今週も、仮想通貨取引所の中でも大手取引所のHuobi社の研究所でリリースされているレポートをCoinPostで日本語に訳し、皆様にお届けいたします。
今回のレポートの主な内容は「マイニングに関する統計」と、「ウォレットの数などのアクティビティデータ」の2点です
51%攻撃の問題が深刻化し市場が揺れる中で、マイニングに関するデータは非常に興味深い内容となっております。
それでは早速レポート内容に入っていきましょう
調査レポート
マイニングに関する統計
5/14から5/20までの統計データを分析。BTCのハッシュレートは増加した一方で、ETHのハッシュレートは減少しました。
詳細を見ると、BTCの平均ハッシュレートは先週比で1.63%増加となる26.87 EH/sとなった一方で、ETHの平均ハッシュレートは、先週比で1.6%の減少となる267.3 TH/sとなりました。
図1:BTCハッシュレートの変動
図2:ETHハッシュレートの変動
マイニングのディフィカルティ(難易度)に関しては、5/21付でBTCの平均ディフィカルティ(難易度)は4.14Tとなり、先週に比べ、変化はありませんでしたが、ETHの平ディフィカルティ(難易度)は先週比で2.71%下落し、3.27Pとなりました。
図3:BTCマイニングディフィカルティ(難易度)
図4:ETHマイニングディフィカルティ(難易度)
マイニングプール比較
全体のマイニングプール比較では、BTC.comとSlushPoolの市場シェアがやや減少となり、Ethermineの市場シェアはやや増加となりました。
5/14から20までの統計データによると、BTCブロックチェーン上でマイニングが行われたブロック数は1038個となり、先週比で0.3%程度低い結果となりました。BTCマイニングプールの市場シェア順にマイニングプール名、ブロック生成数とその占有率、そしてハッシュレートを並べると、以下の通りになります。
- BTC.comー279個、26.88%、8.29EH/s
- AntPoolー152個、14.64%、4.51EH/s
- SlushPoolー110個、10.6%、3.27EH/s
- ViaBTCー92個、8.86%、2.73EH/s
- F2Poolー87個、8.38%、2.58EH/s
また、先週イーサリアムネットワーク全体で採掘されたブロック数は39535個となり、先週比で1.69%程度少ない数となりました。
イーサリアムマイニングプールの市場シェア順にマイニングプール名、ブロック生成数とその占有率、そしてハッシュレートを並べると、以下の通りになります。
- Ethermineー10823、27.37%
- f2pool_2ー6462、16.34%
- SparkPoolー6042、15.28%
- Nanopoolー5084、12.85%
- miningpoolhub_1ー4158、12.51%
図5:BTCにおけるマイニングプールの市場シェア
図6:ETHにおけるマイニングプールの市場シェア
アクティビティデータ
Blockchainによると、BTCにおける平均ブロックデータのサイズは789.4Kbsと、先週比で6.88%程度小さくなりましたが、ブロック毎の平均トランザクション回数は1498回となり、先週比で2.18%増えました。
ブロックデータサイズは小さくなりましたが、トランザクション数が増えたというのが今週の統計結果となりました。
図7:BTCブロックデータサイズの変動グラフ
図8:BTCブロック毎の平均トランザクション回数の変動グラフ
Etherchainによると、今週のETHの平均ブロックデータサイズは先週比0.53%増となる24529.67bytesになり、ブロック毎の平均トランザクション回数も143.44と先週比で1.74%増となりました。
図9:ETHブロックデータサイズの変動グラフ
図10:ETHブロック毎の平均トランザクション回数の変動グラフ
5/21の時点で、BTCの過去7日間における平均未確認トランザクション数は2821個であり、先週比で27.11%の減少と、大きな減少を記録しました。
また、ETHの過去7日間の平均未確認トランザクション数も20900個と先週比29.5%の減少となりました。過去7日間のETH未確認トランザクションにおける最大値は67288個であり、最小値は14292個となっております。
図11:BTC未確認トランザクション数
図12:ETH未確認トランザクション数
BTCのトランザクションフィー(トランザクションにかかる手数料)は、大幅に減少した一方で、ETHでは大幅な上昇となりました。
5/21の時点でBTCの平均トランザクション手数料が4.8%減少し、$1.321となった一方で、ETHのトランザクションフィーは、先週比14.73%増加となる、$0.553となりました。
図13:BTCとETHの平均トランザクションフィー
ETHのマイナー数のデータもあります。ETHの1日におけるマイナー数が増えてきております。先週1週間(5/14〜20)の間に、ETHの1日のマイナー数は62となり、先週の60.85から1.8%の上昇となりました。
図14:ETHにおける1日のマイナー数の推移
Bblockchain.infoの統計によると、5/21時点で、BTCブロックチェーン上のウォレット数は24837455となり、先週比で198459ものアドレスが増えた事になります。
また、etherscanのデータによると、5/21時点におけるETHブロックチェーン上のアドレス数は34249306と、先週比で684606ものアドレスが増えました。
図15:BTCにおけるウォレットのユーザー数
図16:ETHにおけるウォレットのユーザー数
CoinPost考察
今週はマイニングに関連する内容や、その他ウォレット数などの推移を見ていきましたが、まさに直近モナコインにおけるReorgやその他51%攻撃を受けた通貨の話題が注目されている中で非常に参考になる内容が多かったのではないでしょうか。
こうしたインプットを蓄積することで、仮想通貨を多角的に見る力や、本質を見極める力を身につけることができ、仮想通貨投資に活かされていく事でしょう。
今後もCoinPostはHuobi研究所の協力を借りながら、同調査レポートをユーザーの皆様にお届けして参ります。
Huobi研究所について
Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的としたより高度な組織へ発展を遂げました。
また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。
また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。 Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。
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※注意事項
今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。