- 自動車のビッグデータブロックチェーン技術
- BMW社がブロックチェーン技術の開発を行うスタートアップとの提携を発表しました。当プロジェクトでは、コネクテッドカーの発展に向けたデータ処理にブロックチェーン技術を利用する考えです。
- BMW社のブロックチェーン技術への積極的な取り組み
- 同社はcarVertical社との提携だけでなく、過去にも様々なブロックチェーン企業との提携を発表しています。
BMW社がブロックチェーンのスタートアップと提携
newsbtcは、独自動車大手メーカーのBMW社と、ブロックチェーン技術開発を手がけるスタートアップのcarVerical社が提携を結んだと報じました。
自動車産業におけるブロックチェーン技術開発を手がけるスタートアップの「carVertical」は、2017年12月26日にICOを開始し、イーサリアム上でcVトークンを発行しました。
carVerticalでは、自動車に関わるさまざまな情報をブロックチェーン上で処理できるシステムの構築を目指しており、主に以下の2点、(1)コネクテッドカー(ネットワーク接続の機能を有する自動車)から得られる生のストリーミングデータ、(2)自動車が保有する過去の履歴データ を対象にデータが収集されます。
BMWは、従来からコネクテッドカーの発展に向けた開発基盤を保有しており、データ交換を行うためのインフラを提供することが大きな強みです。
今回の提携では、走行距離や燃料消費、イベントデータといった様々なデータが、BMW車に内蔵されたSIMカードを介して送信されます。
データは暗号化され、顧客の同意を得てcarVertical社が車両の履歴データにアクセスすることができ、セキュリティが担保されています。
また、このシステムを動作させるためには、そのBMW車にSIMカードが内蔵されている必要がありますが、およそ850万台の車両がこの条件を満たしています。
carVerticalの今回の動きは、同社におけるIoTビジネスの確立に向けた第一歩であり、将来的には独自の車両を開発することも視野に入れているとのことです。
VeChainとの提携
2/26、VeChain Thor(リブランディングによりVeChainから改名)のリブランディングが発表され、独BMW社とのパートナーシップを締結したことが発表されました。
VeChain Thorは、製品のクオリティ、信ぴょう性を追跡することで、サプライチェーンの管理システムを提供することを試みたブロックチェーン企業です。
今回の両社の提携では、自動車の修理履歴や、過去のドライバの特性などを同社の技術により追跡することをサポートする見込みです。
ブロックチェーン技術を用いた貴金属の証明
ロイター社によると、ロンドンに拠点を構えるスタートアップのCirculor社がBMW社と提携し、ブロックチェーン技術を自動車に使われる貴金属の証明に活用することを同スタートアップのCEOが発表しました。
両社は電気自動車のバッテリーに必要不可欠なコバルトに注目し、その鉱物が正当に発掘されたものであることを証明するためにブロックチェーン技術の活用が見出されました。
自動車のバッテリーに使用されるコバルトは全供給量のうちおよそ2/3がコンゴ民主共和国で採掘されています。
また、市場に回るコバルトの約1/5が規制の及んでいない鉱山で採掘されており、さらに児童労働を使用した不当な採掘なども大きな問題となっています。
ブロックチェーン技術の開発を手がける当スタートアップは、鉱夫と協力し、児童労働を使用していないことを証明するプロジェクトを開始しました。
本プロジェクトでは、クリーンなコバルトにバーコードを付与し、ブロックチェーン技術を用いて個体を識別し改ざん不可能なデータとして管理を行います。
この技術が電気自動車の製造コスト削減に繋がるかは未だ分かりませんが、規制順守のためのコストを大きく削減できる可能性を秘めています。