- ビットコインはあらゆる資産クラスの要素をもつ
- 米商品先物取引委員会(以下、CFTCと表記)会長の J. Christopher Giancarlo 氏は、4月30日、米CNBCのインタビューに答え、ビットコインは金に類似したバーチャル資産であると同時に、あらゆる資産クラスの要素を含んでいると語りました。
- 規制推進の鍵はSEC
- 革新的技術に支えられたビットコインをはじめとする仮想通貨を、古い方に基づく規制の枠組みの中に落とし込むことは大変困難であり、今後の新たな規制の整備は結局のところ連邦議会にかかっていると話しました。
ビットコインはあらゆる資産クラスの要素をもつ
米商品先物取引委員会(以下、CFTCと表記)会長の J. Christopher Giancarlo 氏は、4月30日、米CNBCのインタビューに答え、ビットコインは金に類似したバーチャル資産であると同時に、あらゆる資産クラスの要素を含んでいると語りました。
Giancarlo 氏は、いまだ未成熟な仮想通貨産業に、偏見のない広い態度で意欲をもって関わっていることから、仮想通貨愛好家の間では、親しみを込めて“Cryptodad” (仮想通貨の父)と呼ばれていますが、インタビューの中で、ビットコインと金の類似性についての質問に次のように答えました。
確かに金のような資産といえる面もあります。ただし、仮想資産であり、デジタル資産ですが。 しかし、多くの人々が長期にわたって保有する価値があると認めている資産であり、取引の手段としては理想的ではないかもしれませんが、購入して保有し続ける(投資)戦略にはより適しているといえそうです。
さらに、仮想通貨が持つ特徴について、次のように付け加えました。
ビットコインや他の仮想通貨は、支払いであろうと、長期資産であろうと、実のところ、あらゆる異なった資産クラスの要素を持っています。
そして、規制当局はこのような特徴をもった仮想通貨の規制の枠組み作りに、正面から現在進行形で取り組んでいるものの、大変複雑で、規制に関する課題の解決にはまだ時間がかかるだろうと述べています。
一方、CFTCが管轄し、既にアメリカの主要取引所、シカゴオプション取引所(CBOE)と シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME)で取引が行われているビットコイン先物に関しては、
我々はビットコインのコモディティ(商品)としての側面に注目しており、その場合はCFTCの規制の枠内だと考えています。
と話し、その順調な運営にほぼ満足しているようです。
しかし同時に、ビットコインが商品以外の側面をもっていることに言及し、「どの規制体制を適用するか」によって、取り上げるべき側面も変わってくる可能性を示唆しています。
規制推進の鍵は連邦議会
Giancarlo 氏は、規制当局であるCFTCと、米証券取引委員会 (SEC) が適用する規制に関する法律はともに1930年代に作られたもので、革新的技術に支えられたビットコインをはじめとする仮想通貨を、そのような年代物の規制の枠組みの中に落とし込むことは大変困難であると説明しています。
同氏は、アメリカ連邦議会が、仮想通貨に関する新しい方針を定めることが必要な時期に来ているのではないかとして、次のように述べています。
最終的には、規制当局ではなく連邦議会が、この”新たな資産”のための新たな政策を推進していくかどうかを決めるのです。
”仮想通貨の規制に関する考え方の不一致を、技術発展を阻害することなく連邦議会が解決することができると思うか”との質問に、Giancarlo 氏は次のように答えました。
私が話をしたことのある連邦議員の中には、新しい見方・考え方で この問題にして取り組んでいく意欲をみせてくださる方々がいます。 連邦議会では、仮想通貨に関して考え方の見直しの気運が高まりつつあるのではないかと、私は思っています。