TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

米国でCLOUD法が成立|仮想通貨コミュニティは警戒モード

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CLOUD法が成立へ
世界中のデータへのアクセスを可能にする「CLOUD(Clarifying Lawful Overseas Use of Data)」法がアメリカで承認されました。『インターネットのユーザーを保護し、国際間での法律摩擦を回避すること』を目的としています。
批判も少なくない
しかし、この法案には「プライバシー侵害」など、さまざまな懸念点も多いため賛否両論が渦巻く事態となっており、BTCの著名人アンドレアス・アントノプロス氏をはじめ、アメリカ自由人権協会や電子フロンティア財団など、数多くの組織が対決姿勢を鮮明にしています。

複数の問題を抱える「CLOUD法」が成立

法執行機関が国境を超えたデータアクセス方法を規定する、法的な枠組み「Clarifying Lawful Overseas Use of Data(以下、CLOUD)法」が、1兆ドル(約104兆円)以上にも及ぶ、莫大な支出政策(連邦歳出法案)の奥深くに押し込められるような形で、ほぼ秘密裏に通過したことが話題になりました。

そこに議論の余地はなく、CLOUD法のメリットに対しての投票も行われていません。

しかし、周囲の反対を押し切ってでも、立法者は何千ページからなる法案を棄却し、政府閉鎖のリスクを負うべきでした。

CLOUD法は、「オンライン活動に限って国際的な法的処置を行うことができる」法案のため、仮想通貨コミュニティは大きな懸念を抱いています。

推進派の意見

アメリカ合衆国の上院仮議長を務める「Orrin Hatch」議員は、次のように解説しています。

「CLOUD法は、世界中のデータにアクセス可能な法的措置を行うツールの提供によって、不要な法的摩擦を避け、国際間協力を促すとともに、共通の枠組みを定める上で、法的措置や技術分野に存在し得る溝を埋めるメリットを生み出します。」

ここ数週間は、仮想通貨のプライバシーに携わる弁護士にとって、決して良い日々ではありませんでした。

悪名高き告発者「Edward Snowden」氏の暴露によれば、ビットコイナー達は、米国政府の盗聴及び、追跡を2013年以降一貫して受けているとされています。

今回の新しい法律の制定は、そんな米国政府に「オンライン上のプライバシーを監視する、より強い権力を与えることになった」と言っても過言ではありません。

またRand Paul議員は、全2232ページの読破を試みる、唯一の議員であることを証明しました。

「S. 2383/H.R. 4943 Clarifying Lawful Overseas Use of Data(データにおける法的な海外使用の明確化)」の部分、つまりCLOUD法に当たる部分が、書類の2201ページから2232ページにて確認されています。

これは、世界有数のIT企業である「Apple、Facebook、Microsoft、Yahoo!」の合法的な考え方と、1977年以降その地位に居座り続けている84歳のOrrin Hatch議員による、それぞれの法的思考を元に発案されました。

5社の共同声明は、以下のように述べています。

「新しいCLOUD法は、世界中のインターネットユーザーを保護するためのコンセンサスの高まりを反映しており、具体的な解決策として国境を超えたデータへのアクセスを提供する。」

「この超党派的な法律は、個人情報の権利を強化・保護するための重要な一歩であり、国際的な法律の摩擦を無くし、より安全に全ての人を保護するために必要な段階だ。」

Microsoftは、プライバシー侵害の係争に関与しており、2018年には内一つは最高裁判所まで上告されています。

裁判所では、Microsoftがアイルランドに保管しているDepartment of Justice(DOJ)のデータを司法省に提出すべきか否か、で争われています。

この事案は2013年から続いており、大手IT企業は、毎回のように訴訟を起こすよりも、国際コンプライアンスに関する国際法令遵守法を統一するルールを求めているのではないでしょうか。

これらのプラットフォームは、CLOUD法がプライバシーの保護と法的措置の妥協点となるのではないかと考えられています。

EFFとACLUは反対を表明

一方で、電子フロンティア財団(以下、EFF)は、完全に反対の立場を表明しています。

EFFは、合衆国憲法修正第4条の新規バックドアに関する法律によると、CLOUD法は下記を満たしていないことを主張しています。

「司法審査前に国外の法的措置を必要とする場合、米国警察は”盗聴法”に基づいて遵守しなければならない厳格な令状を必要とせずに、国外の法的措置へのリアルタイムでのアクセスや干渉を行うことが許可されます。」

「合意における、犯罪の分類及び、重要度に関する制限が定義されていないのです。さらに、どの個人が対象となり、その個人の居住国や個人が保有するデータの所在地も明確に定義されていません。」

アメリカ自由人権協会(ACLU)は、20を超えるプライバシー志向の組織と共同で、CLOUD法に関する警告を発表しました。

この法律は、

  • 外国政府がアメリカの法律を遵守せず、アメリカの国土上で盗聴が行われる。
  • 行政機関が国会の承認無しに、国際合意に至る。
  • 外国政府が得た情報を使用して、拷問などの人権侵害を行う。
  • 外国政府がアメリカ憲法の基準を満たさない形で、アメリカの個人に関連する情報を得ることが出来る。

という可能性を生み出してしまうリスクがあります。

さらに、仮想通貨(ビットコイン)業界における著名技術者である「アンドレアス・アントノプロス」氏も、以下のように言及しています。

「CLOUD法が可決された。

国際的にプライバシーを侵害するものであったため、$1.3兆(約135兆円)規模の連邦歳出法案に紛れ込ませることで、議論の余地を残させなかったのだろう。

暗号化、暗号化、暗号化。ダークに行こう。

プライバシーそのものが違法化(犯罪化)されてしまえば、犯罪者のみがプライバシーを持つことになりかねない。

我々は、またしても裏切られたのだ。」

実際に、暗号化はプライバシー志向を追求した結果なのです。

より良いプライバシー志向の通貨及び、暗号化方法の探求は、少々急を要することになるかもしれません。

Crypto Community Fears Passage of the CLOUD Act

Mar 26, 2018 by C. Edward Kelso

参考記事はこちらから
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/21 木曜日
17:00
BitwiseがソラナETF準備開始 デラウェアで信託登録完了
暗号資産運用大手Bitwiseが、ソラナ(SOL)ETF組成に向けデラウェア州で信託登録を完了した。VanEck、21Sharesに続く参入となる。
16:59
バイナンス、5種類の仮想通貨取引ペアを11月22日に取扱い中止
大手取引所バイナンスが、THETA/ETHやRARE/BRLなど5種類の仮想通貨取引ペアの取扱い中止を発表。11月22日12時より取引停止へ。各トークンは他の取引ペアで継続取引可能で、価格への影響も限定的。スポット取引ボットサービスも同時終了。
15:27
ビットコイン1500万円突破 ETFオプション解禁で資金流入加速
ビットコインが史上初めて1500万円を突破した。米国でETFオプション取引が解禁され、機関投資家の参入が加速。IBITへの1日1000億円規模の資金流入が継続する中、トランプ政権への期待も相場を押し上げる。バーンスタインは3100万円到達の強気予想を見立てている。
13:10
ソラナPhantomウォレット、米AppStoreの無料ユーティリティアプリ部門でトップに
ソラナ基盤のPhantomウォレットが米AppStoreで無料ユーティリティアプリ部門1位を獲得。無料アプリの総合部門でも5位に躍進した。
11:25
半導体大手エヌビディア決算報告 過去最高の売上高
エヌビディアが8~10月期決算を発表。売上高は再び過去最高を記録した。AI需要拡大で業績好調も、成長率の鈍化予想で株価は下落している。
11:05
米SEC、仮想通貨指数ETFの上場判断を延期
ゲンスラー率いる米国証券取引委員会は、米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンの仮想通貨指数ETF「EZPZ」の承認判断を延期した。
09:40
「仮想通貨は申告分離課税で20%に」国民民主党の玉木代表が与党に要望
国民民主党の玉木代表が仮想通貨税制改正を与党に要望した。雑所得から申告分離課税にすることを提案している。
07:50
テザーUSDTが3000億円分新規発行、市場に流動性注入
今週仮想通貨ビットコインの上昇に際し、ステーブルコインのテザー(USDT)が大量に発行されたことが明らかになった。
06:50
米上場のバイオ企業、ビットコイン財務戦略を採用
米上場のバイオ医薬品企業のHoth Therapeuticsは、最大100万ドル相当の仮想通貨ビットコイン購入を取締役会で承認した。
06:40
トランプ次期政権、史上初の仮想通貨特命官ポストを検討
トランプ次期大統領の移行チームは仮想通貨政策に特化した史上初の常勤のホワイトハウスポジションの設置を積極的に検討しているようだ。
06:20
マイクロストラテジー時価総額が米国トップ100に、ビットコイン史上最高値更新受け
仮想通貨ビットコイン続伸を受け、BTCを大量に保有する米マイクロストラテジー社の株価も続伸し、史上最高値となる504.7ドルに到達し米国で時価総額トップ100にランクインした。
11/20 水曜日
17:03
韓国の仮想通貨課税、2025年1月から導入見込み
韓国政府が2025年初頭から実施予定の仮想通貨課税について解説。免税限度額を250万ウォンから5000万ウォンへ大幅引き上げで、年間利益560万円未満は非課税に。取得価格不明時の代替計算方法導入など、投資家に配慮した新制度の詳細を紹介。11月下旬の法案可決を目指す。
14:00
BONK急騰、アップビットでウォンペア提供開始
韓国最大の仮想通貨取引所Upbitは20日にソラナ基盤の犬系ミームコイン「BONK」の新規上場を実施し、韓国ウォンの通貨ペアを新たに提供し始めた。
13:57
Ledger Stax・Flex完全ガイド|仮想通貨の高性能ハードウェアウォレットを徹底比較
10周年を迎えたLedgerの次世代ハードウェアウォレット「Stax」と「Flex」を詳しく解説。大画面タッチパネル搭載の最新モデルの特徴から、定番のNanoシリーズとの違いまで完全網羅。セキュリティと使いやすさを兼ね備えたウォレットの全貌を紹介しています。
13:20
マイクロストラテジー会長、マイクロソフト株主総会でビットコイン投資を提案へ
米マイクロストラテジー社のマイケル・セイラー会長が、マイクロソフト株主総会で3分間のビットコイン投資プレゼンを実施すると発表。ビットコイン投資は株主にとっても、株価を左右する重要な議題であり、総会で議論されるべきだと述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧