- 日本政府がデジタル通貨(e円)の発行を検討中
- 安倍首相の答弁から様々な観点(利便性や安全性、金融システムへの影響等)から検討している段階であることが再確認出来ました。
- 世界各国でデジタル通貨の発行について議論されている
- ロシアや中国、イギリスなどの先進国でも議論が進んでいます。また、日本でも2016年11月に日銀が「中央銀行発行デジタル通貨について― 海外における議論と実証実験 ―」という資料を公開していることから、以前より検討していたことが分かります。
日本政府が中央銀行によるデジタル通貨発行の可能性について検討していく旨の答弁が返ってきた、と話題になりました。
世界各国で自国のデジタル通貨の発行が研究・検討されている中、日本円のデジタル通貨発行に関する質問主意書を安倍内閣に提出し、本日答弁書を頂戴しました。
閣議決定を経て安倍晋三首相名の答弁の中に、日本政府として中央銀行によるデジタル通貨を発行する可能性について検討してまいりたいという答弁が返って参りましたので、皆様にもご報告させていただきます。
情報引用元:BLOGOS
世界各国でデジタル法定通貨が検討されている
国家によるデジタル通貨の発行は世界各国で注目度を高めています。
例えばウルグアイでは希望者一万人に対して「eペソ」を発行して試験運用を実行済みです。
他にもスウェーデンやドバイ、更にはイギリス、ロシア、中国など先進国でもデジタル法定通貨の研究は進められています。
中国は仮想通貨をほぼ禁止状態にまでしていますが、「自国資産の国外流入」を嫌っている可能性が高く、非中央集権型ではない自国で管理できるものに関しては前向きに検討している、と見られています。
また、仮想通貨「禁止」ではなくルールを整える「規制」を進めるロシアは、2017年10月にプーチン大統領が法定仮想通貨の発行を指示しています。
その後2018年1月には法定仮想通貨「クリプトルーブル」の法案がロシア議会に提出されています。
安倍首相の答弁などから判断する日本政府のブロックチェーン技術に対する姿勢
今回の答弁で、日本政府はデジタル通貨の発行を様々な観点(利便性や安全性、金融システムへの影響等)から検討している段階であることが再度確認出来ました。
他国のデジタル通貨への取り組みや、その研究についてはまだまだ調査不足に聞こえるような答弁でもありました。
しかし、2016年11月には既に日銀によって「中央銀行発行デジタル通貨について― 海外における議論と実証実験 ―」という報告書が公開されています。
その中では、ブロックチェーン技術に対してこのように述べられています。
ブロックチェーン・DLT は、「中央に特定の帳簿管理主体を置くかわりに、複数の参加者による『分散型』での帳簿管理を可能とする技術」と捉えることが妥当である(図表1)。
したがって、この技術の応用範囲は仮想通貨にとどまるものではなく、各種の財産権の管理など、幅広い応用が可能と考えられる。
この文書の中では「デジタル通貨発行」の括りだけに止まらず、他の活用方法やその参考として各国の対応についてもまとめられています。
また、「シンガポールで現金や小切手といった紙ベースの決済手段の利用に伴うコストは GDP の 0.52%に達すると試算された」こと、各国でキャッシュレス化が進んでいることにも触れられています。
読みやすくまとめられていますので、興味のある方は上記資料を一読することをおすすめします。