
「まだ相場のピークではない」
仮想通貨オンチェーン分析プラットフォームCryptoquantのアナリストCarmelo Alemán氏は15日にビットコイン(BTC)の長期保有者(LTH)が3月から5月にかけて利益確定を大幅に増加させていると指摘した。LTHの支出利益率(SOPR)は3月12日の1.3273から5月13日には2.27409へと71.33%上昇し、保有BTCの売却で得られる利益が著しく拡大した模様だ。

出典:Cryptoquant
5月13日時点でLTHの平均リターンは227.41%に達し、5万ドルの投資が約11万3705ドルとなり、利益は約6万4000ドルに膨らんでいる。こうした動きは、市場の再上昇を受け長期保有者(155日以上の保有期間)が蓄積した利益を確定させ始めていることを示している。
4月4日以降、LTHは33万9000ビットコインを保有量に追加し、総保有量は1437万0338ビットコインに達した。しかし同時に、これらの投資家はより高い利益率で売却する傾向を強めており、市場の新たな局面を示唆している。

出典:Cryptoquant
SOPRの急上昇は歴史的に「分配フェーズ(ディストリビューション)」と関連しており、ベテラン投資家が価格調整前に利益を確定する傾向がある。このパターンはビットコイン市場のサイクルを理解する上で重要な指標となっているとAlemán氏は説明した。
一方で、長期保有者は徐々に利益確定に動き始めているが、市場は依然としてサイクルの頂点(ピーク)には達していないとも指摘されている。
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4月のトランプ政権の『解放の日』関税発表以降、多くの上場企業がストラテジー社に追随しビットコインの採用を始めている。先日のビットコイン投資会社リバー社の最新調査によると、2025年初以降、ビットコインの最大の購入主体はETFや個人投資家ではなく、上場企業へとシフトしていることが確認された。特に、ストラテジー社は企業のビットコイン購入量の大部分を占め、今年だけで15万BTC以上のビットコインを購入している。このような企業主導の購入は、個人投資家の動きと対照的に、市場の供給により大きな影響を与えているという。

出典:リバー
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