
今週の週次レポート
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が、今週の暗号資産(仮想通貨)ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
今週の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は方向感に欠ける展開となり、16日正午時点で1520万円周辺で推移している。
週明け12日、米中両国が相互の関税を115%ポイント引き下げることで合意したと発表したことで、BTCは1550万円を試したが、これによってリスク回避の動きが逆転したことで、米ドルと金利が上昇し、BTCの上値を圧迫した。
翌13日には、4月の米消費者物価指数(CPI)の下振れやテザーによるBTC購入を好感し、相場は再び1550万円を試したが、アリゾナ州知事が暗号資産(仮想通貨)準備金に関する2つの法案に拒否権を行使したことで、ブレイクアウトに失敗した。
その後は15日の米指標とFRB議長発言を控え、1500万円台前半での揉み合いが続いたが、15日アジア時間には一部主要アルトコインの下落や金(ゴールド)価格の下落に連れて一時は1500万円を割り込んだ。
一方、この日発表された米国の卸売物価指数(PPI)や小売売上高が軒並み弱めに出たことで下げ渋ると、パウエルFRB議長の発言を受けて一時は売りが入るも、米金利の低下が支援材料となり、1520万円まで水準を戻した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】
出所:bitbank.ccより作成
BTCは前週にフラッグパターンを完成させ、指摘の通り今週は上昇一服となった。
ただ、相場は底堅い推移で値幅調整とはならず、1500万円台前半で再び踊り場を形成し、日柄調整となっている。他方、貿易戦争懸念の後退や米インフレ指標の下振れを受けても上値追いには失敗しており、短期的な過熱感によって手控えムードもあったか。
パウエルFRB議長は15日、今後サプライショックが頻繁且つより持続的に起こる可能性から「金融政策のアプローチを再検討する」とタカ派的ととれる発言をしたが、今週の経済指標は景気とインフレの減速を示唆した。
米国株相場は米中貿易戦争休止とインフレ下振れを受けてBTCを追う形で今週上昇しており、BTCを取り巻く環境は引き続き改善傾向と言えよう。
翻ってビットコインのブロックチェーン上では、15日に短期筋による損切り送金が増加しており、相場が売りをある程度こなした可能性が示唆されている(第2図)。
同指標は8日の相場上昇直前にも増加しており、相場が上値追いの準備を完了させたとも読み取れ、史上最高値を試すのは時間の問題かと指摘される。

【第2図:BTC対ドルと含み損短期筋から取引所への送金】
出所:Glassnodeより作成
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