- イーサリアムコミュニティに不調和が生じている?
- イーサリアムの経済体制を育てることに全力を傾けた、「ステークホルダー」と自称する人々は、自分たちの意向を総括した陳述書を公表しました。一方で、Vitalik Buterin氏はそれに関与していないことを明らかにしています。
- Vitalik Buterin(ヴィタリック・ブテリン)氏とは
- 2013年、19歳の時に「イーサリアム」を考案した人物。その後も活動を続け、現在では仮想通貨業界で確固たる地位を得た。
イーサリアムコミュニティに不調和が生じている?
共同創立者であるVitalik Buterin氏が欠席する中、イーサリアムの経済体制を育てることに全力を傾けた、「ステークホルダー」と自称する人々は5月9日に会談し、自分たちの意向を総括した陳述書を公表しました。
共同陳述書の4点
- Ethereumプロジェクトの本来の使命から引き出しつつ、より広く渡った「ステークホルダー」の現在の期待を重視し、本プロジェクトの共同価値を反映する声明書を作成する。
- 公開資源のツールを支援・構築し、Ethereumコミュニティの「重要シグナル」とその測定基準を集める。「シグナル」の例として、コイン投票・取引量・施行された契約の数・提出されたERCの数・GitHubからの貢献数・ハッシュパワー・フォークする可能性の予測・関連チームと個人からの声明書に挙げられる。
- 月に一度、管制の集会を行う。各チームの代表者が作業グループを定義し、各課題をより深く研究させ、AMA (何でも聞いて)というグループ集会セクションを開く。
- 第二次EIP0 (イーサリアム改善提案)サミットを計画する。実際の場所にいなくても、視聴者と交流できる機会を更に増やす。
この署名団体は全て、先日行われたEIP0サミットの参加者であり、特に、Etherウォレットで知られているParity社、ERC20を元にしたベンチャー企業GnosisやAragonもその中の一員でした。
「必要とされるコンセンサス (結果の一致性)に達するためには、並行で共同管制プロセスの合理性を確保しなくてはならない」
この抜粋からすると、署名団体たちは、2017年8月当時のビットコインスケーリング議論がもたらしたハードフォークとコミュニティ分裂を案じていると考えられます。
最近では、アンチASICs対策やParity社で起こった大量のEther凍結事件を巡って、コミュニティでの管制の行方や問題解決手段の取り方を問われている状況に加え、上記の会談のことで、Buterin氏はSatoshi PortalのCEOであるFrancis Pouliot氏にこのように非難されました。
「この狂った管理委員会秘密会議で、ブロックチェーンの管制は”ステークホルダー”の意思で決定され、もはや『富豪階級政権』になりつつある。それにも関わらず、誰も疑わないのか?」
だが、Ethereumの主席開発者Lane Rettig氏は「秘密会議でもなかったし、ネット上生放送も行ったし、何より、何一つ規制を作っていない」とコミュニティの透明性に掛けられた懸念を払拭したものの、Buterin氏はこの会談結果や陳述書を一蹴しています。
「私はその会談に参加しなかったし、私の許可と参与無しでの集会なので、正直、あまりそれについて知らない」
このように、Buterin氏とEthereumコミュニティの間に不調和が生じていることは果たして、今までの彼のリーダーシップにどのような影響がもたされたかは不明であり、結束力とコンセンサスの行方も漠然としていると言えるかもしれません。