仮想通貨ウォレットがAppStoreのトップに
ソラナ(SOL)基盤の暗号資産(仮想通貨)ウォレットPhantomが、アップル社App StoreのiPhone向け無料ユーティリティ・アプリ部門(米国版)で1位を獲得。GoogleやGoogle Chrome、Google認証システム、Microsoft Edgeなどの主要アプリを抑えてトップに立った。
また、Phantomは、iPhone向けの総合無料アプリランキングでも5位に躍進し、短編動画共有アプリTikTok(12位)やメッセージアプリWhatsApp(16位)、大手SNSのInstagram(24位)を抜いた。
Phantomは11月12日に米国版App Storeで377位だったが、この1週間で急上昇。昨日トップ10入りを果たすと、瞬く間に順位を駆け上がった形だ。
仮想通貨ウォレットがApp Storeで急速に存在感を増す中、コミュニティからは、Web3が主流になりつつあることの証だとの声が上がっている。
ダウンロードの急増要因には、需要の高いミームコイン取引や、DeFi利用の堅調的な増加といった背景がある。ソラナチェーン上の週間取引手数料はイーサリアムを超えている。
Phantomウォレットとは
Phantomウォレットはユーザーが自身で秘密鍵を保管する自己管理型(非カストディアル型)ウォレット。各種トークンの保管が可能で、dAppsの検索やアクセスが簡単に行えるため、取引をスムーズに実行できる。マルチチェーンにも対応しており、使い勝手が良いという特徴を持つ。
また、継続してユーザーに使いやすい機能を追加し利便性を高める努力も怠らない。
- 2024年 6月:トークン銘柄の価格チャートを導入(時価総額、価格推移、トークン保有者数)
- 2024年 10月:トークンに関する売買リンクをSNSでシェア可能に
Phantomは元々、ソラナ用に作成されたが、その後イーサリアムやポリゴンなど他のブロックチェーンへサポートを拡大。2023年には、ビットコインOrdinalsやBRC-20標準など新たな種類のトークンへのサポートを開始し、ビットコインブロックチェーンにも対応している。
Phantomは、著名な投資家(Paradigm、Andreessen Horowitz、Jump Capital、Solana Labs等)から支援を受けており、開発チームへの信頼性と持続可能性が高く評価されている。
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復元フレーズのバックアップを推奨
人気の高まるPhantomだが、14日には一部のiOSユーザーでアプリのリセット問題が発生。アプリの最新アップデート後に一部のユーザーが自動的にログアウトされ、ウォレットへアクセスできなくなる事象が観測された。
特にシードフレーズ(復元フレーズ)をバックアップしていないユーザーに影響が出たとみられる。
Phantomは公式SNSで、影響を受けた場合は復元フレーズを使ってウォレットの復元が可能だと発表すると同時に、影響が広まることを防止するため、アップデートをリリースしたと付け加えた。
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ソラナdAppsで記録的な手数料収入
AppStoreでのPhantomウォレットの台頭と時期を同じくして、ソラナ上の分散型アプリ(dApps)における活動が活発化し、記録的な手数料収入につながった。
分散型金融(DeFi)分析プラットフォームDeFiLlamaの11月18日のデータによると、ソラナ基盤のプロトコルが、24時間あたりの手数料収益で上位10位にランクインしたプロトコルの半分を占めた。
- リキッドステーキング大手Jito : 987万ドル(約15.3億円)
- 自動マーケットメーカー Raydium : 1,130万ドル(約17.5億円)
- テレグラム・トレーディングボットPhoton : 236万ドル(約3.6億円)
- ミームコイン市場 Pump.fun : 165万ドル(約2.5億円)
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