- 台湾史上最大規模のブロックチェーンイベント「Asia Blockchain Summit」が7月2日〜3日で開催
- BinanceのCEOであるCZ氏、Litecoinの創設者Charlie Lee氏など著名な登壇者が、主に政府の監視と関連規制の実施に対し議論を行いました。
- 政府官庁の一つである国家発展委員会主任委員、陳美伶氏がブロックチェーンの必要性を強調し語る
- 台湾はエネルギー分野においてブロックチェーンの技術参入が必要と語り、法律上に禁止されていないであれば、業者がやって大丈夫という事を示していると語りました。
台湾史上最大規模のブロックチェーンイベント「Asia Blockchain Summit」がTaipei Marriott Hotelで開催されました。
このサミットは30か国以上のブロックチェーン専門家、立法関係者が参加し、参加者数は2,500人を超えると推定され、「ブロックチェーンの未来」について真剣に議論をする場所となっていました。
このイベントの最も大きいな特徴として、BinanceのCEOであるCZ氏、Litecoinの創設者Charlie Lee氏など著名な登壇者が、主に政府の監視と関連規制の実施に着目し、議論していた点が挙げられます。
日本からも、仮想通貨取引所「bitbank」のジョナサン氏、日本ブロックチェーン協会より樋田圭一氏、ブロックチェーンのためのインキュベーションセンター「HashHub」 を運営する東晃慈氏、そして、日本でも数々のブロックチェーン企業に携わる篠原 ヒロ氏が登壇し、台湾の仮想通貨規制に関して話しました。
また、台湾の金管会(日本でいうところの金融庁)の官僚も出席し、金管会の主任委員 顧立雄氏がスピーチにて、将来的に起こる金融イノベーションについての4大監督原則について、下記通りに述べていました。
これら4つの原則の下で、業界に最大の開発余地が与えられるとされています。
- リスク対策
- 責任を伴ったイノベーション革新
- テクノロジーの中立性
- 事業リスクの監視
政府官庁の一つである国発会(国家発展委員会)主任委員、陳美伶氏は、下記のように語りました。
これから台湾は、エネルギー分野においてブロックチェーンの技術参入が必要。
特に炭素取引と電気の発電と保存するためのグリーンストア確認プロセス、国発会は「政策面の支援強化」「監督規制の完備」「GPPRの個人資料保護」、そして「パブリックガバナンスの導入」など4つの議題を切口としてブロックチェーンに携わりたい。
またブロックチェーン関連業者に対して、以下のように呼びかけました。
法律上で禁止されていなければ、ブロックチェーン業者がそのビジネスを進めても問題ないという事を示している。
世の中には2つの全く異なる、法律立案思考があります。
1つは交通標識を例に取ると、標識「左折禁止」の解釈は、左折を禁止することであるが、必ずしも右折または直進する事を許可するものではありません。
もう1つは、いわゆる「タッチストーン(試金石)」と言われる思考です。
法律に固く縛られるのではなく、原則禁止された左折はしませんが、右折、直進、あるいは”飛ぶ”のも標識の管轄範囲に入っていません。
後者は、陳美伶氏が強調していたポイントになります。
サミットで、仮想通貨などの金融監視をどのように実施するかの現実問題に戻ると、金管会副主任委員鄭 貞茂氏がセミナーで、下記のように述べていました。
金管会と立法委員 許毓仁氏、及びその他与野党議員とコンセンサスを持ち、今後はフレキシブルかつ有効的な”暗号通貨の規制”を立案する予定。
金管会は、金融監視サンドボックスやその他の金融テクノロジーの監視について、すべての業者を同じように扱い、スタートアップ業者も金融業者も皆適切に監視されるべきだ。
それは、今ままでの経験上、必ず悪い事をやってしまう人がいる性悪説に基づいているからに他ならない。
歴史的な瞬間
7月2日に台北で行われた「アジアブロックチェーンサミット」は、暗号通貨市場が低迷し、投資家がブロックチェーンのポテンシャルを疑い始めているにも関わらず、参加者が非常に多く、今でもこのような熱気が溢れている事実に驚きました。
またこのイベントの始まりに、主催者は「鐘を鳴らすオープニングセレモニー」が用意されていました。これは、このイベントを象徴するワンシーンと言えるのではないかと思います。
各規制がまだ実施されていない中、同じブロックチェーンイベントで、台湾政府の行政、立法、財政監督の3つの代表格の方々である経済部常務次長、立法院国民党の立法委員、金管会主任委員と副主任委員が同じ場に集まり、一緒に鐘を鳴らしたということは、台湾政府がブロックチェーンに対する重要な声明を行なったとほぼ同義であり、暗号通貨に関する規制は前向きに実施されていくと見られます。