ビットコイン最高値更新も、BTC投資信託で細る資金流入|CoinPost週次レポート
ビットコイン、最高値付近に回復
3月第2週の暗号資産(仮想通貨)市場。前週は大荒れ模様だったビットコイン(BTC)は再び過去最高値を更新するまで回復。コロナの感染拡大で金融市場が大幅安となった「コロナショック」から1年となる中、ビットコイン市場は当時の安値から1200%を超える水準までに至っている。
週初めには中国で人気な自撮りアプリを展開する「美図」社が約43億円相当の仮想通貨を購入。中華系企業のビットコイン参入に注目が集まった。
NY株式相場も、米追加経済対策の実現を受けた買いが先行し、リスクオンムードを映す中、長期的なインフレ懸念が燻る金融市場で、ヘッジ手段として注目が集まるビットコインは根強い買いが続いた。
2,000ドルの最高値を付けた後、過去2週間は下降気味だった時価総額2位のイーサリアム(ETH)も反発。来月中旬に大型アップグレード「ベルリン」を控えている点や、美図のETH購入報道、また大口の買い集めやテクニカル的な要因が相まり再び上場傾向が戻った感がある。
関連:イーサリアム20万円の大台回復、「強気相場」再開に4つの背景
海外仮想通貨取引所BitfinexのCTO分析(寄稿:Paolo Ardoino)
美図のビットコインとイーサリアム購入報道により、テスラ社やマイクロストラテジー社のようにアジアにおける企業が仮想通貨を企業資産として保有するケースが増えるかもしれない。そうした場合、アジアの仮想通貨市場の成熟を見た個人投資家からの関心が増えるだろう。
特筆すべきは美図がブロックチェーン技術を事業に導入しようと計画している点だ。アジア地域、特に新興市場における仮想通貨領域のイノベーションと促進が見られるかもしれない。
時価総額TOP20銘柄
今週8日、香港証券取引所に上場する中国企業「Meitu(美図)」が、財務準備資産を利用してビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を購入したことを発表。この影響などによりイーサリアムは、前日比4.57%高の18万7千円を付け、1700ドル台を回復した。
またNFTの市場規模拡大に伴い、エンジンコイン(ENJ)が過去最高値を更新している。
関連:2015〜2020年、仮想通貨「時価総額TOP20」の顔ぶれと変化
ビットコインのオンチェーンデータ
ビットコインのオンチェーンデータ分析は以下の通り。
BTCハッシュレート推移とチャート
今週は2021年3月5日から2021年3月12日の期間を対象に、BTCのハッシュレート(採掘速度)および価格について分析を行なった。
BTCハッシュレート(採掘速度)について
最低値:約154.1TH/s(前週比 103.9%)2021年3月2日
最高値:約156.5TH/s(前週比 100.1%)2021年3月3日
BTC価格について
最低値:約504万円(前週比 109%)2021年3月5日
最高値:約627万円(前週比 111.9%)2021年3月12日
今週、ハッシュレートの急激な上昇と共にビットコイン価格は緩やかな上昇をみせ、価格は年初来最高値である約627万円を記録した。
アクティブアドレス
今週のアクティブアドレス数は、全体を通して減少ぎみだったものの、11日のBTC価格の反発を受け、やや上昇傾向に転じた。
イーサリアムのオンチェーンデータ
グレースケール新規流入
今週の購入枚数
BTC:-256BTC(累計約65万BTC)
ETH:-1484ETH(累計約317万ETH)
先週に続き、ビットコインの購入枚数はやや減少。先週はプラスのイーサリアムについても、今週はマイナスへと転じた格好だ。
ステーキング額
ステーキング額:349万ETH(前週比:+2% [342万ETH])
ガス代
ガス代とは手数料の一種で、送金を行った場合、マイナーがデータ計算処理をした報酬として、その手数料を受けとる。
活況なNFT市場の影響を受け、イーサリアム(ETH)のガス代は上昇傾向にある。
平均ガス代:171.78 Gwei(前週比:+73%[99.20 Gwei])
DeFi(分散型金融)
TVL(Total Value Locked)は、DeFiプロトコルへ預入れされた仮想通貨資産の総ロック額を指す。
TVL:423.6億ドル(約4.6兆円)
Makerドミナンス:16.09%
関連:DeFi(分散型金融)とは? 特徴と仕組みを初心者にもわかりやすく解説
クリプト指標
日程 | 指標 |
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3/15 |
Symbol メインネットローンチ日 |
3/15 |
仮想通貨イーサリアムの処理性能改善策「オプティミズム」が実用化へ |
3/17 | 仮想通貨取引所ビットバンク(株)、ベーシックアテンショントークン(BAT)上場を発表 |
3/17 | 仮想通貨取引所ビットポイントジャパンは、国内初のトロン(TRX)新規上場を発表へ |
3/16~3/18 | 日本マーケティングで日経産業広告社と連携 |
Symbol メインネットローンチ日
2021年3月15日
新通貨Symbol(XYM)は3月15日(月)にローンチを予定しており、実施されたスナップショットを基準に、XEM保有量に応じて1対1の比率で配布される。
Symbolとは、NEM Group Ltdが開発を行っているNEMブロックチェーンの大型アップデートによりローンチされるブロックチェーンであり、以前は「Catapault(カタパルト)」と呼ばれていた。
関連:ネム、新通貨Symbolに向けたスナップショットとファイナライズ完了
仮想通貨イーサリアムの処理性能改善策「オプティミズム」が実用化へ
2021年3月15日
レイヤー2プロジェクト「Optimism(オプティミズム)」が実用化に向かって進んでいる。
「事前版メインネット」というトライアル版の実施を1月15日に開始しており、DeFi(分散型金融)プラットフォーム「Synthetix」に導入された。メインとなるパブリック版のメインネットのリリースに関しては、3月15日を予定している。
また、Synthetixのほか、UniswapやChainlinkもOptimismの技術導入を試行する計画を発表している。
関連:仮想通貨イーサリアムの処理性能改善策「オプティミズム」が実用化へ
仮想通貨取引所ビットバンク(株)、ベーシックアテンショントークン(BAT)上場を発表
2021年3月17日
2021年3月17日、ビットバンク(株)はベーシックアテンショントークン(BAT)の上場を発表。また同社サービスの、「暗号資産を貸して増やす」においてもBATの募集を開始する予定である。
また、BATの取扱を記念し、BAT/JPYおよびBAT/BTCの取扱手数料無料キャンペーンの開催も予定している。(2021年3月17日~2021年6月18日午前9時59分まで)
関連:仮想通貨取引所bitbank、BAT(ベーシックアテンショントークン)の新規取引扱いを発表
仮想通貨取引所ビットポイントジャパンは、国内初のトロン(TRX)新規上場を発表へ
2021年3月17日
仮想通貨取引所ビットポイントジャパンは、トロン(TRX)の新規上場を発表。取扱開始は2021年3月17日午前11時からの予定。(Bitpoint Proでの取扱は4月以降を予定している)
関連:仮想通貨取引所ビットポイント、国内初のトロン(TRX)新規上場を発表
日本マーケティングで日経産業広告社と連携
2021年3月16日~2021年3月18日
2021年3月16日から3日間に渡って開催される、金融庁と日経共同主催のFIN/SUMが開催される。
FIN/SUMでは、NEMグループCEOの基調講演や、ブロックチェーンをテーマにしたワークショップを主催を予定している。
関連:ネム、日本マーケティングで日経産業広告社と連携 金融庁と日経共同主催のFIN/SUMに参加へ
前週の週次レポート:ビットコインは大荒れ模様、時価総額TOP20前週比ではネムとユニスワップ(UNI)の上昇目立つ|CoinPost週次レポート
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関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説|寄稿:Bit仙人
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