- イスラム教とビットコイン
- 今週、イスラム法学者が、ビットコインはイスラム法に準じるものであると発言しました。世界の23%、およそ16億人はイスラム教徒であり、巨大資本の流入が期待され、市場の新たなファンダメンタルズ材料となりました。
今週、イスラム法学者が、ビットコインはイスラム法に準じるものであるという見解を出したことが、大きな反響を呼びました。
これは12日の約1,000ドルもの価格上昇に至った要因の1つと見られ、仮想通貨市場に踏み出すのに懐疑的であった層に市場参入を促す形となりました。
イスラム教ではハラル?
世界の23%、およそ16億人はイスラム教徒であり、その大半はインドやインドネシアのようなアジア太平洋諸国に在住しています。
シャリーア法、俗に言うイスラム法は暴利と呼ばれる高金利でお金を貸し出す行為を禁止しています。
ビットコインの人気と高いボラティリティ(価格変動の度合い)による多額の損益マージンにより、イスラム法学者の間ではビットコインの使用・取引がハラル(イスラム法に準じるもの)であるかないか、長く論争が続いていました。
世界的に知られている宗教であることから、どう向き合うかは金融当局も大きな課題としており、昨年IMF(国際通貨基金)はイスラム金融の必要性について初めて正式な議論を交わしました。
イスラム金融とは
ムスリム(イスラム教徒を指す)向けのイスラム法に適った金融取引のことで、利子の受け取りが教典(コーラン)で禁じられている点が大きな特徴。また主な原則として(1)投機的取引の禁止、(2)不確実な取引の禁止、(3)禁忌的行為の禁止などがあります。
イスラム教では、イントリンジック・バリュー(本源的な価値)のある金、銀、塩などはコモディティ(一般化し差別化出来なくなったモノ)としても認められています。
不換紙幣(紙幣やデジタルマネー)の場合は本源的な価値のある資産で裏付けされていなければなりません。
または、社会や政府から通貨として許可されたものである必要があります。
ビットコインは資産としても通貨としても使用されるので判別が難しいですが、特定条件下でイスラム法に準ずるものとなり得るとの論文が発表されました。
イスラム教とビットコインに関する論文内容
4月10日火曜日に、ビットコインがハラル(準じるもの)かハラム(禁じられた)ものであるかについて言及した論文が発表されました。
この論文はジャカルタにあるBlossom Financeのシャリーア法アドバイザーオフィサーであるムフティー・ムハマッド・アブ・バカー氏から発表されました。
論文によると特定条件下において、ビットコインはハラルになり得るとの事です。
論文は例としてドイツとアメリカを挙げ、政府に法的通貨としてビットコインが認められているドイツではハラルであり、アメリカなど政府から認定されていなくても、多くの業者に支払い手段として受け入れられている場合も、イスラムの教えに準じていると発表しました。
シャリーア法の財産の保持に関しての強い理念は、ICOや激しく動く市場に否定的な意見を保っていましたが、ビットコインとブロックチェーン技術そのものはイスラム法に準じています。
例えば銀行の部分準備銀行制度はイスラム法で禁じられています。
ブロックチェーンは疑いの余地なく所有権を証明できるので、現在の銀行よりイスラム法に則っています。
ムフティー氏の論文は仮想通貨に関するイスラム教学者の集った学会の後に発表され、イスラム教界でもこの技術が注目されている姿勢を示しています。
世界の約4人に1人はイスラム教徒である今、イスラム教学者がどう裁定するかにより、今後市場が今まで宗教上の理由で参加できなかった層にまで拡大するかもしれません。
またその他の仮想通貨暴騰要因と、今後の展望についてのまとめは以下の記事で紹介しています。
Islamic Scholar Says Bitcoin is Compliant With Sharia Law as Price Surges
APRIL 12, 2018 by Conor Maloney
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