手数料収入が120億円に
ソラナ(SOL)の大手リキッドステーキングJitoは、10月に手数料として過去最高となる7,892万ドル(120.8億円)の収益を上げ、LidoやUniswapなど分散型金融(DeFi)大手の収益を上回った。
Jitoは5月に、手数料3,945万ドル(約60.4億円)を達成。過去最高を記録したが、今回はその2倍の収益を上げたことになる。
リキッドステーキングとは
仮想通貨のステーキング金利を受け取りながら、その代替資産(ステーキング証明トークン)を運用できるDeFi(分散型金融)の仕組み。
従来はロックアップされてきた資産の流動性(Liquidity)を解放できる利点がある。最大のサービスプロバイダーLido Financeでは、ETHをステークして債権トークンstETHを受け取り、レンディングの担保としたりDEX(分散型取引所)等で運用できる。▶️仮想通貨用語集
Jitoは、MEV報酬とステーキング報酬を組み合わせたソラナブロックチェーン初のリキッドステーキングサービス。MEVとは「Maximum Extractable Value=最大抽出可能な価値」の略で、ブロックチェーン上でのトランザクション順序を並べ替えることで得られる追加収入のことを指す。
MEV報酬モデルを取り入れたJitoが、月額手数料ランキングでDeFiのトップとなったことで、DeFiにおける収益モデルの転換点となる可能性がある。
Jito成功の要因
Jitoの高い収益性は、ステーキング報酬とMEV報酬という二つの収益の柱からもたらされている。
JitoでSOLをステーキングすると、Jitoの合成トークン「JitoSOL」が生成される。ユーザーは、預け入れたSOLの量に応じて、ステーキング報酬を受け取るとともに、発行されたJitoSOLを使って売買やDeFiでの運用が可能だ。
また、Jitoでは、本来ならマイナーやバリデータが獲得するMEV報酬も、ステーキングしたユーザーに支払われる。
Jito Labsは、MEVの競争を可能にするオープンソースのバリデータクライアントJito-Solanaを開発。トレーダーが入札を提出し、各ブロックで最高入札者がMEVトランザクションにアクセスできるようにした。
MEV報酬はMEV抽出に関連するトランザクション収益から得ることができる。
活発化するソラナ上の活動
Jitoの収益の急増は、ソラナブロックチェーンでの活動が活発化したことも大きく影響している。
ソラナでは、ミームコインをはじめとする新規トークンの取引が活発で、取引量が大幅に増加した結果、MEV抽出の機会も増大。Jitoの収益増加につながった。
なお、MEV抽出の機会は、ミームコインに代表される高頻度の取引量に大きく左右されることから、ミームコイン市場の需要が低下すると、Jitoの収益に影響を与える可能性がある。
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ソラナの手数料が激増
ソラナの10月の手数料収益は過去最高を記録し、ビットコインの月間手数料を上回った。
Token Terminalのデータによると、ソラナの月間手数料収益は7,949万ドル(121.7億円)だったのに対し、ビットコインは4,635万ドル(70.9億円)だった。
なお、イーサリアムの月間手数料は1億3,409万ドル(205.3億円)だった。
しかし、週次や日次で見ると、ソラナのネットワーク手数料はイーサリアムを超えるケースも出てきている。
ブロックリサーチによると、ソラナは7月に週次総手数料で2,500万ドル(38.2億円)を記録し、イーサリアムの2,100万ドル(32億円)を上回った。
また、ソラナは10月28日、24時間で254万ドル(3.8億円)の手数料収益を上げ、イーサリアムの207万ドル(3.1億円)を上回った。
基本料金、優先料金、チップなどを含むすべての収益を合計したネットワーク収益では、ソラナは10月23日、870万ドル(13.2億円)の過去最高記録を達成した。
ソラナへの預け入れ総額(TVL)も急増しており、FTX破綻直後の2023年初頭に2億5000万ドル(382億円)未満だったTVLは現在回復しており、68億ドル(1兆391億円)を超えている。
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