仮想通貨企業初、米コインベースが「フォーチュン500」にランクイン

仮想通貨企業初のランクイン

米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは、米フォーチュン誌の企業番付「フォーチュン500」に、仮想通貨企業として初めてランクインした。

フォーチュン500は1955年から続く企業番付で、年間の収益によって順位が決定する。500位以内に入ればどんな企業でも選出されるわけではなく、今回は約8,100億円(64億ドル)以上の収益があることもランクインの条件になっていた。コインベースの2021年の収益は約9,800億円(78億ドル)で、順位は437位だった。

フォーチュン誌は、コインベースは創業から10年以内となる2021年4月に、株式上場を果たしたことで大きな注目を集めたと説明。「仮想通貨の冬の時代」にフォーチュン500にランクインしたと述べている。

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現在は仮想通貨市場の低迷によってコインベースは事業に苦しんでおり、2022年は厳しいスタートになっているとも指摘。一方で、NFT(非代替性トークン)の電子市場をローンチしたことで、収益の多様化に挑戦しているとした。

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フォーチュン誌は、2020年はコロナ禍の影響で企業の収益は減少したが、今回ランクインした企業は2021年、記録的な水準まで収益を回復させたと説明している。

コインベースの業績

コインベースの収益の大半は、取引で徴収する手数料。仮想通貨市場が低迷して取引が少なくなれば、それだけ収益も減少する。今月の2022年1Q(1月~3月)の決算報告では、約550億円(4.3億ドル)の純損失を計上しており、株主通信で「昨年後半から始まった、仮想通貨価格の下落(金融市場の市況悪化)とボラティリティの激しい市場環境が、1Qの業績に直接影響した」と説明した。

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テラ(LUNA)の価格暴落やステーブルコイン「テラUSD(UST)」のディペッグなどの影響で現在も仮想通貨市場は低迷したままだが、コインベースは前向きに事業を継続しようとしている。長期的な視点で事業を行うとしており、株主通信では「現在のようなボラティリティの低い時期は、製品開発に集中する機会となる」と説明した。

ディペッグとは

ステーブルコインの価格が、連動する資産の価値から乖離すること。1UST=1ドルとなるよう設計されているUSTの価格は、本記事執筆時点で0.06ドル付近を推移している。

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先週には同社のプロダクト責任者Surojit Chatterjee氏が事業計画について説明。今後は収益を生む重要なプロダクトを中心に事業を行うとし、個人投資家や機関投資家の取引やステーキングのサービス等に注力するなどと述べている。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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