取材に回答していない。この妥協案は、公職者本人とその配偶者による仮想通貨の発行・スポンサー活動を禁止する一方、他の家族には適用されず、2029年1月をもって規定の効力を失う期限付きの内容(サンセット条項)となっている。
ザ・ブロックによると、前出の民主党スタッフは、州司法長官による執行権限の付与や資産の売却規定を条文に含めるべきだと主張し、サンセット条項には反対の立場を示した。同氏は、大統領や副大統領、議員全般に適用される「永続的な」規定であるべきだと述べた。
違法金融対策も争点に
違法金融対策も懸案の一つとなっている。ザ・ブロックによると、民主党のキャサリン・コルテス・マストー議員はクラリティー法案が法執行機関や消費者保護の観点で不十分だとの懸念を繰り返し示してきた。
全米保安官協会などの法執行団体は、DeFi(分散型金融)を含む主体への反マネーロンダリング規定・制裁法・顧客確認(KYC)規定の適用除外が広すぎると指摘している。仮想通貨業界側は、こうした指摘は分散型金融に対する法案の設計を誤解しているとの立場を示した。
関連記事:米上院、クラリティー法にスポーツ賭博の州管轄条項追加を要求
米上院インディアン問題委員会で先住民ゲーミング団体がクラリティー法にスポーツ賭博の州管轄条項を明記するよう求めている。法案自体は倫理条項を巡る対立で休会前の採決実施も不透明な状況が続いている。
採決の行方
投資銀行TDコーウェンのワシントン・リサーチ・グループを率いるジャレット・ザイバーグ氏は5日、倫理規定と法執行機関の懸念を理由に慎重な見通しを示し、法案の審議入りに必要な60票に上院は10票ほど不足している可能性があると分析した。
休会前に最終採決へ持ち込む方法は、休会を1週間延期するか、全会一致による規則の適用除外しかなく、いずれも実現性は低いとの見方を示した。仮想通貨反対派のエリザベス・ウォーレン議員が採決の迅速化にあらゆる形で反対するとみられることも要因に挙げた。
また、仮想通貨政策ジャーナリストのエレノア・テレット氏によると、米上院は6日、仮想通貨とは別件の大学スポーツ関連法案の審議入りに向けたクローチャーを申請した。この動きがクラリティー法案について超党派の合意がなお成立していないことを示すものだと指摘した。
解説記事:ジーニアス法とクラリティー法案の違いとは?米国の仮想通貨2大法案をわかりやすく解説【2026年最新】
米国の暗号資産規制を担う「ジーニアス法(GENIUS Act)」と「クラリティー法案(CLARITY Act)」。ステーブルコイン発行者を規制する成立済みのジーニアス法と、SEC・CFTCの管轄を整理する審議中のクラリティー法案の違いを、比較表とともに初心者向けに解説します。



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