ソラナのDeFiが好調
暗号資産(仮想通貨)分析企業Messariは1日、ソラナの7~9月期の状況についてレポートを発表した。
ソラナ(SOL)におけるDeFi(分散型金融)の預け入れ総額(TVL)は前四半期比で26%増加して57億ドル(約8,720億円)となった。9月下旬にはトロンを上回り、様々なブロックチェーンのなかでもTVLで3位にランクインした。
ソラナ建てのDeFi TVLは前四半期比20%増加して3,700万 SOLとなっている。なお、DeFiLlamaによると、記事執筆時現在でソラナのTVLはイーサリアム、トロンに続く3位で約60億ドル(約9,180億円)だ。
特に、Kamino FinanceのTVLが前四半期比57%増加して、15億ドル(約2,300億円)に達し、ソラナのDeFiの中で26%の市場シェアを獲得し、トップに立っている。この成長は、ステーブルコインPYUSDとステーキング関連トークンjupSOLがプラットフォームに追加されたことに牽引された。
米国の仮想通貨投資会社Canary Capitalは10月30日、ソラナ現物ETF(上場投資信託)の申請書を、米証券取引委員会(SEC)に提出。その際は、ソラナのDeFiの成長性を強調していた。
ソラナのdApps(分散型アプリ)によるオンチェーン収益は10月に3億ドル(約460億円)に到達しており、これはすべてのブロックチェーンのdApps市場で45%のシェアに当たる。イーサリアムやそのL2を合わせた額よりも多かった。
solana's chain gdp reached a new ath in october, both in absolute terms ($300M) and in market share (45%).
— Peter Horton (@ph0rt0n) November 1, 2024
chain gdp takes the sum of all fees collected by projects on a network.
in october, solana projects collected more fees than projects on ethereum and its L2s combined. pic.twitter.com/lXu6Qv5IDH
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ステーブルコイン時価総額も上昇
Messariは、ソラナ上のステーブルコイン時価総額が前四半期比23%増加して38億ドル(約5,800億円)となったことも指摘している。様々なブロックチェーンの中でも5位にランクインした。
ペイパルのPYUSDがソラナに導入されたことも一因となっている。ペイパルは5月、イーサリアムに続いてソラナでもPYUSDを発行開始。9月30日時点で、PYUSDのソラナ上の流通時価総額は3億3,100万ドル(約507億円)で、前期比で341%増加した。
PYUSDの供給量増加の背景には、KaminoやJupiter、Orcaが採用したこともある。
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ただし、依然としてUSDCがソラナ上では支配的なステーブルコインであり続けており、ソラナ上の時価総額は前四半期比18%増の25億ドル(約3,800億円)に達した。
プロジェクトの資金調達も盛ん
7~9月の四半期には、ソラナで構築された合計29件のプロジェクトが資金調達ラウンドを発表し、合計で1億7,300万ドル(約265億円)を調達した。
ラウンド件数は前四半期比で37%減少したが、調達額は前四半期比54%の増加で、2022年4~6月期以来で、四半期あたりの資金調達額としては最高となった。
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